2022年10月17日11時00分 / 提供:マイナビニュース
●久々ダンスで「少年隊のバック以来」の正確さを求められた
坂本昌行、長野博、井ノ原快彦からなる3人組ユニット、“トニセン”こと20th Centuryが10月17日に新曲「水曜日」を配信リリース。ミュージックビデオ(MV)で久々のダンスに挑み、ジャケット写真では80年代の王道アイドルに扮した3人にインタビューし、本作にまつわるエピソードや音楽への思い、ライブ活動への意欲を聞いた。
第3弾配信シングルとなる「水曜日」は、トニセンが出演する「ニベアメン アクティブエイジシリーズ」のCMソングで、ロックバンド・ミツメが楽曲を提供。繰り返されるギターのリフとリズムに絡み合うように歌うメロディが心地よいサウンドに、1週間の真ん中である「水曜日」のちょっとした気怠さと、 それを乗り越えて週の後半に向かって改めて進んでいこうという歌詞を乗せた、トニセンらしい優しいメッセージソングだ。
――ミツメさんとのタッグはどのような経緯で決まったのでしょうか。
井ノ原:それぞれ気になっているアーティストさんを出し合っている中で、ミツメさんいいよねという話に。できるだけ若い人たちとやりたいというのは3人の中にもあって、曲に関してだけではなくてスタッフワークも、20代・30代の人とやる機会が増えました。
坂本:逆に昔聴いていたものが今新しいという風潮もあるし、僕らにとって馴染みのある楽曲が若い方のフィルターを通すとこういう形になるのだと。頑張らない楽しさが聴いていて落ち着ける、そういう楽曲なのではないかなと思います。
井ノ原:長野くんの歌い出しで始まるのがいいんだよ、ね!
長野:ねって(笑)
坂本:そうねって言っていいと思うよ!
井ノ原:柔らかいところから入ってくれるから。
――歌詞の好きなフレーズを教えてください。
井ノ原:僕は「どんな月曜日だったの」と問いかけている感じが好きかな。月曜日は憂鬱だという人が多いと思うので、そこを乗り越えてやっと水曜日まで来たけどまだ半分じゃないかって思うから、木曜日からも楽しめるような曲がほしいというオファーをしたら、まさに「水曜日」という曲に。MVも水曜日だけ踊るというテーマで。ここが頂点すぎると下がってしまうので、できるだけなだらかな上がりすぎない音楽で、月曜日からちゃんと聞いてあげるというのが寄り添っている感じでいいなと思いました。
坂本:僕は一番最後ですね。「二度と同じ日はない 今日」ってなかなか言えない言葉。当たり前だけど、今日という日は、嫌なことでも楽しいことでも貴重なんだなと。それをさらっと最後に持ってくるのが素敵だなと思いました。また明日も頑張れそうだなって。
井ノ原:重みがありますね。長野さんは?
長野:「水曜日」というタイトルがいいなと。個人的なことですが、実家が自営業で水曜日が定休日なので、水曜日は僕の中で特別だったんです。どこか出かけるかもしれないとか。生まれたときからそうだったから、水曜日というワードがしっくりきます。
――MVでは久々のダンスを披露されています。シュールでクセになる振り付けが印象的ですが、このダンスはどのように生まれたのでしょうか。
井ノ原:CRE8BOY(クリエイトボーイ)さんに振り付けしてもらったのですが、せっかく久々に踊るんだったらインパクトあったほうがいいよね、ということでああいう風に。水曜日だけ踊る人たちということで、踊りはけっこう厳しかったです。
長野:シンプルで簡単に見えるかもしれないですけど、実はキレだったり微妙な角度が細かかったので、グッと集中してやった感じでした。
坂本:角度や目線を正確にやってくださいって、そう言われたのは少年隊のバック以来だったので、新鮮でした。
井ノ原:懐かしいね! 確かに(笑)
坂本:振りとしてはキャッチーでしたが、けっこう真剣にやっていました。
――3人で“水曜日ポーズ”をする場面も。
井ノ原:現場のみんなゲラゲラ笑って、監督にも調子に乗せられてやった感じで、楽しかったです(笑)
●カツラをつけて80年代の王道アイドルに「ずっと笑っていた」
――ジャケット写真は、80年代テイストの王道アイドルに扮し、バスタブではしゃいでいる姿を捉えたものに。
井ノ原:とにかくずっと笑っていました(笑)。僕らが見ていた先輩アイドルをモチーフにしているので、僕らがずっと見ていた感じです。今見てもあの時代はかわいかったんだなと思うし、そういう方たちをみんなで見て「これ再現できたらいいね」って。
長野:カツラをつけたのはジャケットでは初めてです。
井ノ原:スタッフさんみんなが意見し合う感じで、「やっぱトニセンはこれしかないっしょ!」って、衣装も遊んでくれて。ただ、水を使ったのでリーダー(坂本)は寒かったと言っていました(笑)
坂本:寒いんですよ(笑)。撮影終わったあとずっと(クーラーの効いた屋内ではなく)外にいました。
――皆さんが大切にし続けているアイドル意識、アイドルらしさがありましたら教えてください。
井ノ原:時代とともにそういうものは変わっていくけれど、僕らが素敵だなと思っていた人たちの美しさは不変だから、そういうものに憧れていた時代の僕たちみたいなのを再現したらいいんじゃないかというところから始まったのですが、今後も楽しみにしていただけたらと思います。
――80年代のアイドルに扮して目覚めたことはありますか?
井ノ原:カツラ!カツラの技術が上がっているなと。あと坂本くんのロン毛はなかなかいいんじゃないかなと思いました。
坂本:昔の新御三家や御三家の方はすごいんだなと。かっこいいし、かわいいし、素敵なんだなって改めて感じました。フレッシュさや清らかさが輝かしいなと思っていて、それがうまく再現できていたらうれしいです。
井ノ原:リスペクトがない感じのモノマネにはしたくなかったので、お笑いにはならないように気をつけました。僕らが見ていた“かっこいい”を再現したかったので、ゲラゲラ笑いながらやっていましたけど、ふざけた笑いではなく、やばいことになってきたぜ! という空気感でした。長野くんのポージングの多さにみんなが「最高だよ」って腹抱えて笑って。長野くんは水を得た魚のようでした(笑)
長野:やり切る! 照れていたらダメなので。
――歌詞に「大人になることがやけに 不安だったのに いつの間にか楽しいくらい」というフレーズがありますが、今の年齢になったからこそ楽しめるようになったことはありますか?
長野:少し視野が広がりますよね。柔軟になって、何でもやってみようかとか。ゆっくりになるし、頑張らないで自分のペースが守れるなと思います。
坂本:周りを見られるようになって、今まで当たり前と思っていたことが当たり前じゃないと気づき、そう感じると感謝が生まれてきます。取材をしていただくのもうれしいですし、このスケジュールのを立てる方がいて、仕切る方がいて、衣装を手配する方がいて、よく考えるとすごく大変だなと。本当に感謝ですね。取材や撮影はなるべく皆さんが笑顔でいてもらえたらうれしいなと思いながらやっています。
井ノ原:そういったスタッフワークは僕たち一つもできないから、やってくれる周りの人がいるというのはありがたいですね。(年齢が上がると)できなくなることも増えますが、それに憂いはなく、むしろこんなことできるようになったというのが日々あって、それが僕は楽しいです。
●「自由に楽しく音楽をやっている」原点のライブへの思いも
――トニセンとして今年活動を再開するにあたっていろいろな楽曲を集めているとおっしゃっていましたが、「水曜日」もその中の一曲ということでしょうか。
井ノ原:そうです。「これ今歌いたい」ということもできるからとても贅沢なやり方だと思います。以前はリリースやタイアップが決まって、曲が決まって、自分たちが今これだよなということよりも、みんなはどうなの? ということが多かった。物でほしいという人もいるからその欲望も満たせるような計画は立てつつですが、いい意味で選べる贅沢さがあります。
――今年入ってから5月、8月、10月とハイペースでリリースしていますが、今どういうスタンスで音楽をやられているのか教えてください。
井ノ原:普通は来月リリースしますっていうところから始まると思いますが、自由に楽しく音楽をやっています。歌いたいというモードになったときにこの気持ちがもったいないからできるだけ継続してできることってなんだろうということで配信を始めましたが、それを使わせてもらっています。
坂本:いい意味でそれぞれがゼロベースでスタートできているのが大きいと思っています。これいいよね、これ楽しいねっていうことからスタートしているので、自然とその道に行って導かれて楽曲ができてリリースするという感じです。
長野:このペースでリリースするのは僕たち的には初めてだし、そういった意味では違う動き、ペースで発信ができているのかなと。頑張るのではなく自然に楽しみながらやれています。
――音楽を届けることを楽しんでいる自分たちを見てもらいたいという思いも?
井ノ原:そうですね。自由で楽しいというのは一番大事にしています。
――ライブ活動への意欲や抱負もお聞かせください。
井ノ原:楽曲があってライブをやらないというのはもったいない。何のために曲をやっているのかって、結局僕らはライブ。トニセンでライブやろうってなったときが僕らの原点で、トニセンってなんだろうっていったらやっぱりライブだと思うので、いずれそういう発表ができたらいいなと思っています。
坂本:そうですね。やるやらないという選択肢は基本的になく、タイミングが来たらやるでしょうし、前向きにやりたいという気持ちはあります。ただ、自分たちがやりたくて楽しんでそれを形にするという僕ららしさは絶対忘れちゃいけないなと。とはいえ、だいたい会館的なところでライブをやることが多いですけど、1回ドームを目指してもいいかなと。
井ノ原:いやいや考えたことないでしょ!
坂本:いろいろドームを調べたら静岡の天城ドームとか、大きなドームではなくてそういうドームもあるから、それをドームツアーと謳ってもいいんじゃないかなって。
井ノ原:ちゃんと調べているというのが面白い(笑)。丸ければいいんだよね。小さめのドームツアーいいですね! “5小ドームツアー”やりたい!
長野:ライブは好きなのでドームツアーやりたいです。“5小ドームツアー”ってうちの事務所誰もやってないじゃないですか? 誰もやってないようなことって楽しいし、そんなような発想で3人ならではのことが形になったらいいなと思います。
■20th Century(通称:トニセン)
坂本昌行(1971年7月24日生まれ、東京都出身)、長野博(1972年10月9日生まれ、神奈川県出身)、井ノ原快彦(1976年5月17日生まれ、東京都出身)で結成されたユニット。1997年にアルバム『ROAD』でCDデビュー。2022年5月23日に配信第1弾シングル「夢の島セレナーデ」、8月1日に第2弾「風に預けて」、10月17日に第3弾「水曜日」をリリース。1996年4月にスタートしたラジオ番組『S.I.N NEXT GENERATION』は現在27年目。