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「EOS R7」濃厚レビュー後編 R7+RF70-200mm F2.8 Lの万能ぶりに溺れてカ・イ・カ・ン!

2022年11月28日06時30分 / 提供:マイナビニュース

APS-Cミラーレス「EOS R7」と異色の超望遠レンズ「RF800mm F11 IS USM」の組み合わせにいろいろな意味でシビれ、手こずった落合カメラマン。実は、RF800mmと一緒に借りていたのが、大三元の望遠ズーム「RF70-200mm F2.8 L IS USM」。RF800mmをRF70-200mmに交換して撮り始めたとたん、「EOS R7とベストマッチなのはこれ!!」と、ごく普通にしみじみ感じたそうです。

RF70-200mm F2.8 L IS USMをEOS R7に接着剤でくっつけたい

前編の後半部分でグダグダ愚痴っていた「RF800mm F11 IS USM使用時の動体の追いにくさ」は8割方、狭すぎる画角がそう感じさせているようにも思うのだが、手ブレ補正の引っかかりに類すると思われる違和感は、例えば「RF70-200mm F2.8 L IS USM」ではほとんど感じない。画角の違いを抜きにしても、RF70-200mm F2.8 L IS USMの方が圧倒的にスムーズに動体を追い回せるし、AFのスピードも段違いに速いというのが現実だ。これ、あって当然の違いではあるけれど、「EOS R7+RF800mm F11 IS USM」が放つ魔性の魅力は、そういった面でのヒエラルキーが明確に存在していることを知った上で味わうべきかも? なぜなら、最初から「これしか知りません」だと、人生かなり偏ると思うので(笑)。

RAWバーストモード、わずか0.5秒のさかのぼりでも手応えは上々

EOS R7は、電子シャッターで最高約30コマ/秒の連写が可能な俊足モデルでもある。電子シャッター時のローリングシャッター歪みは、まぁまぁイイ感じで抑えられているとは思うのだけど、簡単に試せるイジワルな条件下であっけなく盛大な歪みを見せることもあるので、背景に実態が明らかな人工物がある場合の流し撮りなどは、ちょっと苦手な感じ。鳥や昆虫の羽ばたきが不自然に描写されることも、場合によってはありそうだ。

一方、電子シャッターによるRAW画像の連続撮影機能として搭載されている「RAWバーストモード」では、シャッターボタン全押し前に遡っての画像記録が可能だ。これは、OM SYSTEM「OM-1」の「プロキャプチャー」や、ニコン「Z 9」の「プリキャプチャー」などと同じようなことができる機能なのだけど、任意設定に関わる“余裕”は他社モデルよりも若干、少なめ。例えば、プリ撮影時間は最大で0.5秒と、好みによって1秒以上の設定も可能な他社モデルとの比較では少々、縛りがキツい感じだ。

さらに、その名称からも分かるとおりRAWのみでの撮影になるので、JPEGのデータを得ようとする場合は事後処理が必須。ちなみに、当方の個人環境においては、メインPCとキヤノンの画像処理アプリケーション「デジタルフォトプロフェッショナル4」の相性が当初から何故だかモーレツに悪いことから、今回のRAWバーストモードでの撮影作例は、ボディ内での現像処理で得たJPEG画像になっている。

かように、操作&動作のアレンジに対する余力はちょっぴり少なめなEOS R7の「プリ連写」なのだけど、撮影中の手応えは非常に良好だ。その好印象を支えているのは、撮影中に明示されるバッファメモリーの現況表示。今この瞬間にどの程度バッファメモリーが消費され、それが現状どのぐらい開放されつつあるのか、ファインダー内のバー表示でダイレクト、かつ感覚的に掴むことができるのが本当にありがたかった。

さらに、シャッターボタンの半押し維持で次々にバースト撮影できるところも、撮影者の「撮りたい」気持ちを強固にバックアップしてくれる。「写真を撮る」ことに関わるフォローが徹底しているところは、実にキヤノンらしい気遣いだ。これでJPEG記録と遡り時間の延長が可能になればカンペキなのだけどねぇ。

気になる部分は散見されるが、新世代のAPS-C機として評価できる

さて、そんなこんなのEOS R7に対し、トータルして気になるところを挙げるとするならば、まずはメカシャッターの手応えと音に少々チープな感じを抱くところだろうか。メカシャッターでは、最高約15コマ/秒の連写が可能であり、だからこそ動作のキレそのものは良いのだが、残念ながら上質な手応えとは言い難い。「シュタタタ・・・」といった感じの音と、どこか余韻を残すかのような連写の止まり方は、連写速度は異なるものの、ニコン「Z50」のH+設定時のレリーズ感触に似たものであり、そういう意味では、メカ部の感触としては、もうひとつ上のクラスに属する「APS-CのEOS R」が欲しくなってきたりもする。

また、EVF光学系は、ド真ん中にピッタリ目を合わせないと周辺がブニョっと歪んで見えることがあるなど、デリケートな部分が残存。さらに、細かいところでは、撮影できる状態にあるモニター表示でバッテリー残量の確認ができないところが個人的にはちょっと不満だった。

ってなことをモロモロ考え併せると、一眼レフ「EOS 7D」シリーズの頃の「7番」とは、ボディ全体の質感を含め、存在感がちょっと違う「新たな7番」であるということになりそうだ。とはいえ、もはやミラーレス機に対し、メカ部の動作質感をうんぬんする時代ではないようにも思う。だって、EOS R7の次世代モデルって、完全にメカシャッターと縁を切っていそうじゃん。それが3年先なのか5年先なのかは分からないけれど、何らかのカタチで歴史に名を刻みそうなEOS R7なのであります。

落合憲弘 おちあいのりひろ 「○○のテーマで原稿の依頼が来たんだよねぇ~」「今度○○社にインタビューにいくからさ……」「やっぱり自分で所有して使ってみないとダメっしょ!」などなどなど、新たなカメラやレンズを購入するための自分に対するイイワケを並べ続けて幾星霜。ふと、自分に騙されやすくなっている自分に気づくが、それも一興とばかりに今日も騙されたフリを続ける牡牛座のB型。2022年カメラグランプリ外部選考委員。 この著者の記事一覧はこちら

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