2022年12月27日07時00分 / 提供:マイナビニュース
●異動の内示に「ひっくり返りました」
テレビ埼玉(テレ玉)の正月恒例特番『第31回埼玉政財界人チャリティ歌謡祭』(1月1日19:00~)。年々磨きがかかる出場者のユニークなパフォーマンスと、お堅いイメージの政財界人とのギャップが大きな話題を集め、今や県を越えて“埼玉の奇祭”と呼ばれるようになり、Twitterでは世界トレンドに入る盛り上がりを見せている。
マイナビニュースでは、11月26日にさいたま市文化センター大ホールで行われた収録を取材。3年ぶりの有観客開催で一層気合いの入った出場者らに本番直後に行ったインタビューを、全5回にわたりお届けする。
今回は、財界の主な出場者に直撃。大舞台で人前に立って歌うことに苦手意識を持っている人や、「私の命同様です」とこの番組に懸ける人など、様々なスタンスでこのステージに臨んでいた――。
○■「人前で歌うなんて本当に嫌だった」から意識に変化
トップバッターで「さくら(独唱)/森山直太朗」を披露したのは、「東京ガスネットワーク」の細田千恵埼玉支社長。同社の埼玉支社長になると『埼玉政財界人チャリティ歌謡祭』に出場することが決まっているだけに、異動の内示が出たときは「ひっくり返りました。私はお酒も飲みますし、ゴルフもやるのですが、カラオケだけは行かないので、『やらなきゃいけないのか…』という感じでした」とプレッシャーになっていた。
志願してトップバッターになったが、「最初に終わったほうが気が楽になると思ったんです。トップバッターだとまだ人が集まってなくて皆さんが分からないうちに終わりにしたいと思って」と、消極的な理由からだ。
しかし、バックダンサーを務める社員たちの懸命な姿から、その意識が変化。「みんなが練習してくれるのを見て、『これはやらなきゃいけない』と思って、テンションが上ってきました」といい、本番を終えて、「正直、人前で歌うなんて本当に嫌だったんですけど、こんな素晴らしいバンドの皆さん(岡宏&クリアトーンズオーケストラ)の演奏で歌えるなんてなかなかないだろうと思って、高揚感があって感謝しております。そして、東京ガスネットワークを宣伝させていただいて、本当にありがたいです」と充実の表情を見せる。
そして今回の経験で、「下手を克服できるかもしれないきっかけを頂いたと思いましたので、(今後はカラオケにも)行ってみようかなと、ちょっとだけ思いました」とも語った。
○■「ステージから女房へのメッセージです」
自身のオリジナル曲「この愛」を熱唱したのは、物流事業を展開する「拓洋」の鈴木俊一会長。会場にも駆けつけた妻への感謝の曲だそうで、「本当にいっぱい苦労をかけたんですよ。もう家庭を顧みないときもあって。だから、ステージから女房へのメッセージです」と力を込めた。
自分の曲を持つのが夢だったそうで、今や持ち歌は4曲に。自らトークした内容をプロがまとめて歌詞にする方式で制作した楽曲は、「みんな人生の歌です」といい、普段は自身が会長を務める高齢者団体のイベントなどで披露しているという。
歌唱のレッスンも欠かさず、「月2回、もう12年通っています。八潮から高速に乗って北本まで、1時間半近くかかります」と長年の努力で培われた自慢の歌声を、今回はソシアルダンスとのコラボレーションで響かせた。
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●『歌謡祭』のために生きているようなもの
レストランチェーン「馬車道」の木村徳治名誉会長は、今回で16回目の出場。石原裕次郎の「泣かせるぜ」を披露したが、3年ぶりの有観客に「最高です。これまでで最高にノビノビとできました。もうウキウキしてます」と、ステージを終えても興奮が収まらない。
そんな木村名誉会長にとって、『埼玉政財界人チャリティ歌謡祭』は「(仕事は)第一線を引退しましたから、『歌謡祭』のために生きているようなものなので、私の命同様です」という存在。2023年も「カラオケ歌って、ゴルフやって、仕事は後ろから発破をかけたいと思います」とプライベートを充実させながら、会社を見守っていく。
○■“愛のあるディスり”に「本当にありがたい」
92年の第1回から3代にわたって全回出場を続けるエネルギー事業の「サイサン」川本武彦社長は、愛する矢沢永吉の「IT'S UP TO YOU!」を熱唱。「去年は無観客だったので、お客さんがいると全然違いますね」とご満悦の様子だ。
祖父、父が出場していた『埼玉政財界人チャリティ歌謡祭』。自身が社長を受け継いでも、最初は出場するのが嫌だったそうだが、「十何回も出ているうちに1つのライフワークになって、“これがないと今年どうなの?”というくらいになりました」と欠かせない存在になった。
この番組の魅力を聞くと、「埼玉のゆるさと温かさを体現していると思います。出てる人が笑いものになったり、Twitterでディスられたりして最初は傷ついたけど、みんな愛のあるディスりで、本当にありがたいなと思います」と回答。さらに、「(以前の大宮ソニックシティの会場は)控室がみんな一緒で、次の出番の人に『頑張って行ってこい!』とか言って戦友みたいになるから、市長とかいろんな企業の人と仲良くなる機会になるんです」と企業経営者としてのメリットを明かし、「31回続いているのは、すごいことだと思います」と称えた。
出場するメリットは社内においてもあるのだそう。社員たちによるバックダンサーのパフォーマンスが恒例で、サイサンの採用基準になっているのではないかとウワサされるほどだが、「全部違う部署から選んで知らない人同士にして、練習を通して仲良くなったりするんですよ。自分の子どもより若い社員もいて、こうやって一緒になる機会もそんなにないですし、終わったあとに『打ち上げに行こうか』となりますから」と、コミュニケーションの機能を果たしているそうだ。
○■『第31回埼玉政財界人チャリティ歌謡祭』出場者
1:東京ガスネットワーク(株)・細田千恵埼玉支社長【初出場】/森山直太朗「さくら(独唱)」
2:深谷市・小島進市長/ピンキーとキラーズ「恋の季節」
3:(株)埼玉りそな銀行・福岡聡社長/猿岩石「白い雲のように」
4:埼玉県議会・中屋敷慎一議長【初出場】/エスカネーチャンズ「エスカレーター乗ったら NON! NON! WALK」
5:(株)拓洋・鈴木俊一会長/鈴木俊一(オリジナル)「この愛」
6:戸田市・菅原文仁市長/サンボマスター「できっこないを やらなくちゃ」
7:宮代町・新井康之町長【初出場/町村会推薦】/松村和子「帰ってこいよ」
8:(株)サイサン・川本武彦社長/矢沢永吉「IT'S UP TO YOU!」
9:(株)セキ薬品・関伸治会長【初出場】/「マイウェイ」
10:(株)コマーム・小松君恵会長【初出場】/小松将人「ちがうから☆ワクワク」
11:桶川市・小野克典市長/MISIA「アイノカタチ」
12:(株)馬車道・木村徳治名誉会長/石原裕次郎「泣かせるぜ」
13:川口市・奥ノ木信夫市長/ザ・フォーク・クルセダーズ「若い加藤和彦のように」
14:ケアハウス和みの里・山中和子理事長/舟木一夫「高校三年生」
15:さいたま市・清水勇人市長/ダ・カーポ「野に咲く花のように」
16:(株)清水園・清水志摩子社長/「心はるかに」
17:埼玉県・大野元裕知事/井上陽水奥田民生「ありがとう」
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