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岡安学の「eスポーツ観戦記」 第103回 「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2022 TOCHIGI」がオフライン開催、現地と配信で感じたこと

2022年10月25日22時56分 / 提供:マイナビニュース

10月15日、16日に、日環アリーナ栃木にて国民体育大会「いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会」の文化プログラムとして「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2022 TOCHIGI」が開催されました。4回目を数える本大会ですが、オフライン有観客開催、国民体育大会の文化プログラムとしての開催は、3年ぶり2回目です。

種目は『eFOOTBALL』『グランツーリスモ7』『Shadowverse』『パズドラ』『ぷよぷよeスポーツ』『プロ野球スピリッツA』の6タイトル。昨年の「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2021 MIE」で採用されていた『モンスターストライク』が今回はなく、『Shadowverse』が初めて採用されました。

『eFOOTBALL』は高校生の部とオープンの部、『グランツーリスモ7』はU-18の部と一般の部、『Shadowverse』は学生の部、『パズドラ』はオープンの部、『ぷよぷよeスポーツ』は小学生の部と一般の部、『プロ野球スピリッツA』は高校生以下の部とオープンの部の全10部門での開催。都道府県の代表選手がそれぞれの部門に出場し、1位100ポイント、2位50ポイント、3位20ポイント、4位10ポイントを獲得します。1タイトル1部門である『Shadowverse』と『パズドラ』のポイントは2倍。そして、最も累計ポイントの多かった都道府県が優勝です。

今大会はオフライン大会でしたが、新型コロナの影響で、予選は各都道府県ではなく、地区ブロックでの大会でした。ブロックは、タイトルごとに設定されており、全国大会へ進出する人数も異なります。

15日は全国大会トーナメントの1回戦もしくは予選リーグを行い、16日に準決勝や決勝戦が行われました。会場はメインアリーナを使用し、すべてのタイトルを1つのエリアで開催。オフライン開催となっただけでなく、有観客でもあったので、選手の親御さんや関係者などで賑わいを見せていました。

大会を観て思ったのは、すでに常連となる選手がいることです。例えば、『ぷよぷよeスポーツ』では優勝したともくん選手は、2021 MIEの一般の部の優勝者で、今回、みごと連覇を果たしました。2020 KAGOSHIMAで優勝したlive選手も今大会の決勝トーナメントに進出しています。

『eFOOTBALL』オープンの部で優勝したLeva選手は2019 IBARAKIで優勝。『グランツーリスモ7』一般の部で優勝した奥本博志選手も2021 MIEからの連続出場です。

彼らが毎年挑戦するということは、全国都道府県対抗eスポーツ選手権が重要な大会であることを示しており、選手にとってゲームを続けるモチベーションの1つとなっていることがわかります。それだけでも、大会を定期的に開催する意義があると言えるのではないでしょうか。

視聴者もこういった選手に注目することで、より大会を楽しめるようになると思いますので、ぜひチェックしてみてください。

各タイトルの優勝者が続々と決まり、それぞれで表彰式が行われましたが、大会は「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」なので、最終的な結果は県ごとの合計ポイントで決まります。結果は、『eFOOTBALL』や『ぷよぷよeスポーツ』など、複数タイトルで優勝者を輩出した東京都の圧勝で終わりました。

16日は閉会式を15時から行うこともあって、ほとんどのタイトルの決勝戦の開催時間が被ってしまいました。せっかくのオフラインイベントだったので、来場者はさまざまな大会を観たいところだったでしょうが、残念ながらいくつかにしぼる必要がありました。

後日、配信も見直してみましたが、公式チャンネルがJeSU公式チャンネルのみで、内容は選手のインタビューとポイントの途中経過のみ。昨年の2021 MIEでは、三重県eスポーツ連合の公式チャンネルを用意し、地元ラジオ局のアナウンサーによる特別番組で大会開始から終了まで配信していました。そのため、各タイトルの途中経過や各会場との中継などを行い、お祭り感があったと思います。

栃木県にはJeSUの地方支部がないとはいえ、大会の全体を通して配信する番組を用意できなかったのは残念です。せっかく2020 KAGOSHIMAと2021 MIEでオンライン開催の知見が溜まったのだから、オフラインで開催したとしても、オンラインの良さを残してほしかったところです。ハイブリッド開催というよりは普通にイベントの配信をするだけで良かったわけですから。

もちろん、各タイトルの大会の様子は各メーカーの公式チャンネルが配信していていました。個別で大会を観るにはそれで十分と言えますが、それでは文化プログラムという枠で集まった意味がないように思えます。

また、せっかく持ち回りで開催する国体や文化プログラムなので、もう少し栃木県のアピールができればとも感じました。日環アリーナ栃木は施設としては良い場所でしたが、最寄りの駅が遠く、栃木県の観光スポットからも離れています。どうせなら、日光東照宮でやるくらいのアピールがあっても良かったかもしれません。

会場ではアンケートに答えることでスカイベリーグミがもらえましたが、これを食べた来場客がお土産に買おうと思っても、販売ブースが用意されておらず、その場で購入できなかったのも残念です。

初日は13時~20時、2日目は10時~15時まで開催していましたが、食事をとるところもなく、イベントにありがちなキッチンカーなども出ていませんでした。それこそ、佐野ラーメンや宇都宮餃子、温泉とらふぐ、いもフライ、レモン牛乳など栃木グルメを堪能できるようにすれば、栃木県の魅力を全国に知らしめることができたのではないでしょうか。ちょっともったいない気がしました。

なお、イベントの最後にJeSUの岡村秀樹会長に話を聞くことができたので、そのコメントも紹介します。

「国体や文化プログラムは一昨年、昨年と延期、中止となり、全国都道府県対抗eスポーツ選手権は単独開催となりました。オンラインで開催できるeスポーツの利点を示すことはできたのですが、それでもやはりリアル開催とは違いますね。配信でも多くの方に視聴いただきましたが、応援席に人がいるだけで盛り上がります。対面でプレイする選手の空気が違うことも見てとれました。今回は『Shadowverse』を新たに採用しましたが、原則的にはタイトルは増やしていきたいと思っています。今後は国内タイトルに限らず、海外のタイトルも視野に検討していきます」(岡村秀樹会長)

JeSUのプロライセンス公認タイトルの中にも海外タイトルはありますし、全国都道府県対抗eスポーツ選手権に採用されているタイトルにJeSUのプロライセンス公認タイトルでないものも入っています。特にJeSU公認であったり、国内タイトルであったりすることはなさそうなので、さまざまなタイトルが全国都道府県対抗eスポーツ選手権へ参加し、より大きく、多くの人が目指せる大会になることを期待しています。

著者 : 岡安学 おかやすまなぶ eスポーツを精力的に取材するフリーライター。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。様々なゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)。@digiyas この著者の記事一覧はこちら

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