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中央線「昭和グルメ」を巡る 第163回 高い人気に納得できる本格派 「オトメ」(国分寺)

2022年12月27日11時00分 / 提供:マイナビニュース

いまなお昭和の雰囲気を残す中央線沿線の穴場スポットを、ご自身も中央線人間である作家・書評家の印南敦史さんがご紹介。喫茶店から食堂まで、沿線ならではの個性的なお店が続々と登場します。

今回は、国分寺の中華料理店「オトメ」をご紹介。

○「次はなにが出てくるかな?」楽しいったらない「五目やわらか焼きそば」

地元では昔から有名な広東料理の老舗であり、その評判はもう何十年も前からから耳にしていたのです。ところが人気店ですぐ満席になってしまうため、なかなか入るチャンスが訪れなかったんですよねー。それが、国分寺の「オトメ」というお店。

国分寺駅南口を出たら、右斜め方向に伸びる「多喜窪通り」を向こう側に渡って直進。すぐに見えてくるファミリーマートの角を左折すれば、ほどなく右側に見えてくるレトロな雰囲気の建物。外観は、1980年代によくあった喫茶店風ですね。

店内は入って右側に4人がけのテーブルが2卓並び、左側にも4人席がズラリ。全部で40席くらいでしょうか? テーブルの配置に余裕を持たせているため、ゆったりとした印象があります。

なお左側には、開けられることはないだろうと思われる格子窓が2つあって、道路側にも格子の出窓。そんなあたりも、やはり80年代風です。でも、そのレトロな雰囲気がやけに落ち着くんだよなぁ。

しかも「菜譜」と書かれたメニューを確認してみれば、「これは絶対うまいはず」と感じずにはいられない料理ばかり。ジャージャー麺とか基本のラーメンも気になるところではありましたが、「※次のお料理はお時間をいただく場合もございます」と但し書きがついたコーナーのなかから、「五目やわらか焼きそば」を選んでみました。

なぜこれが気になったかって、隣のページには「やわらかい焼きそば」というものがあるんですよ。しかもそれは935円なのに、「五目やわらか焼きそば」は1430円。五目か否かの違いなのでしょうが、とはいえ値段がそこまで違うのであれば、やっぱり期待したくなっちゃいましてですね。

などと感じながら壁に目をやれば、そこにも「当店の逸品 五目野菜やわらかい焼きそば」の張り紙が。メニューにあるものとは名称が少し違うけど、とはいえこれがその高いほうですね。

なんでも、旬の野菜を中心とした19種類の食材を使ったあんかけの焼きそばらしく、しかも「当店オススメ」だそう。だったら、これを食べたくなるに決まってますよね。迷うことなく決定です。

なお今回は一番乗りに成功したのですが、次から次へとお客さんが入ってきて、みるみるうちに席が埋まっていきます。お店の方と親しげに話している常連さんもいたりして、家庭的でとてもいい雰囲気。味もさることながら、こうした人当たりのよさも人気の秘密なのかもしれません。

ところで世の中の飲食店においては、「メニューの写真と現物が違った」ということがたまにあるじゃないですか。写真は豪華そうなのに、実際はショボかったというような。

しかし、やがて運ばれてきた「五目野菜やわらかい焼きそば」を見てビックリ。ここの場合は、壁に貼られた写真よりも現物のほうが豪華に見えるのです。つまり、世間にありがちなケースとは逆。これは素晴らしいぞ。

それに、たしかに書ききれないほど具材が豊富なんですよ。ネギや白菜、イカに筍と、食べ進めるほどにそれらの下からいろいろなものが現れてくるので、「次はなにが出てくるかな?」って感じで楽しいったらない。

また熱の通り方も申し分なく、うっかりしていると大変なことになりそうなくらいにアツアツです。素材に絡みついた餡も、素材の味をしっかりと引き締めてくれています。

そして、それらに輪をかけて素晴らしいのが主役の麺。多数の具材に負けずとも劣らない存在感で硬さも心地よく、適度な焦げの香ばしさも格別です。

いやー、これは驚かされたなぁ。ここまで非の打ちどころのないものを出されてしまうと、さすがは名店だと圧倒されるしかありません。決して大げさな表現ではなく、いままで食べてきた五目焼きそばのなかでは群を抜いているかも。

「当店の逸品」という表現に偽りなしですね、恐れ入りました。

と感動しているところに「熱いのでお気をつけください」と烏龍茶が出てきたりするところも絶妙のタイミング。お勘定の際には「お待たせしてしまってすみませんでした」と声をかけてくださったりもしたし、ホスピタリティも抜群です。

ほめてばかりだと思われるかもしれませんが、ほめる意外にないのです。そのくらい満足できたのです。だから店を出てからは、「いつか必ず家族を連れてこよう」と思っていながら駅へ向かったのでした。

●チャイニーズレストラン オトメ
住所:東京都国分寺市南町3-13-10
営業時間:11:40〜15:00、18:00〜21:00
定休日:水曜(月1回連休あり)

印南敦史 作家、書評家。1962年東京生まれ。音楽ライター、音楽雑誌編集長を経て独立。現在は書評家として月間50本以上の書評を執筆。ベストセラー『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社、のちPHP研究所より文庫化)を筆頭に、『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)、『読書する家族のつくりかた 親子で本好きになる25のゲームメソッド』(星海社新書)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)、『読書に学んだライフハック――「仕事」「生活」「心」人生の質を高める25の習慣』(サンガ)、『それはきっと必要ない: 年間500本書評を書く人の「捨てる」技術』(誠文堂新光社)、『音楽の記憶 僕をつくったポップ・ミュージックの話』(自由国民社)、『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)ほか著書多数。最新刊は『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)。 この著者の記事一覧はこちら

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