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筋トレ効果が表れにくい人ほどトレーニング量が重要、芝浦工大などが確認

2022年11月17日19時12分 / 提供:マイナビニュース


芝浦工業大学(芝浦工大)と静岡産業大学(静産大)は11月15日、筋力を向上させるためにはトレーニング量が重要であり、特にトレーニングによる筋力向上度合いが相対的に小さい人たちにとって、そのことが顕著であることを発見したと発表した。

同成果は、芝浦工大 システム理工学部の赤木亮太教授、静産大 スポーツ科学部の江間諒一准教授の共同研究チームによるもの。詳細は、細胞内から生物全体までの生理学や環境との相互作用などを扱う学術誌「Frontiers in Physiology」に掲載された。

トレーニングやリハビリテーションなどの運動プログラムの内容は、目的に応じて、効果的な影響を与える要因の特定や分析に基づいて設計される必要がある。たとえば筋力を大きく向上させるためには、高強度のトレーニングが重要と考えられているほか、最近の研究から筋力の増強にはトレーニング強度だけではなく、トレーニング量が重要であることが示唆されるようになってきたという。

そこで研究チームは今回、トレーニング量と、トレーニングによる筋力の向上度合いによる個人差を調べることにしたという。

具体的には、運動習慣のない26名の健康な被験者が、ヒザ関節伸展を行う群と股関節屈曲を行う群に分かれ、等尺性トレーニングが4週間にわたって実施された。トレーニングは週3回行われ、20秒に1回の割合で3秒間の収縮運動を10回、合計4セットで構成。トレーニングにおいて参加者は、できるだけ速く、強く、最大限の力を発揮するようにしたとする。

また、各セッションにおけるトレーニング量は、「40回の収縮の時間-トルク曲線」の下の面積を計算することによって算出。トレーニングの前後において、最大随意筋収縮(MVC)トルク(トルクのピーク値)が計測され、ヒザ関節伸展トレーニングと股関節屈曲トレーニングを行った群、それぞれの筋力の変化が評価された。


実験の結果、ヒザ関節伸展と股関節屈曲を行った群の両方で筋力が有意に増加し、その増加の程度には群間差が見られなかったという。また、トレーニング量の時間経過の変化についても有意差がなく、どちらの群においても同様の結果となったとする。

さらに、筋力の変化の程度に基づき、筋力が大きく変化した人たちと変化が小さかった人たちに分けて分析が行われたところ、筋力の変化が大きかった人たちと比較して、変化が小さかった人たちは、トレーニング実施前における体重当たりの筋力と総トレーニング量が大きいという結果になったとする。加えて、総トレーニング量については筋力の変化が小さかった人たちにおいてのみ、筋力の変化の程度と正の相関関係があったという。

実験の結果からは、トレーニング量そのものは、集団内における筋力増加の程度の大小を決定する要因ではないことが示されたが、ひとたび筋力増加の程度が小さかった人たちをピックアップしてみると、総トレーニング量は筋力増加を決定する重要な要因であることが示唆されたという。

筋力増加の程度が小さい人たちは、体格に対するもともとの筋力が大きい人たちであり、これはアスリートの特徴に当てはまるとのことで、今回の研究で得られた成果は、スポーツ選手やそれに携わるトレーニング指導者にとって、最適なトレーニング方法を検討する上で有効に活用できる可能性があるとする。

なお、筋力の向上は、健康を維持し、スポーツ活動を楽しむために重要であることから研究チームでは、今回の研究をベースに、テーラーメイド型トレーニングの開発に貢献していくことを考えているとしている。

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