多数の衛星で構成される衛星コンステレーションが増えるにつれて、役割を終えた後の宇宙機の大気圏再突入に関心が高まっている。早期に軌道を離脱して軌道を安全にするだけでなく、金属のかたまりである衛星がどれだけ「燃え尽きる」のかという観点も浮上してきた。
宇宙機を構成するアルミニウム素材は、大気中で燃えても一部がアルミナの微細な粒子となって高度15km~70kmの中層大気にとどまり、大気汚染の原因になる可能性が指摘されている。これまでは、宇宙機の数が少なかったため影響も軽度だったものの、すでにStarlink衛星が3500機以上も軌道上にあることを考えれば、その対策は急務のはずだ。