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航空機の技術とメカニズムの裏側 第355回 航空機製造のサプライチェーン(18)冷戦崩壊で “西側化” したアエロL-39

2022年11月15日09時07分 / 提供:マイナビニュース

以前に「ロシアの機体」「中国の機体」は取り上げたことがある。今回は、「過去には東側の国が作った機体だったが、冷戦崩壊後に西側化した機体」という事例を取り上げてみたい。アメリカのエアショーに行くとチョイチョイ目にする機体でもある。→連載「航空機の技術とメカニズムの裏側」のこれまでの回はこちらを参照。

東側のベストセラーとなったジェット練習機

お題は「アエロ・ボドホディL-39」。アエロ・ボドホディと聞いてピンとくる方は相当な「通」だが、チェコの航空機メーカーだ。今の正式社名は「アエロ・ボドホディ・エアロスペース」(Aero Vodochody Aerospace A.S.)という。

そのアエロ・ボドホディが1960年代に開発したジェット練習機が、L-39アルバトロス。エンジンはZMDBイーウチェンコ製のAI-25TLターボファン・エンジンで、単発。高等ジェット練習機の公式通りに、前後に段差をつけたタンデム複座になっているが、段差はどちらかというと控えめだ。

もちろん、冷戦まっただ中に作られた機体だから、主な販路はいわゆる東側諸国となった。開発・製造元のチェコスロバキア(当時)だけでなく、旧ソ連諸国や東欧諸国、さらにはアフリカ諸国などでも大量に導入され、製造数は3,000機あまりに達している。

ところが冷戦崩壊後に、この機体が西側諸国でも見られるようになった。これは、機体規模が手頃で性能も良く、それが冷戦崩壊後に民間向けに払い下げられたため。

例えば、アメリカに民間アクロバットチーム「パトリオッツ・ジェット・チーム」があるが、これはL-39・6機編成のチーム。たまたま展示飛行を見たことがあるが、その展示飛行の内容たるや、米海軍の「ブルーエンジェルズ」にひけをとらないのではないかと思ったぐらいだ。おっと、閑話休題。

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