2022年10月25日07時00分 / 提供:マイナビニュース
俳優の妻夫木聡が主演を務める映画『ある男』(11月18日公開)の場面写真が25日、公開された。
同作は第70回読売文学賞を受賞し、累計19万部を超える平野啓一郎のベストセラー小説の実写化作。主人公である弁護士・城戸(妻夫木聡)はかつての依頼者である里枝(安藤サクラ)から、里枝の亡くなった夫・大祐(窪田正孝)の身元調査の依頼という奇妙な相談を受ける。里枝は子供を連れて再婚した相手・大祐と幸せな家庭を築いていたが、ある日突然夫が不慮の事故で命を落としてしまい、さらに彼が本物の「大祐」ではないことが発覚する。 城戸は“ある男”の正体を追う中で様々な人物と出会い、衝撃の事実に近づいていくが、いつしか城戸の心にも他人として生きた男への複雑な思いが生まれていく。
今回解禁された場面写真は窪田演じる「谷口大祐」が里枝(安藤)と結婚し、家族と幸せな日常を送る姿を切り取ったもの。膝の上に愛娘・花(小野井奈々)を乗せて食事をしているカットや、桜の木の下で撮った家族写真からは、当たり前の日常の尊さが滲み出ている。しかし幸せにあふれた「大祐」の日常は、突然の事故によって終わりを迎える。さらに、彼の死後法要に訪れた兄・恭一(眞島秀和)の「これ、大祐じゃないです」という衝撃的な一言により、「大祐」が別人であることが発覚する。大祐として生きた“ある男” ・Xとは一体誰なのか。その人物像は謎に包まれたままだが、場面写真からは彼が家族に温かな愛情を注ぎ、また家族からも愛されていたことが見受けられる。
NHK連続テレビ小説『エール』を1年かけて演じ切り、次なる挑戦の場として窪田が選んだのが本作だったという。作品の主軸となる「谷口大祐」、そして“ある男”・Xの姿、複数の人生を演じ分けるという難しい役どころとなったが、石川慶監督をはじめ妻夫木、安藤と共演できるならとすぐにオファーを受けた。
今回は脚本に向き合うために、あえて原作は読まず撮影に挑んだそうで「向井(康介)さんの脚本はあえて文字に感情を残さず、必要最低限の感情しか書かれてなくて、現場で体現した時に具現化されていく面白さがありました」と魅力を語った。また、窪田のキャスティング理由について、石川監督は 『ふがいない僕は空を見た』での演技が印象的だったと明かす。「狂気を孕んだ危うさみたいなものをやらせたら抜群。抽象的な話を受け止めて、それを芝居として形にしている。非常に力を持った役者さんだなと思いました」と繊細な役柄を見事に演じた窪田を絶賛している。