2022年11月02日16時00分 / 提供:マイナビニュース
「ムンクの『叫び』は何を叫んでいるの?」「ミレーの『落穂拾い』はなんで落ちた穂を拾っているの?」など名画の気になる疑問を山田五郎氏が愉快に解説!
YouTubeチャンネル「山田五郎 オトナの教養講座」を書籍化し、発売後すぐに重版となった『「山田五郎 オトナの教養講座」 世界一やばい西洋絵画の見方入門』(宝島社刊)より、知れば楽しくなる名画について紹介します。
全3回の連載、第1回はレオナルド・ダ・ヴィンチの名画《モナ・リザ》より、「モナ・リザの表情はなぜ変わる?」です。
○納期を守らず勝手に描き換え
誰もが知る名画《モナ・リザ》には、昨日までと顔が違って見えるといった恐怖体験がつきものです。
その理由のひとつは、特定の個人を描いていないから。誰でもあって誰でもない。よくいえば普遍的、悪くいえば無個性だから、見る人の心情や状況次第で印象が違って見えるのです。
この作品はもともとは肖像画として依頼されましたが、作者レオナルドは納期を無視。受け取りを拒否されたのをいいことに、何年もかけて加筆・修正を繰り返し、自分にとっての理想的な人物像に仕上げてしまいました。
○表情が変わって見えるわけ
この絵が怖いもうひとつの理由が、究極のスフマート。
どれだけ拡大しても陰影の境目がわからない、つまり輪郭がはっきりしないため、微妙な光の具合や見る角度によって表情が変わって見えるのです。
美術室に貼られた《モナ・リザ》の複製と目が合ったというような学校の怪談も、ここから生まれたのでしょう。
○時代を超えたアーティスト
納期を守らず、注文通りにも描かない困った性格が災いし、レオナルドはイタリアでの仕事を次第に失い、最後は敵国フランスに雇われて、その地で世を去りました。
それでも自我を貫き通した生き様は、時代を超えて今日のアーティストに通じるものがあります。
○『「山田五郎 オトナの教養講座」 世界一やばい西洋絵画の見方入門』(宝島社刊)
「ムンクの『叫び』は何を叫んでいるの?」「ミレーの『落穂拾い』はなんで落ちた穂を拾っているの?」など名画の気になる疑問を山田五郎氏が愉快に解説。
面白くて教養もつくと大人気(登録者数45.7万人超 2022年10月現在)のYouTubeチャンネル「山田五郎 オトナの教養講座」待望の書籍化です。
人物相関図&年表付で、各画家を時系列でまとめてあるので西洋絵画史の流れがわかりやすく、動画とも連動。西洋絵画初心者からファンまで幅広く楽しめる一冊です。
著者:山田五郎
発売日:2022年8月31日
価格:1,760円(税込)
判型:A5判 / ページ数:192P / ISBN:978-4-299-03254-6
宝島社『「山田五郎 オトナの教養講座」 世界一やばい西洋絵画の見方入門』
Amazon.co.jp『「山田五郎 オトナの教養講座」 世界一やばい西洋絵画の見方入門』
山田五郎 やまだごろう 1958年、東京都生まれ。上智大学文学部在学中にオーストリア・ザルツブルク大学に1年間遊学し、西洋美術史を学ぶ。卒業後、講談社に入社。『Hot-Dog PRESS』編集長、総合編纂局担当部長などを経てフリーに。現在は時計、西洋美術、街づくりなど、幅広い分野で講演、執筆活動を続けている。著書に『知識ゼロからの西洋絵画入門』『知識ゼロからの西洋絵画史入門』『知識ゼロからの西洋絵画 困った巨匠たち対決』『知識ゼロからの近代絵画入門』(すべて幻冬舎)、『ヘンタイ美術館』(ダイヤモンド社)、『へんな西洋絵画』(講談社)、『闇の西洋絵画史』(全10巻、創元社)など。TV『出没!アド街ック天国』(テレビ東京)、『ぶらぶら美術・博物館』(BS日テレ)などにレギュラー出演中。ラジオ『山田五郎と中川翔子の「リミックスZ」』(JFN)などにレギュラー出演中。 この著者の記事一覧はこちら