2022年11月22日14時27分 / 提供:マイナビニュース
Intelのコーポレート・シニアバイスプレジデント(SVP)で同社のファウンドリ事業であるIntel Foundry Services(IFS)のプレジデントであるRandhir Thakur氏が、本人の希望で辞任することが明らかになったと米国の複数のメディアが報じている。
同氏は、辞任および退社の理由として、「他の機会を追求することにしました(decided to pursue other opportunities)」と他社へ転職(あるいは起業)する者の常としての言葉しか述べていないという。しかし、Gelsinger CEOは、従業員に向けた電子メールにてIFSビジネスの立ち上げにおけるThakur氏のリーダーシップをはじめとする功績を称賛した上で、Thakur氏は新しいリーダーへのスムーズな移行を確実にするために、2023年第1四半期までビジネスユニットを引き続き率いる予定であり、新しいリーダーについてはいずれ発表すると記したとも伝えられている。
Intelは、アナログ半導体ファウンドリのイスラエルTower Semiconductorを54億ドルで買収することで、ファウンドリビジネスの強化を図ろうとしている。この取引は2023年第1四半期に完了する予定であり、Gelsinger CEOが、このTowerの経営陣にIFSを任せることを計画していることが、Thakur氏が辞任を決めた理由になった可能性があるとも言われているが、真偽のほどは今のところ不明である。
とはいえ、Intel再建に邁進し、さまざまな改革を進めているGelsinger CEOとThakur氏の間で何らかの歩み寄れない意見の相違があったことは想像に難くない。IFSの陣頭指揮を執っていたThakur氏の退任で、Gelsonger CEOの再建プランに何らかの支障が生ずるのではないかと心配する向きもある。
なおIFSは現在、本格的な生産受託ビジネスの立ち上げに向けた途上にあり、2022年第3四半期の収益は1億7100万ドルに過ぎず、これは同期間の同社総売上高153億ドルの約1.1%を占めるにとどまっている。