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【将棋講座】「3つのアプローチ」と「16のテクニック」で難局面を打破せよ(後編)

2022年10月21日11時45分 / 提供:マイナビニュース

駒の動かし方と基本的な戦法は分かったけど、ネット対局などで人と対戦するとなかなか勝てない‥‥なんとことありませんか? この記事では、マイナビ出版刊行の将棋に関する書籍より、対局に活かせる戦法や考え方に関する内容を抜粋して、お伝えします。

「どう指したら良いか、方針がわからない」中盤や終盤でそんな局面になり、明確なビジョンのないままに1手を指したばかりに形勢を損ねてしまった、あるいは負けてしまった。こんな悔しい思いは誰しもが経験していることでしょう。

前編で「3つのアプローチ」は紹介しましたが、これまで「16のテクニック」については直接的には触れてきませんでした。

後編では、テクニック「対の利用」を、図面を使って紹介いたします。

「対」とは、あらきっぺ氏によれば・・・

「将棋で読みを進めていくと、彼我の指し手が2手一組のセットとして固定される部分が出てくる。例えば、角交換をした際の[☗2二角成☖同銀]といった応酬がそうだ。こういった(ほぼ)必然と言える2手一組の手順のことを、本書では「対(つい)」と表現する。」

初手から▲7六歩△3四歩に▲2二角成とされたら、角を取り返すしかありません。

そういうセットの手が、中終盤においてもあり、それを有効に利用することで局面を有利に進めることがある、ということですね。

では、第1図をご覧ください。

ここで、「局面からのアプローチ」で先手の理想図を描けば、「4四銀、6四銀がいなくなって、5三歩成とできればいいな」(理想図)、となります。

問題は、それを実現する「シナリオ」があるかどうか。

ここは、「対の利用」で解決しましょう。

第1図からの指し手
▲7五歩 △8四飛 (第2図)

まずは桂頭を狙う▲7五歩。対して△同歩なら▲7四歩が入りますので、後手が桂頭を守るには△8四飛と浮くしかありません。

[▲7五歩△8四飛]は「対」です。先手はさらに「対」を使って理想図に向かいます。

第2図からの指し手
▲4五歩 △同 銀 ▲7四歩 △同飛
▲7五銀 (第3図)

銀取りに突き出した▲4五歩は取るよりなく、[▲4五歩△同銀]は「対」。そして桂取りの▲7四歩も取るよりなく、[▲7四歩△同飛]も「対」。3つの「対」を利用して後手に絶対手を強要し、第3図の▲7五銀が狙い澄ました一着となりました。

第3図以下、△7五同銀なら理想図の▲5三歩成が実現します。

△7五同飛なら▲2二角成△同玉ともうひとつ「対」を使って▲5三歩成(第4図)とすれば、

△同銀なら▲6六角の王手飛車で先手優勢、

王手飛車を防ぐ△3三金にもやはり▲6六角と打ち、7五飛を逃げれば▲4三とがあって、やはり先手優勢となります。

ところで、ここで紹介したいくつかの「対」ですが、腕に自信のある方は「最初の▲7五歩に対して、本当に△8四飛と浮く一手なの?」などなど、ご納得いただけなかった方もいらっしゃるかと思います。

大丈夫です。本稿では省略いたしましたが、上記で取り上げた「対」、それががなぜ「対」か、本書ではしっかり解説がなされています。正解手順の解説は2見開きを使い、さらに、そのひとつ前の見開きでは、単純に後手の4四銀、6四銀をどかして▲5三歩成を狙った場合の失敗例も記されています(下図)。

◇難解なテーマを誰にでもわかりやすく

簡単ながら、あらきっぺ氏渾身の著書『盤上のシナリオ ~理想の手順を組み立てる読みの技術~』を紹介しました。(書籍紹介ページはこちら)

正直に申し上げますと、本書は、かなり難解です。

ただし、その「難解」というのは、「テーマ」が難解という意味であって、ここまでに紹介した紙面のように、それぞれの章、項における解説はいたってシンプルで、誰にでも理解できるものとなっています。

本書を繰り返し読み、「3つのアプローチ」「16のテクニック」を理解すれば、ひと目ではどう指せばよいかわからないような局面でも、しっかり方針を持って指し進め、「理想図」へと持ち込む「シナリオ」を描けるようになることでしょう。

実際、筆者も本書を読んだことで、普段から「理想図」を意識し、それを実現する「シナリオ」を思い描いて指すようになりました(注:精度はともかく、ですが・・・)。

最後に、本書の章立ては以下の通りです。

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