2023年01月02日11時10分 / 提供:マイナビニュース
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1914年に軽井沢で温泉旅館を開業し、2023年で109年の歴史を数える星野リゾート。「旅を楽しくする」をテーマに、「星のや」「界」「リゾナーレ」「OMO(おも)」「BEB(ベブ)」のサブブランドを展開し、2022年11月以降は新たに7施設をオープン予定です。今回はそんな新しいワクワクを生み出し続ける星野リゾートに注目! 今こそチェックしたい話題の施設を深掘りしていきます。
第15回目は、縁結びのスポットとして名高い「出雲大社」から20分の場所にオープンした「界 出雲」。こちらは、島根半島・最西の端っこに位置しており、目の前には日本海! という圧巻のロケーション。館内の至るところから、夕日や朝日を楽しむことができます。
また、この宿独自の自家源泉は、海水に近いパワフルな「強塩化物泉」。身を清めて、ととのう……。格別な癒やし旅へ、いざ!
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■出雲大社参拝と合わせていきたい「界 出雲」
最強の良縁を引き寄せる、島根のパワースポット出雲大社。ガッツリ開運旅を計画するなら、とっておきの宿に泊まりたいですよね。
「界 出雲」のコンセプトは、「灯台と水平線を望むお詣(まい)り支度の宿」。出雲大社から車で20分ほどの場所にあり、出雲大社を参拝したい人にはぴったりなお宿です。
「界 出雲」があるのは、島根半島の最西端。古来、"陽が沈む聖地"といわれる「日御碕(ひのみさき)」にあります。
日御碕までは、日本海沿いの海岸線をドライブ! 断崖絶壁にへばりつくように作られた道を奥へ奥へ進んでいきます。
ふと日本海を眺めれば、雲の隙間から陽の光が差し込み、何かが降臨してきそう……! 運転しているだけで、非日常感あふれる時間が過ごせます。
山道を抜けた先に待っていたのは、半島の最西端の断崖にそびえる「出雲日御碕灯台」。この灯台は、地面からてっぺんまでの高さが43.65m。石造りの灯台では高さ日本一です。そして、「世界灯台100選」「恋する灯台」「東洋一の灯台」など、肩書もいっぱい。
そんな「出雲日御碕灯台」を間近に見ながら、くつろげるのが「界 出雲」。本物の灯台を見ながら、圧倒的なオーシャンビューに癒やされて、さらに出雲大社の早朝参拝も可能な距離……というのがうれしい! ここに泊まれば、旅の時間の使い方がグっと豊かなものになりそうです。
■伝統や文化をちりばめた館内
さて「界 出雲」は、界ブランドとして全国21番目の施設。2022年11月にオープンしたばかりの注目の温泉旅館です。
建物は3階建て。ロビーラウンジの壁には、小さな石がいくつも埋め込まれており、カメラを向ければ絵になる空間になっています。
ちなみに、石のように見える塊は、石ではありません。出雲で古くから伝わる「たたら製鉄」という製鉄法でできた鉄の塊。2種類あって中心部の大きな塊は、刀剣の材料として知られる「玉鋼」(たまはがね)のかけらです。
「玉鋼」のかけらは、めったに見られない貴重なもの。ロビーを利用する際には、じっくり観察してみてください。刀剣ファンならゾクゾクしちゃうはず。
館内の至るところから海を眺められますが、最も感動したのがこちらです!
トラベルライブラリーに併設された「かわたれテラス」。昼間は視界を遮るものがほとんどない、水平線と空の景色を。明け方になると、ここから感動の朝焼けを眺められます。
テラスに出た瞬間、「わあ、すごい!」と歓声をあげる人。じっくり景色に見惚れる人。みんなこの景色に目がくぎ付け……。誰もが、映画のワンシーンのような絶景に心揺さぶられるのです。
■贅沢すぎる絶景に包まれた露天風呂
「界 出雲」には、こんな絶景露天風呂も! 眼下に広がるのは、果てしなく続く雄大な日本海。波の音や潮の香りを感じながら、優雅な湯浴みができます。
特に露天風呂は、この寝湯が最高! 頭を空っぽにして寝湯に浸かっていると、心身が生き返っていくのを感じられます。まさに「究極の癒やし温泉」。
泉質は、ナトリウム-塩化物強塩泉(高張性中性低温泉)。塩化物泉は、日本に2番目に多い泉質なので、それほど珍しくはありませんが、こちらの温泉は「強」が付いた塩化物強塩温泉。海水とほぼ同じ塩分濃度で、体の芯の芯までガツンと温めてくれます。
これだけ塩がたっぷり入っていると、邪気払いや浄化のパワーもありそうですよね。
発汗作用の強い温泉に浸かった後は、水分補給も忘れずに。湯上がり処に、出雲産の麦茶や出雲生姜のドリンク、アイスキャンディーが置かれているのもうれしい!
温泉についてもっと詳しく知りたいなら、「温泉いろは」は外せません。「界 出雲」では紙芝居を使って、わかりやすく解説してくれます。ユニークなのは、日御碕神社に祀られている神話で大活躍の2人の神様・スサノオノミコトとアマテラスオオカミも登場すること。
ほかにも、入浴前・入浴中などに行うと良いストレッチも教えてくれて、勉強になります。
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■時間の経過とともに変化する景色を楽しむ客室
続いてご紹介するのは、「界 出雲」の客室。全部で39部屋あり、お部屋のタイプは全5つです。打ち出の小槌がモチーフのルームキーを受け取ったら、いよいよお部屋へ。
こちらは、広さ約43㎡の「海側和室」。朝日をイメージしたベンガラ色が、ゲストをやさしく包みこみます。
ヘッドボードのアートは、左右違うアーティストによるもの。素朴だけど温かみがあって、見てるだけで惚れ惚れします。
驚いたのは、この絶景! まるで東映映画の冒頭に流れる「波ザッパーーン!!」のシーンが、リアルに再現されているようで、とてつもなくワクワクします。
大きな窓の外には、大小さまざまな島が浮かぶ出雲松島や水辺線が。時間によって見え方が変わるので、ずっと眺めていても飽きません。
今回、宿泊したのは、広さ約62㎡の「灯台側和室」。こちらは沈む夕日と灯台を眺められるお部屋。夕日がきれいに映える藍色を、お部屋全体にあしらっています。
刻一刻と移り変わる空の色とゆっくり形を変える雲。朝・昼・夜と表情を変える灯台を間近で眺められるなんて、新鮮です!
灯台が光っているのを眺めていたくて、眠るのがもったいないぐらい……。一晩中でも眺めていたくなる、すばらしい景色でした。
■福を呼びそうな季節の会席
さて、お楽しみの夕食は、開運をイメージした「季節の会席」。八寸・お造り・酢の物を取りそろえた宝楽盛りは、食べるだけで運気がアップしそうです。めでタイ!
そして今宵のお酒はこれ。加茂福酒造の醸す「死神」。
えっ、し、し、死神!? と驚かれたかもしれませんが、名前に反して、辛口で濃厚な香り高いお酒です。死神というネーミング通り、パンチのある独特の風味が楽しめます。
こんな珍しいお酒に出会えるのも、酒処・島根ならでは! ついつい、ぐびぐびいっちゃう危険なおいしさです。
この日のメインは、山の幸と海の幸を一緒に味わう鍋料理。とろける島根和牛の下には、日本海の荒波が育んだ高級品「十六島海苔」や丸々としたしめじがたっぷり入っています。
じゅわ~っと広がる肉汁に、やさしいお出汁の餡がからみ、豊かな味わいに悶絶。さっぱりした味つけですが、香り高い海苔が食欲を刺激して、ご飯が進む進む! お肉を海苔で包んで、ハフハフしながらほおばる瞬間は至福の時です。
※仕入れ状況によって異なる場合があります。
■きらびやかな衣装とともに楽しむ石見神楽
夕食後のお楽しみは、界名物のご当楽。「界 出雲」では、毎日21:15~約30分間、石見神楽を開催しています。
ストーリーは、神在月に神様が出雲大社に集まるきっかけとなった「鹿島(国譲り)」を題材にしたオリジナル。神楽…‥…というと、しっぽり静かに行われるものかと思っていましたが、イメージに反して、リズミカルで超ダイナミック! 筆者は初めて劇団四季を見た時の、あのワクワク感を思い出しました。
演者さんがくるくる回ったり、力強く舞ったり。豪華絢爛な衣装も見応えがあって、エンターテイメント性がたっぷり。夏は開放的なテラスでかがり火を焚きながら演目を行うそう! それもまた楽しみですね。
■肌も心も身を清める朝時間
せっかく宿に泊まるなら、早起きして朝風呂を楽しんでみて。360度見渡せるバツグンの開放感で、青い海や満点の星空を眺められますが、とりわけおすすめしたいのが朝のご来光。
燃えるような朝焼けは、一生に一度は見ておきたい絶景です。朝から、元気いっぱい朝焼けのパワーをもらえますよ。
さて「界 出雲」は、朝食も個性的。出雲大社ガイド付きツアーに参加すると、特別な「神饌(しんせん)朝食」をいただけます。
神饌朝食とは、「神様にお供えする食事」のこと。米・塩・水のほか、川魚・海魚、野菜・海草などを小皿に盛りつけられており、三宝にのせたまま味わいます。一品一品、体に染み渡るようで、気分転換にも一役買ってくれます。
専用プラン以外の一般的な朝食が、こちら。ご飯に合うおかずがずらっと並んでいます。
特に印象的だったのが、隠岐地方でとれる海藻類「隠岐あらめ」を使った磯鍋。あらめは、非常に肉厚で、食感はわかめとひじきの間ぐらい。それを穴子やサザエと一緒にぐつぐつ煮込んで、最後に卵とじにしていただきます。
磯鍋はこの一品に、島根の食材がぎゅっと凝縮。豊かな海がもたらす、島根の"食文化の奥深さ"を味わえる朝ごはんでした。
※メニューは日によって異なる場合があります。
チェックアウト後は、施設周辺の日御碕エリアをぜひお散歩してみてください。
地元の新鮮な海鮮丼が食べられる「花房」さんは、どのネタも新鮮で満足度が高い! おひさまに向かってずら~っと並ぶイカの姿やカモメの置物、山のように積まれたサザエの殻を眺めていると、旅情をくすぐられます。潮風薫る港町の日常は、旅人にとってすべてが非日常の光景。ゆるくて、温かい、ノスタルジックな時間に癒やされますよ。
■Information
界 出雲
【場所】島根県出雲市大社町日御碕604