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『鎌倉殿の13人』山本耕史、老けメイクなしで義村のブレなさ表現 最終回にも言及「腑に落ちた」

2022年12月18日06時00分 / 提供:マイナビニュース

●勝つと思う方に味方する! 義村役を堪能「ワクワクした」
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)がついに、12月18日放送の第48回でラストを迎える。歴史を動かす承久の乱で、小栗旬演じる北条義時の盟友・三浦義村(山本耕史)は果たしてどう動くのか? 三谷幸喜脚本の大河では、『新選組!』(04)の土方歳三、『真田丸』(16)の石田三成に続いて、重要な役どころを演じきった山本が、義村役への想いと共に、小栗と交えた最後のシーンの秘話を明かした。

平安末期から鎌倉前期において、源平合戦や鎌倉幕府誕生、執権政治に至るまでの権力争いを、北条義時を主人公に描いてきた『鎌倉殿の13人』。容赦ない粛清劇で、数多くの武将たちが散っていくなか、義村は要所要所の局面で勝つ方につき、たくましく生き残ってきた。

「一応、義村なりに悩むというか、吟味はするんですが、常に損得をきっちり考えて動きます。そのなかで、北条に反響を翻すと、大変なことになるだろうということもわかっている。きっと想定外だったのは、和田合戦の時に、巴御前(秋元才加)に言われて起請文を飲まされたことでししょう。あの時は、和田側につくと腹をくくったのに、和田義盛(横田栄司)から『どうせ裏切るなら、ぎりぎりで裏切らないでほしいんだよな』と言われて、結局は裏切った。でもあの時は、うれしい誤算だったかなと」

そんな義村役を心から堪能したという山本。「毎回台本を読んでワクワクしました。親友であろうが、無二の友であろうが、義村にとって出る杭は打つんです」と言いながらも、やはり義時とのパワーバランスにおいては、いろいろと考えていたとであろうと推察する。

「義時はさすがに執権まで行った男だから、絶妙かつギリギリなバランスを保っていたのではないかと。例えば、橋にいて、そっちに傾いて落ちるか、こっちに重心を置いて保つかということは考えていたと思います。そういう義村の勘や判断力のすごさは、台本を読んでいて爽快でした」と笑顔で語る。

「弟(胤義・岸田タツヤ)から『また、兄上は裏切ろうとしているんじゃないんですか?』と言われた時に『お前もずいぶん大人になったな』となぜか褒めるんです。梶原も畠山も比企も全部なくなっても、三浦だけは生き残っているだろと。それは本当に義村らしい言葉ですよね。また、義時に『俺を信じるか信じないかはそっちの勝手だが、俺を信じないとお前は死ぬかもしれないし、生き残るかもしれないけど、俺を信じなければお前は確実に死ぬ』と言い放つんです。それって0か100じゃなくて、0か50だし、なんとも義村らしい考え方だなと」

「勝つと思う方に味方する」という義村の処世術は全話通して一貫していたし、演じる山本もそこを体現すべく、老けメイクを敢えて施さずに演じてきた。

「義時や和田義盛、畠山重忠などは、だんだんひげを蓄えていったりして、風貌が変わっていきますが、義村だけは一貫して何も変えないでいこうと思いました。そういう対比をつけたほうが、お互いに引き立つと思ったので。実際、昔も僕のような童顔の人はいただろうし、ドラマというエンターテイメントの中ということで、僕からそう提案させてもらいましたが、非常に良かったと思っています」

●最終回に納得 義時と義村のやりとり「素敵なシーンに」

三谷氏がインタビューで、義村について「どの局面においても、何を考えているのかわからない人。人を裏切ってばかりの人」としたうえで「そういう面白さも生かしたい。そこは演じる山本耕史さんの魅力によるところも大きいです」と、山本に対する全幅の信頼感を口にしていた。

山本も三谷大河として3度目の出演となった今回の『鎌倉殿の13人』について「本当に面白かったです」とうなる。

「義村は、手のひらを返していくスピードがすごいし、貪欲でしたたかな描き方をされてきました。脚本を読んでいて、義村が出てきた時に『なるほど。そっちにつくんだ! へえ』と思って、ページをめくったら、違う方についていて『え? どっちにつくんだ?』と、わからなくなる時もありました。だから、僕も最後の最後まで、どっちに転ぶのかはまったくわからなかったです」と心から楽しんだ様子。

最終回で義時と義村がどんなやりとりを繰り広げるのかも気になるところだが、山本はとても感慨深かったと語る。「2人がどういう最後を迎えるんだろう? と思っていましたが、そこは1年半の間、撮影してきた流れのなかで、義時も義村も腑に落ちたシーンになったと思います。そこでは、一瞬、覚悟を持った会話を交わしますが、僕は素敵なシーンになったと思いました」

同シーンについて、山本は「初めて義村と義時の関係性がきっちり見えたようなシーンで終わりますが、とにかく脚本がすばらしくて。義村が自分の思っていることを義時に吐露するような唯一のシーンとなりましたが、難易度的にはすごく高かったです」と撮影を振り返った。

「本気の感じでいくと、三谷さんテイストが出ないし、かといってちょっとコメディに寄せすぎると、それはそれでちょっともったいない感じがしたので、その2つを両立させたいと思ったんです。だから、僕は普段あまりやらないけど、このシーンにかぎっては、自分で自分をどんどん演出していきました。これまでの中で、一番自分で組み立てたシーンになった。だから、最終回は義時の終わり方も含め、非常に面白い幕の閉じ方をしています」と手応えを明かす。

「やはり義村の生き方は、のらりくらりといろんなところに行くのですが、迷いがないというか、真っ直ぐそこに向かっていました。北条や和田、比企と、いわゆるすごい人物から頼られるわけですが、史実上でもわかるとおり、三浦がつく方が生き残っていくわけです。そういう意味では、大河ドラマの中で、義村は真っ直ぐ生き抜いたなというのが率直な感想です」

いよいよ、本日で見納めとなる『鎌倉殿の13人』。小栗と同じく、山本も「納得のいくラスト」と語る最終回をしっかりと見届けたい。

■山本耕史
1976年10月31日生まれ、東京都出身。1987年に『レ・ミゼラブル』で舞台デビュー。ドラマ『ひとつ屋根の下』シリーズ(93、97)で注目される。三谷幸喜脚本の大河ドラマでは『新選組!』(04)、『真田丸』(16)のほか、大河ドラマ初の続編となるスペシャルドラマ『新選組!! 土方歳三 最期の一日』(06)にも出演。ドラマの近作は『剣樹抄~光圀公と俺~』(21)、『競争の番人』(22)など。現在『クロサギ』に出演中。映画の近作は『KAPPEI カッペイ』(22)、『シン・ウルトラマン』(22)、『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』(22)、『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』(22)など。

(C)NHK

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