旬のトピック、最新ニュースのマピオンニュース。地図の確認も。

『ザ・ノンフィクション』YouTubeで世界進出 ゴミであふれた部屋・みずきさんも期待「さらに多くの人に思いを」

2022年11月30日18時00分 / 提供:マイナビニュース

●名作10タイトルのダイジェスト版を制作
フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)が30日、YouTubeで世界に進出した。新たに『FUJITV GLOBAL CHANNEL』を開設し、1,000以上のアーカイブの中から名作・話題作の10タイトルを選出し、ダイジェスト版を制作。約3分×3本で構成される日本語ナレーション版『ザ・ノンフィクション 3mn』(語り:斉藤舞子アナウンサー)と、3本を一本化した英語ナレーション版『THE NONFICTION 10mn』(語り:グローバル事業部・秋元優里氏)が、30日から配信されている。

この10タイトルの中で、今年7月24日に放送されて大きな話題となったのが、ゴミであふれる家賃3万円台のワンルームで暮らすみずきさんを追った『片付けられない部屋 ~ゴミの中に埋もれた思い出~』。密着した真壁優仁ディレクター(ネツゲン)に、配信で世界に発信されることの心境や、みずきさんの反応などを聞いた――。

○■「あらゆる立場や生き方を選ぶ人へ、このドキュメンタリーを届けたい」

みずきさんは、10代で両親が離婚。長男として、親の夢でもあった「研究者」を目指すため、幼い頃からの猛勉強の末に、東京大学に現役合格し、順風満帆に見えた人生だったが、成長と共に“かわいくなくなっていく”自分の姿に違和感を覚え、「自分を変えたい」と、大学入学を機に女性服を着るようになった。

しかし突然、変貌した姿を見た周囲の人たちは、次第にみずきさんから離れていく。「人は離れていくけど、物はずっとそばにいてくれる」という気持ちになり、人からもらったものを手放せなくなったみずきさんが住む都内にある家賃3万円台のワンルームは、足の踏み場もないほどのゴミであふれるようになった…。

この作品が、YouTubeで配信されることに、真壁Dは「より多くの人たちに自分の作品を届ける機会をいただけて素直にうれしいです。みずきさんを含め、取材を受けてくださった方々からも、『あらゆる立場や生き方を選ぶ人へ、このドキュメンタリーを届けたい』という言葉をもらいました。自分自身も、誰もが気軽にドキュメンタリーに触れることができるコンテンツは、YouTube以上にないと思いますので、ぜひ日本だけでなく世界中の方々の心に届くことを願っています」と喜びを語る。

また、英語ナレーションと多言語字幕で世界に配信されることで、「東京の小さなアパートの一室で暮らす、“物を捨てることができない”みずきさんの姿を通して、どんな家族でも起きうる、互いを思いやるからこそ生まれる親子のすれ違いや、ジェンダーをめぐる個人の生き方について伝えたいです」と願った。

○■カビだらけのコップにもモザイクなし

改めて番組制作を振り返り、「みずきさんの暮らしをありのまま伝えるために、冒頭から次々とゴミばかりを映し出す編集を選びました。ゴミはもちろんのこと、カビだらけのコップにすらモザイクをかけないのは、『ザ・ノンフィクション』ならでは…だなと」と意識したそう。

その映像の衝撃度から、「みずきさん自身の生き方まで否定的に見られてしまうのではないかという懸念もありましたが、放送後SNS上は、想像以上にみずきさんに共感する声であふれていたので驚きましたし、改めてこの番組が持つメッセージ性や影響力の強さを実感しました」と語る。

みずきさん自身も、周囲の人やSNSなどから「放送を見て救われた」「自分の生き方に勇気をもらえた」という声が多く届いたといい、「今回のYouTube配信を通してさらに多くの人に思いを届けることができることにすごく喜んでいました」と期待を示しているそうだ。

そんなみずきさんの現在の状況を聞いてみると、「『ゴミは捨てられるようになりました』と、本人は説明している部屋ですが、実際はまた少しずつ物が堆積し始めています。けれど、増えていたのは食べ終えたお菓子の包装だけではなく、ほとんどが新しくできた友人たちからの贈り物でした」と報告。また、「部屋の片付けを手伝ってくれた親友のみくさんとももちろん、あの部屋で恒例のたこ焼きパーティーを時々開催しているそうです」と明かしてくれた。

●「世界の人々からどんな反応があるのか」「心を打つはず」
『ザ・ノンフィクション』は、放送されるたびにSNSでトレンド入りするなど大きな反響を呼び、「ギャラクシー賞」「民放連賞」「ATP賞」「ニューヨークフェスティバル」「ABU賞」など多くの賞を受賞するなど国内外を問わず高い評価を受けている。そこで、『FUJITV GLOBAL CHANNEL』を開設し、世界に向けてフジテレビのIP(知的財産)を配信する第1弾として、海外での評価も高い『ザ・ノンフィクション』のダイジェスト版を新たに制作し、世界に向けて発信することになった。

YouTubeの「自動字幕起こし機能」を利用して、英語やフランス語、スペイン語、中国語など、多様な言語に自動翻訳された字幕で視聴することが可能となっている。

『ザ・ノンフィクション』の西村陽次郎チーフプロデューサーは「番組が始まって27年。“日曜の午後は『ザ・ノンフィクション』”と言っていただけるほど長い歴史を持つこの番組が、初めて世界に向けて発信されるということで、期待と興奮で胸を躍らせています。今回は、1話:約45分の番組を10分ほどにまとめたダイジェスト版ですが、その制作作業を通して、改めてこの番組の持つ魅力、ドキュメンタリーの面白さを再認識しました。毎年のように海外の映像祭で受賞するなど、海外でも評価を受けてきた番組ですが、テレビの枠を飛び出し、世界中の映像コンテンツがあふれるYouTubeという舞台で、世界の人々からどんな反応があるのか。長寿番組の初めてのチャレンジの行方を見届けようと思います」とコメント。

『FUJITV GLOBAL CHANNEL』の東康之統括プロデューサーは「現在、グローバル事業部では、フジテレビのコンテンツをできるだけ世界の多くの皆様に見ていただくべく海外への番組販売などを行っております。そんな中、現代のインターネットプラットフォームの進化には目を見張るものがあります。その中の一つが、YouTubeの“自動字幕起こし機能”です。この先端テクノロジーを使って、ぜひフジテレビのIP(知的財産)を世界に出していきたいと発想しました。そこに置くコンテンツとして、まずは日本のみならず海外での評価も高い『ザ・ノンフィクション』が頭に浮かびました。すぐに社内で西村プロデューサーに相談したところ、快諾してくれました。そして今回、『ザ・ノンフィクション 3mn】と『THE NONFICTION 10mn』を世界の皆様にむけて配信させていただきます。私自身、今回の編集中に何度も感動して涙がでました。過酷な状況でも自分らしくあることを諦めない登場人物たちの生き様は、きっと世界の皆様の心を打つはずです。ぜひ世界中の皆様にYouTube上で『ザ・ノンフィクション』の世界を楽しんでいただきたいと思います」と話している。

配信10作品の地上波版の情報は、以下の通り。

・『片付けられない部屋~ゴミに埋もれた思い出~』(2022年7月24日放送)
 …ゴミだらけの部屋で暮らす東大卒・みずきさんが物を捨てられないワケ

・『しっくりくる生き方』(2017年7月12日放送)
 …借金450万円・人生どん底の地下アイドル・きららさんの人生

・『ジャンクビジネスな人々』(2005年5月22日放送)
 …覆面パントマイム・路上の小銭を拾う「地見屋(じみや)」 日銭を稼ぎ生きぬく人々

・『禍の中でこの街は…~新宿2丁目のコンチママ~』(2020年10月11日、10月18日放送)
 …新宿二丁目で最も長い歴史を持つショーパブ コロナ禍であえぐ人々の苦悩

・『泣き虫舞妓物語 2022~夢と希望と涙の行方~』(2022年7月10日、7月17日放送)
 …京都の花街で憧れの舞妓になりたい、ひとり故郷を離れた少女の夢の行方

・『孤独死の向こう側~27歳の遺品整理人~』(2020月6月21日放送)
 …「孤独死は誰にでも…」 現場をミニチュア再現する27歳・女性遺品整理人

・『犬と猫の向こう側』(2018年6月3日、6月10日放送)
 …犬猫の「殺処分ゼロ」を目指して闘う人、多頭飼育崩壊の現場

・『私が踊り続けるわけ~53歳のストリッパー物語~』(2021年2月7日放送)
 …国内最高齢のストリッパー・星愛美(53)が舞台に立ち続ける理由

・『女装と家族と終活と~キャンディさんの人生~』(2021年8月1日放送)
 …69歳の女装愛好家の終活、やりたいことを貫くキャンディさんの人生

・『おじさん、ありがとう~ショウとタクマと熱血和尚~』(2019年6月2日放送)
 …熱血和尚と傷ついた子どもたち、魂の触れ合い・11年間の記録

続きを読む ]

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ネタ・コラムカテゴリのその他の記事

地図を探す

今すぐ地図を見る

地図サービス

コンテンツ

電話帳

マピオンニュース ページ上部へ戻る