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第一三共ヘルスケアが横浜市で”おくすりシート”回収の試みをスタート

2022年10月21日08時00分 / 提供:マイナビニュース

第一三共ヘルスケアは10月20日、使用済み「おくすりシート」(PTPシート)をリサイクルする実証実験を横浜市中区でスタートした。同社によれば、生活者参加型のリサイクルプログラムとしては日本初の試みだという。関係者は「できるだけ多くのかたに参加いただけるよう働きかけていきたい」と意気込む。

○■リサイクルプログラムとは?

おくすりシート リサイクルプログラムは、第一三共ヘルスケアとテラサイクルジャパンが共同で行うもの。取り組みには横浜市も協力している。初年度は横浜市中区の薬局・ドラッグストア、病院、公共施設など30カ所に専用回収BOX「おくすりシートくるりんBOX」を設置し、生活者に回収を呼びかけていく。実施期間は2022年10月20日~2023年9月30日まで。

第一三共ヘルスケア 業務推進部の阿部良氏によれば、おくすりシートは国内だけで年間1万3,000トンが生産されているという。そして医薬品の包装ルールにより、リサイクル素材は使えないことになっている。

「必要不可欠な医薬品包装資材という特性から、生産を削減することも難しい状況。さらには高齢化の進展にともない、今後も使用量の増加が見込まれています」と阿部氏。そこで第一三共ヘルスケアでは、今回の取り組みをスタートさせることで『おくすりシートはマテリアルサイクル可能な包装』であることを生活者に啓発し、リサイクル循環の礎を築きたい考え。なお回収するシートは、どの企業のOTC医薬品・医療用医薬品でも構わないとしている。

横浜市 資源循環局の津島邦宏氏は、これまで横浜市ではおくすりシートは『プラスチック製容器包装』として分別収集してきたと説明。こうした従来の回収方法では、リサイクル業者によって資源の再利用方法がまちまちになることが常だという。それに対し、今回のおくすりシート リサイクルプログラムでは単一の容器包装を回収する。このため「より質の高いリサイクルができる」(津島氏)と期待を寄せる。

ちなみに本プログラムで回収されたおくすりシートは、シートのプラスチックとアルミニウムを分離後、各々リサイクル処理され、新たなリサイクル製品(たとえば、ベンチ、救急箱、ピルケースなど)として生まれ変わるそうだ。

回収、処理、再生化というリサイクルスキームを構築するのは、テラサイクルジャパン。同社の藤原亜希子氏は、おくすりシートの回収に協力した生活者および店舗にはテラサイクルポイントが加算され、ポイントを貯めるとグッズと交換できたり、NPO団体に寄付したりできると説明する。ちなみに世界21カ国でリサイクルプラットフォームを展開するテラサイクルでは、過去15年間以上にわたり学校や非営利団体に4,400万ドル以上を寄付してきたという。

今後の展望として、第一三共ヘルスケアの阿部氏は「1年目は実証実験としてプログラムの認知向上をはかります」と説明。特に公表はしていないものの、目標として10万シートは回収する、と意気込む。そして「課題を明確化し、それらをクリアしていく。2年目以降は横浜市内の回収拠点を拡大し、ほかの自治体における展開も可能な限り考えていきたいと思っています」と説明。

横浜市の津島氏も「本プログラムは事業者が自主的に取り組まれるプラスチック対策であり、大変心強く感じております。さらに市民の皆さまにおいてはプラスチック問題、分別、リサイクルについてあらためて考えるきっかけにしてもらえたら。私たち資源循環局も微力ながら協力していきます」と話していた。

近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら

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