2022年12月02日17時10分 / 提供:マイナビニュース
ペーパーロジックは12月2日、税理士・会計士におけるインボイス制度対応に関する実態調査の結果を発表した。これによると、回答者の約8割がインボイス制度に関する相談や質問の増加を実感しているという。
同調査は同社が11月14・15日の2日間にインターネットにより、税理士・会計士または会計事務所で会計業務を行っている人を対象に実施したものであり、有効回答者数は101人。
現在、インボイス制度に関する相談・質問が増えてきていると感じるか聞くと、「非常にそう思う」が32.7%、「ややそう思う」が46.5%だった。
相談・質問が増えていると感じている回答者にその内容を複数回答で尋ねたところ、「インボイスの登録をした方がいいのか、しない方がいいのかわからない」が56.2%で最も多く、以下「インボイス制度がそもそもどのような制度かわからない」(55.0%)、「インボイス登録をすると、どのくらいの消費税の納付が生じるのかわからない」(33.8%)と続く。
以下の設問は、「インボイス制度に関する相談・質問が来たことが無い」以外を選んだ回答者が対象となる。
相談・質問した人のうちインボイス制度に対応している割合はどのくらいかを聞くと、「6~7割程度」が22.7%と最多であり、「4~5割程度」が16.5%で続いた。
インボイス制度に関してどのような支援を行ったかを複数回答で質問したところ、「制度および税務取扱いに関する分析・助言」が53.6%と最も多く、以下「旧税率適用の要件・影響などに関する助言」(30.9%)、「各取引の適用税率に係る分析・助言」(30.9%)の順となった。
今後相談料を上げる予定はあるか聞くと、「ある」が34.0%、「ない」が30.9%だった。
今後インボイス制度への対応に関して、どのようなことを行っていく予定かを複数回答で尋ねたところ、「インボイス制度に関する個別相談会の実施」が26.8%と最も多く、以下「インボイス制度の対応を目的とした人員の増加」(24.7%)、「インボイス制度の質問・相談対応に特化した窓口の設置」(23.7%)と続く。
調査結果を受けて同社は、約8割の税理士・会計士が、「登録をした方がいいのかどうかがわからない」や「そもそもどのような制度かわからない」といった相談・質問の増加を既に実感しており、相談・質問を受けた後にインボイス制度や税務取扱いに関する分析・助言などの支援を行ったり、今後のインボイス制度への対応として個別相談会の実施や人員の増加などを予定していることから、制度への関心の高まりを予測できるとしている。
また、インボイス制度により免税事業者から課税事業者に変更する場合など、会計処理も大きく変わるため、今のうちからインボイス制度に則った形で請求書発行ができる経理システムか否かなどの体制の見直しも必須だろうと指摘する。