2022年10月21日13時07分 / 提供:マイナビニュース
「こういうフルーツ缶詰が出るのを待っていたんだ、僕は!」と、倒置法で語りながらやって来た缶詰博士の黒川氏。両手にはカラフルな缶詰がたくさん乗っています。
「すべてリンゴ缶なんだけど、ぞれぞれフレバーが違っている。いったいどんな味なのか、もう期待しかない」
→これまでのお話はこちら
○シラップは6種類
ミカンにパイン、白桃、リンゴと、種類が豊富なフルーツ缶詰。基本的にはシラップ漬けで、それ以外の製法で造られたものは滅多にない。2018年に明治屋が出した「日本のめぐみ まるごと無花果(いちじく)」は、シラップに紅茶(アールグレイ)を加えるという素晴らしいアイデアだったが、すでに終売してしまった。
そんな保守的なフルーツ缶詰業界に、突如として現れたのが「あおもりりんご缶詰」であります。青森県産のリンゴを6種類のシラップに浸け、それぞれ違うフレバーを楽しめるという趣向だ。
○代表してジンジャーを紹介
6種類の内容は以下の通り。
・あおもりりんご ジンジャー/シラップは砂糖、レモン果汁、ジンジャーパウダーなど ・あおもりりんご 紅茶/シラップは紅茶と砂糖、レモン果汁など
・あおもりりんご あおもりカシス/シラップは青森県産カシスの果汁と砂糖
・あおもりりんご ラム酒/シラップは砂糖、レモン果汁、ラム酒など
・あおもりりんご りんごジュース/シラップは青森県産りんごジュース、砂糖、レモン果汁など
・あおもりりんご プレーン/シラップは砂糖、レモン果汁など
すべて紹介することができないので、代表して「ジンジャー」を紹介したい。僕がもっとも気になっているフレバーなのだ。
○SDGsなフルーツ缶
フルーツ缶特有の甘い匂いが立ち昇る……と予想したけど、それだけではなかった。ジンジャー、すなわち生姜の香りがしております。
あおもりりんご缶詰には、従来のフルーツ缶にない特徴がある。それはシラップも使えるように工夫したことだ。例えば「紅茶」のフレバーなら甘いアップルティーのようだし、「ラム酒」のフレバーはカクテルのベースに使える。そしてこの「ジンジャー」は、炭酸水で割ればジンジャーエールになるワケ。
面白いアイデアだし、SDGs(持続可能な開発目標)にも合致していると思う。
○ピリッとした刺激
かくのごとし。ジンジャーエールはシラップ1に対して炭酸水2の割合で割ってみた。そのジンジャーエールは、ほどよい甘さの奥に控えめな酸味があり、ジンジャーの香りも、それにならうがごとくマイルド。でもちゃんと生姜の風味だ。
リンゴ果実には、ちょっと驚いた。シラップと同じく、ほどよい甘さと酸味があるが、ジンジャーの風味がシラップよりもずっと強い。ピリッとした刺激が心地良く、大人の味であります。
缶詰情報
あおなび/あおもりりんご缶詰 各215g あおもりカシスのみ648円、他の5缶は432円
あおなびのネットショップで入手可
缶詰博士 かんづめはかせ 昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。公式ブログ「缶詰blog」とFacebookファンページも公開中。 この著者の記事一覧はこちら