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朝倉未来は、新王者クレベルにリベンジできるのか? 大晦日『RIZIN』での再戦の可能性に迫る─。

2022年10月24日08時45分 / 提供:マイナビニュース

やはり、クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)は強かった。10月23日、マリンメッセ福岡『RIZIN.39』のメインエベントでクレベルは、得意の三角絞めを決めて王者・牛久絢太郎(K-Clann)に完勝。念願のRIZINフェザー王座奪取を果たした。

今後、気になるのは王座を巡ってのマッチメイク。大晦日の『RIZIN』でクレベルは誰と闘うのか? 昨年6月以来、1年半ぶりとなる朝倉未来(トライフォース赤坂)との再戦は実現するのか?
○■予告通りの三角絞め

「家族と一緒じゃない、遊べない、それに減量もあったし練習もいっぱいした。辛かったけどRIZINのチャンピオンになれて嬉しい。14歳の時に日本に来て、もうすぐ20年。私はブラジル人だけど、日本にとても感謝しています。これからもサトシ先生(ホベルト・サトシ・ソウザ/RIZINライト級王者)と一緒に日本のために闘います」

闘い終え、RIZINとKSWの2本のベルトを持ってインタビュースペースに姿を現したクレベルは、表情に余裕を携えてそう話した。

19時5分に開始のゴングが打ち鳴らされたタイトルマッチは、クレベルの完勝だった。
1ラウンド前半は激しい打ち合いもあるかと思いきや、クレベルがアッサリとグラウンドの展開に持ち込む。一気に仕留めようとするクレベルに対し牛久も必死に応戦。瞬く間に5分間が過ぎた。
「三角(絞め)に行こうかな、バックをとってチョークかなと迷っていたら逃げられてしまった。でも問題ない、またチャンスは作れると思い焦ることはなかった」(クレベル)。

そして2ラウンドに再度訪れたチャンスを、彼は逃さなかった。
ここでも、巧く寝技に持ち込むと今度は三角絞めに狙いを絞って念密にセット。牛久にエスケープを許さずに決め切った。

「練習でやってきたことが何もできず、逆にやってはいけないことをしてしまった。左フックは出さないつもりだったが、振ってしまいグラウンドに持ち込まれた。もう少し距離を作って闘うつもりが、それもできませんでしたね。
僕が冷静じゃなかった。クレベル選手から圧を感じていたのだと思う」
敗れた牛久は、冷静にそう話しクレベルの強さを認めた。

これでクレベルはRIZINのリングで6戦全勝(すべて一本勝ち)。これからは王者としての道を歩むことになる。
○■対抗戦よりリマッチが観たい

さて気になるのは、おそらくは大晦日になるであろう新王者の次戦の対戦相手だ。
牛久vs.クレベルの前には、この試合の勝者に朝倉未来が挑むことが既定路線のように思われていた。
だが、クレベルは言った。
「アサクラは、私ともう一度闘いたいだろう。それは分かるが、いまの私は彼とは立場が違う。これからのことは、まだ何も考えていない。これからサカキバラ(榊原信行CEO)さんと話すことになる。アサクラと再戦するかどうかも、お金(ファイトマネー)次第だ」

つまり、クレベルは「朝倉との再戦は、あってもなくてもいい」とのスタンス。
また、ここにきて年末には「RIZINvs.Bellator(ベラトール)」の対抗戦話も浮上している。この路線が確定すれば、クレベルと朝倉が共闘する形でベラトールとの団体対抗戦に挑むことになるのかもしれない。

イベント終了後にRIZINの榊原CEOは、こう話した。
「クレベル選手と牛久選手の試合は、朝倉未来選手も観ていると思うので、どんな感想を持ったか聞きたいし、また未来を軸に回るわけでもない。大晦日のカードに関しては、少し待って頂きたい。数日後に、いろいろな発表もできると思うので、その後に年末に向けたトップアスリートたちのカードの方向性をアナウンスします」

果たして『RIZIN』大晦日決戦は、ベラトールとの対抗戦にクレベルと朝倉が出陣するのか、それとも二人の再戦か、はたまた別のサプライズがあるのか─。
すでに『RIZIN』大晦日決戦のフジテレビ中継は消滅している。よって、ABEMAほかでの生配信となるが、この差異もマッチメイクに影響を及ぼすのかもしれない。

個人的には、クレベルと朝倉の再戦が面白いと思う。
圧倒的な強さを誇るクレベルだが、闘いを重ねる中で弱点を露呈してもいる。今回の牛久戦では見られなかったが、ペースを掴むまでの試合開始から数分に打撃で一気に攻められれば脆いところがある。ここを突けるかどうか、その勝負を前戦よりも打撃技術を上げている朝倉に託してみたいのだ。
ベラトールとの対抗戦が実現するなら、RIZINのリングは華やかな、新たなドラマに彩られることだろう。だがその前に大晦日の大舞台では、心がヒリヒリするような緊迫感に満ちた闘いが観たい。

文/近藤隆夫

近藤隆夫 こんどうたかお 1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等でコメンテイターとしても活躍中。『プロレスが死んだ日。~ヒクソン・グレイシーvs.高田延彦20年目の真実~』(集英社インターナショナル)『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文藝春秋)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(ともに汐文社)ほか著書多数。
『伝説のオリンピックランナー〝いだてん〟金栗四三』(汐文社)
『プロレスが死んだ日 ヒクソン・グレイシーVS髙田延彦 20年目の真実』(集英社インターナショナル) この著者の記事一覧はこちら

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