2022年10月22日06時00分 / 提供:マイナビニュース
●役とのギャップに苦労「お酒飲んで演じたい(笑)」
日本テレビ系ドラマ『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』(毎週土曜22:00~)で、主演の玉森裕太(Kis-My-Ft2)と同期の研修医・橘麻友を演じる堀未央奈。地方の総合病院の院長令嬢で仕事にも婚活にも全力なというキャラクターで、自身の性格との違いに苦労しながら、ゴールデン・プライム帯連ドラ初レギュラーの今作に、緊張感を持って臨んでいるという。
バラエティやラジオでも見せる飾らないキャラクターで、撮影現場の雰囲気のほか、自身の“駆け出し”時代から将来の展望、そして生活習慣を見直して成功した体質改善まで語ってくれた――。
○■“ポジティブの世界に生まれた女の子”に魅力
――今回演じる役について、どのように捉えていますか?
台本を頂いたときは、私にないキャピキャピ感があると思いました。私はあんまりテンションがパッと上がる人ではないんですが、麻友ちゃんは常に楽しいことを探しつつ、仕事に対してもやりがいを見つけながら頑張ろうとしているので、その姿に“ポジティブの世界に生まれた女の子”の感じがして、魅力的だなと思いました。
――ご自身と違うキャラクターを演じるのは、難しいですか?
いやもう、本当にお酒飲んで演じたいくらいなんですよ(笑)。何度も「(飲んだら)ダメかな?」って思ったくらい、素の私と麻友ちゃんは高低差があって、自分なりに明るく演じても、声のトーンや表情が落ちてるという指摘が最初のほうはあって、「もっとかあ…」となることがありました。もう自分じゃないというところまで振り切っているので、ドラマで麻友ちゃんを見てもらった方がそのイメージで私を覚えてくださったら、その後実際会ったり、バラエティで見たときに、「声低いし、基本ずっとボケっとした顔してるな」みたいなギャップがあると思うので、そこはご了承いただきたいなと思います(笑)
――その中でも、ご自身と似ているところはありますか?
素直というか、ウソをつかないところは似てるかなと思います。私は喜怒哀楽があまり表に出ないんですけど、仲がいい子にはすぐバレて(笑)。そういう、嫌なときは嫌、うれしいときはうれしいみたいに、感情に対してウソをつかないところが似てるかもしれないです。
――医者の役は、これまでに経験がありますか?
レギュラーでは初めてです。スクラブ(=医療用ユニフォーム)がすごく動きやすくて、私は汗っかきなんですけど、そんなに汗をかいてる感じがしないので、生地感とかちゃんと考えて作られてるんだなと思います。学校の体操服みたいな感じで(笑)、着てるとリラックスしますね。
○■ゆるふわオーラを振りまく座長・玉森裕太
――研修医役のみなさんは、個性豊かなメンバーですよね。
それで、見やすいストーリーになっているような気がします。ただ医者を目指してる女の子、男の子たちが出てくる医療系ドラマではなくて、みんな人間味があるんですよね。麻友ちゃんは「合コン行こうよ」とか「この人はあんまりカッコよくなかった」みたいなことを言ってて、すごく等身大だなと。お医者さんってもっと個人個人で淡々と付き合ってる感じかなと思ったんですけど、やっぱり1人の人間だから、それぞれのプライベートや人生があるんだと知って、そこが共感して見てもらえる部分だと思うので、私も台本を読んでスッと自分の中に入ってきた感じがありました。
――研修医室の現場の雰囲気はいかがですか?
本当にみんなが朗らかでふわふわとした空気感があって、すごく居心地がいいですね。本番になるとアドリブもあったりしますが、他の医療シーンと分けて、ゆったりまったりとした雰囲気にしたいというのがみんな共通であるので、そこはスイッチを入れ替えてやってる感じです。
――座長の玉森さんの印象は、いかがでしょうか。
一番ゆるふわなオーラがあるので、みんなの癒やし的な存在になってると思います。おちゃめで小ボケを言ってるところをちょくちょく見かけるんです(笑)。何を言ってるのか全然覚えてないくらいなんですけど、ボソッと何か言ってて、たぶん周りに対してじゃなく、自分のルーティーンみたいな感じでやってるのかなと思います。パッと見、ジョークとか言わなそうじゃないですか。でも、そういうおちゃめな座長がいるから、みんながまったりとした柔らかい雰囲気でできているのかなと思います。
――研修医室以外のシーンは、どうですか?
やっぱり研修先の先生とご一緒する場面は、すごく緊張感があります。そういうシーンは、だいたい怒られそうになってるとかピンチの状況が多いんですけど、私は緊張したときに顔に出ないタイプなんですよ。楽しいとかそういう感情は出せるんですけど、怒られて申し訳なさそうな顔をしなきゃいけない緊張感があるシーンでもボケーっとした顔をしちゃうことがあるので(笑)、そこは気をつけています。
●GP帯連ドラ初レギュラーで「親孝行に」
――今回がゴールデン・プライム帯連続ドラマで初レギュラーということですが、ご自身ではどう受け止めていますか?
やっぱりこの時間になるとリアルタイムで見る方も多いし、若い学生の方たちも見られる時間帯なので、そこで自分よりも年下の方に覚えてもらいたいというのがありますね。時間帯でやる気が変わるということはないんですけど、連ドラは撮影しながら放送が進むので、「この間撮ったシーンがもう放送されてる!」という緊張感みたいなものがあります。
――反響はいかがですか?
家族がすごく喜んでくれて、放送前にはグループLINEで「もうすぐだね」って送ってくれたりしてました。家族や友達のリアクションで頑張れるところもありますし、お母さんはこの時間のドラマにレギュラーで出るっていうだけでも大喜びしてくれて、親孝行の一つになればいいなと思います。
○■体の弱かった幼少時代…小児科で「手伝ってあげたい」
――毎話研修先が変わっていくストーリーですが、ご自身が実際に研修医だったら行ってみたい科はどこですか?
子どもが好きなので、麻友ちゃんと一緒で小児科ですね。私、小さい頃から体が弱くて、幼稚園とか小学校とか、ほぼ休んでいたり入院してたりということが多かったので、そういう経験をしていると体が小さい子は自分で何かをすることができないのが分かるから、手伝ってあげたいと思うんです。
――忙しくされている今の姿から、体が弱かったというのは意外です。
扁桃腺が腫れやすくて、アレルギーも多くて、胃腸も弱くて、乃木坂時代も、体調を崩して結構ライブを欠席したり、握手会に出られなかったりして、仕事にめちゃくちゃ影響が出ていたんです。最近までずっと体が弱かったんですけど、自分で体質改善をして、少しずつ良くなってきました。
――具体的にどんなことをして改善されたのですか?
もともと家族が心配して「こういうときはこういうのを食べなさい」とアドバイスをくれていたんですが、「私は食べたいもの食べたいし、冷たいもの飲みたい」みたいな感じでいたんです。でも、体重がめっちゃ減っちゃったときがあって、去年は周りがコロナで騒いでるときに1カ月に1回扁桃腺炎になるというしんどさもあって。このままだといよいよ寿命が…と思うくらいになったので(笑)、気をつけないといけないと思い、漢方を処方したり、自分の体質に合わせたハーブティーを飲んだり、食材も気にしたりして、生活習慣をちゃんと見直したんです。そしたら、安定するようになってきましたね。
――そうすると幼い頃からお医者さんは身近な存在だったんですね。
病院には本当によく行ってたので、「あ、またこの子来た」みたいな感じだったと思います。だから、点滴とか注射とかも全く怖くないです。
――そのお医者さんを自分が演じることになるというのは、また不思議な気持ちでしょうか。
そうですね。それと、年齢的にもそういう歳になったんだなあと思いました。学生とかじゃなくて、医者を目指してる研修医ってもう大人ですからね。
●思い出す乃木坂46の駆け出し時代「厳しく育ててもらった時間」
――研修医という“駆け出し”の役を演じることで、ご自身のこの世界での“駆け出し”の頃を思い出すこともありますか?
部活や乃木坂の頃の自分を思い出しますね。(乃木坂46を卒業して)この1年半は後輩だった自分をちょっと忘れていたので、先輩たちと何かをする緊張感を久々に思い出しました(笑)
――乃木坂時代は、結構先輩にいろいろ教えられたのですか?
乃木坂はそういうことを直接言われるより、各々が先輩の姿を見て育っていく感じなので、どちらかというとスタッフさんにいろいろ教えてもらいましたね。「このときはカメラ目線じゃないとダメだよ」とか、厳しく育ててもらった時間でした。
――このタイミングで研修医の役を演じることで、初心を思い出すような気持ちでしょうか。
そうですね。でも私、人にいろいろ言われるのがあんまり好きじゃないので(笑)、“申し訳なさそうな顔”をあんまりしたことがないんですよ。演技でもその顔ができてるかな…って不安に思ってOAを見たら、申し訳なさそうというより、何か咳(せき)を我慢してるみたいな顔をしてて、もっと勉強しなきゃなと反省しました。
○■30代に向けて「とにかくいろんなことに挑戦」
――今年はドラマに7本も出演されて、役者として充実の1年だったと思いますが、本人としてはいかがですか?
もう本当に昨日の記憶もあんまりなくて…。「ちゃんと頑張れてたかな?」っていう不安があるんですけど、OAを見てくださった方のリアクションを見たり聞いたりして、この役を頑張って良かったなとか、この作品を撮ったときはあんな感じだったなとか思い出したりして、ありがたいです。ただ、私は見た目と中身がだいぶ違くて、自分と違う役柄をやるのはすごく楽しいし勉強にもなるんですけど、1回友達に「あれまんま未央奈じゃん」って言われるような役もやってみたい気持ちがありますね。
――それは具体的にどのような役ですか?
ディズニーにリーナ・ベルちゃんっていう新しいキャラクターがいるんですけど、ピンクのキツネで見た目はすごくかわいいのに、中身はお調子者で。プルートにハグされようとするとすごく嫌がるのに、ミッキーとは手をつないで歩いてて「えっ!?」と思って(笑)。誕生日セレモニーでオープンカーに乗って登場したり、キャストさんを困らせてケタケタ笑ってたりとか、自由さが共通点だなと思って身近に感じているので、そのキャラクターが人間化したような女の子の役が来たらうれしいですね。
――ドラマに限らず、バラエティにラジオにといろいろなジャンルでご活躍されていますが、先日誕生日を迎えられて26歳の今、将来的にはどのような活動をイメージされているのですか?
乃木坂を卒業してからは、在籍中にできなかったことをやったり、出られなかったものに出てみたいという好奇心で、お芝居もバラエティもいろんなことに挑戦させていただいて、本当に楽しみながらやっている感じなんです。その中で、自分が向いているとか、好きなことが20代後半でしっかりと固まって、30代の自分の人生につなげていけたらと思っているので、今はとにかくいろんなことに挑戦している時期なのかなと思います。
――何かこういうジャンルをやってみたいというものはありますか?
プロデュースするのが結構好きなので、ものづくりとか、人材育成とかにも興味があります。毎年自分のカレンダーを企画からプロデュースしているんですけど、他の方の写真集やカレンダーとかMVとかの作品づくりで、ディレクションみたいなこともやってみたいですね。
●堀未央奈1996年生まれ、岐阜県出身。2013年に2期生として乃木坂46に加入。7thシングル「バレッタ」で初選抜にしてセンターを務めた。17年より女性ファッション誌『ar』のレギュラーモデルを務め、同年初のソロ写真集『君らしさ』を発売。19年に『ホットギミック ガールミーツボーイ』にて映画初主演を務める。21年3月をもって約8年間活動した乃木坂46を卒業。女優として様々な作品に出演する一方で、バラエティ番組『アメトーーク!』(テレビ朝日)では「絵心ない芸人」として才能を発揮し、『イマドキッ』(MBSラジオ)といったラジオ番組でも活躍。『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』(日本テレビ)で、GP帯連続ドラマ初レギュラーを務める。