2022年12月19日17時08分 / 提供:マイナビニュース
●振り返ってみるとずっと「楽しかった」
仮面ライダーシリーズ最新作『仮面ライダーギーツ』と、今年8月に放送終了した『仮面ライダーリバイス』が強力タッグを組んだ劇場映画『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』が、12月23日から公開される。単独インタビューの今回は、仮面ライダーギーツ/浮世英寿を演じる簡秀吉が登場する。
努めて感情を出さずクールにふるまい、目的のためなら他のライダーをあざむくことにも躊躇がない英寿と、家族思いの人情家、喜怒哀楽の感情が顔に出てしまう仮面ライダーリバイ/五十嵐一輝(演:前田拳太郎)はまさに好対照のヒーロー。先輩ライダーとの本格共演を果たした簡に、映画の撮影裏話や見どころ、そしてミステリアスな英寿を演じるにあたって心がけていることを尋ねた。
――簡さんは10月23日に20歳の誕生日を迎えられて、その日は共演者のみなさんからお祝いされたそうですね。
そうなんです。最初は取材だと聞いていて、普段通りスタジオに行ったらみんなが「おめでとう!」と……、サプライズを仕掛けてもらって、めちゃめちゃうれしかったです。
――『仮面ライダーギーツ』レギュラーキャストのみなさんの仲のいい雰囲気は、SNSを通じてファンの方々に伝わっていると思います。
ふだんから、みんなで控室にいるときとか、ずっとおしゃべりしています。デザイアグランプリのサロンみたいに、お互いを牽制しあっているような空気とは正反対(笑)。ときどき、数人で一緒にご飯を食べに行ったりすることもあります。
――テレビシリーズでは複数の参加者(仮面ライダー)たちが生き残りをかけ、謎の怪物ジャマトと戦っていくゲーム=「デザイアグランプリ」の非情なルールが話題を呼んでいます。当初はデザイアグランプリとは何なのか、詳しい全貌が示されず、エピソードが進む中で少しずつルールが明かされる展開で、観ているほうとしてはハラハラするばかりでした。
デザイアグランプリも「黎明編(第1話)」に続いて「邂逅編」が第9話で完結し、次の「謀略編」である程度の全貌が明らかとなり、デザイアグランプリとは何なのかがだんだんわかってくるんじゃないかと思います。
――デザイアグランプリにかなり昔から参加しているという英寿や、ナビゲーターのツムリはゲームの仕組みやすべてのルールをつかんでいるような感じですが、演じる簡さんもある程度、ゲーム自体のことを聞かされているのでしょうか?
それが僕も事前に知らされていないことが多くて、台本を読んで戸惑うことも少なくないのですが、そもそも英寿は感情をあまり表に出さない人物。ゲーム内で起きる出来事について、英寿は常に「こんなことが前にもあったな」という感じで接しなければなりません。初めて触れることでも「知っている」という雰囲気を出すよう常に意識しています。
――確かに、英寿がゲームの進行で想定外のことを目撃しても、決してあわてたりしないという面が徹底されていますね。簡さんが英寿のクールさ、超然とした人物像を表現するために、気をつけているのはどんなところですか。
猫背にならず、背筋を常に伸ばしていることです。そして、歩き方、立ち方に気をつけています。ガニマタっぽくならないようまっすぐ歩き、胸を張って堂々と立つ。あとは、目線の持っていき方です。対象にすぐ目を向けるのではなく、ゆっくりと余裕を持って……、そんなたたずまいを意識しています。
――9月4日の放送開始から、3か月あまりが経ちました。テレビをご覧になった身近な方たちからの反響で、うれしかったものを教えてください。
やっぱり、以前から応援してくださっているファンの方々や、親しい友人から励ましの言葉をもらうとうれしいです。僕は3人兄弟の真ん中で、兄も弟も僕が『ギーツ』に出演しているのを喜んでくれています。
――12月23日からは『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』が公開されますね。仮面ライダーリバイ/五十嵐一輝役の前田拳太郎さんと『リバイス』最終回以来となる、リバイスとギーツの共演についての思いを聞かせてください。
台本をいただいたばかりのときは「どういう物語なんだろう」と少し混乱しましたが、読み進めていくうちにストーリー展開や『リバイス』の世界観が解ってきて、ワクワク・ハラハラ・ドキドキしっぱなしでした。スタッフさんからは「テレビと映画のスケジュールが被ると大変だよ」と言われていましたけれど、つい先日映画がクランクアップを迎えまして、振り返ってみるとずっと「楽しかった」という思いしかありませんでした。『リバイス』の先輩たちから刺激を受け、学べることが多く、この体験をテレビのほうにも活かしていければいいなと思いました。
――映画は「リバイス編」「ギーツ&リバイス編」の2部構成になっているとうかがいました。「ギーツ&リバイス編」では英寿と一輝のコンビネーションがストーリーの肝となっている印象です。撮影現場における、簡さんと前田さんのコンビネーションはいかがでしたか。
拳ちゃん(前田)とは普段から仲良くしているんですけど、現場に入ると「前田くん」と呼んで、仕事とプライベートを分けるよう意識していたんです。そうしたらよそよそしいと思われて「“前田くん”はやめて!」って言われましたが(笑)。現場でも、普段どおりの拳ちゃんで、撮影はとても楽しかったです。僕は拳ちゃんから「カンキチ」と呼ばれていました。これは以前からずっと仲良くしている日向亘(仮面ライダーライブ/五十嵐大二役)が名付けてくれて、そのニックネームが拳ちゃんにも浸透した形ですね。
●簡秀吉の「願い」とは
――「ギーツ&リバイス編」では『仮面ライダー龍騎』のライダー(龍騎、ナイト、王蛇)が登場するそうですが、簡さんは龍騎のことをご存じでしたか?
自分が生まれる前の年の放送でしたから、その存在こそ知っていましたが、今まで観る機会がなかなかありませんでした。今回台本をいただいたとき、参考のために観てみました。今からちょうど20年前の作品で、どんな感じなんだろうと思っていたら、とても深い内容で驚きました。特に、最凶のライダー「王蛇」の浅倉威がお気に入りです。映画の現場で、王蛇をナマで見られたときには、シビレましたね。変身前のみなさん(龍騎/城戸真司役:須賀貴匡、ナイト/秋山蓮役:松田悟志、王蛇/浅倉威役:萩野崇)にも変身シーンの撮影のときご一緒させていただき、緊張しました。
――デザイアグランプリにも、他のライダーを卑怯な手口で蹴落とそうとする邪悪なライダーがいましたし、複数ライダーが生き残りをかけて戦う『ギーツ』と『龍騎』にはいろいろな共通項がありますね。
デザイアグランプリでは、仮面ライダー同士が争って潰し合うのはルール違反になりますけど、映画はライダーが互いに戦い合うゲーム「デザイアロワイヤル」ですから、ますます『龍騎』の世界との共通点が多くなります。
――映画が公開を迎えるまでにも、デザイアグランプリはひと波乱、ふた波乱ありそうです。英寿の「謎」などはいつごろ明かされるのでしょうか。
テレビの劇中でもすでに「お母さんを探している」と英寿が明言していますし、デザイアグランプリにずっと参加できる秘密も明かされました。遠くない将来、英寿の過去やデザイアグランプリで本当は何をしたいのかが明かされるはずです。
――謎の多い英寿ですが、彼を演じるにあたって簡さんには英寿の詳しい人物像を聞かされていたりしますか。
外に出してはいけないウラ設定、英寿の背景のようなものは聞いています。その上で、各話の進行に合わせて、監督と相談しながら役を作るのですが、あまり「こうしてほしい」と言われることは少なくて、自分自身でこんな風に英寿を作り上げていこうと考えるところが多いです。
――次々に移りかわる世界、そしてぞくぞく登場する新しいライダーに対応しなければなりませんから、英寿のキャラクターをブレさせず演じ切るのは大変ではないですか。
英寿を演じるにあたり、大変だとか、難しいと思ったことはありません。事前に準備をしっかりした上で撮影に臨みますので、常に英寿の演じ方には自信を持っています。監督からの注文があった場合にも、臨機応変な対応を心がけ、自分の役をカッチリと固定するつもりもないんです。撮影で大変なのは「寒さ」くらいですね。早朝とか、めちゃめちゃ寒いですから表情筋が固まり、動かなくなってしまうんです。そんなときは本番直前まで、カイロで顔を温めています(笑)。
――外を歩いていて、ファンの方から「英寿だ!」と気づかれたりすることはありますか?
一度、佐藤(瑠雅/仮面ライダータイクーン/桜井景和役)くんといっしょにご飯を食べているとき、周囲の方に気づかれたことがありましたけど、1人でいるときはまったくないです。ロケに出たとき、近くにいらっしゃった子どもたちやお母さんから声をかけていただくことはあります。お子さんが僕たちを見つめる目がキラキラしていて、僕も小さなころはこんな感じだったのかな、可愛いなあって思いました(笑)。
――これから映画絡みのイベントなどで、子どもたちからの熱い視線や拍手を直接浴びる機会が増えそうですね。
子どもたちの笑顔を観るのが好きですから、そういったイベントに出る日が来るのを楽しみにしています。
――ギーツはキツネモチーフのライダーですが、まさか東洋水産(マルちゃん)「赤いきつね」と「緑のたぬき」とギーツ、タイクーンのCMが実現(10~11月に放送)するとは思いませんでした。CM撮影はデザイアグランプリのサロン内で行なわれたようですが、そのときのお話を聞かせてください。
テレビとは別のスタッフさんによる撮影で、いつもと違った楽しさがありました。最初のころから「ギーツと『赤いきつね』がコラボしたら面白いよね」という声がいくつかありましたけど、意外と早く実現して驚きました。CM撮影では「赤いきつね」をたくさん食べました。SNSでも「赤いきつね買いました!」って声が多くて、反響のすごさに驚いています。
――食べ物の話題を続けますと、映画では「スシロー」とのコラボで、英寿と一輝がお寿司を食べるシーンがあるそうですね。
こちらも楽しい撮影でした。でも、お寿司を食べながら演技をするのがこれほど難しいのか、とも思いました。ひと口で食べて、咀嚼しながらしゃべるので、何を言っているのかわからないという(笑)。テイクを何回も重ねて、ようやくOKが出たときはホッとしました。僕たちが食べていたのは、スシローさんの『ギーツ』タイアップメニューで、すごく美味しかったです。ちなみに今回、僕が着ている英寿の衣装は一輝とスシローに来ているときのものなんです。
――いよいよ公開が迫った映画『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』の見どころをお願いします。
ギーツとリバイス、そして龍騎という3つの「仮面ライダー」世界が組み合わさったときの化学反応がどうなるのか、そこを楽しみにしていただきたいです。英寿と一輝が2人で困難に立ち向かうシーンが多いので、ぜひまばたきひとつせずに観てください(笑)。英寿、一輝がおもちゃのようなかわいい自転車に乗って敵から逃げるシーンとか、必見ポイントがいっぱいです。そして、映画での英寿がデザイアカードにどんな「願い」を書いたのか、にも注目してください。
――最後に、簡さんが『ギーツ』でこれからやってみたいこと、あるいはチャレンジしたいことがあったらぜひ教えてください。
やってみたいこと……、それは「始球式」ですね! 僕はプロ野球が大好きで、シーズン中はずっとテレビで野球観戦をしていました。ジャイアンツファンなので、英寿としてマウンドに立ち、ジャイアンツ開幕戦の始球式を務めることができたらいいなと夢見ています!
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