2022年10月15日08時30分 / 提供:マイナビニュース
●ドラマの中で教師の夢も叶い「すごくうれしい」
10月15日にスタートするABEMAオリジナル連続ドラマ『覆面D』(毎週土曜22:00~ ※全8話)でドラマ初主演を務めるダンス&ボーカルグループ・EXILE/GENERATIONS from EXILE TRIBEの関口メンディーにインタビュー。覆面プロレスラーの顔も持つ熱血教師・大地大輔役に並々ならぬ思いで挑んだメンディー。「何が何でもたくさんの人に届けたい」。その熱い思いと、教師&プロレスラーとしての役作りについて話を聞いた。
『覆面D』は、現代の高校生たちが直面している社会問題とそれに向き合う教師を描くオリジナルドラマ。主人公の大地大輔が赴任した高校は、貧困に苦しむ家庭に身を置く生徒たちが通う教育困難校で、大輔が担当する3年D組には、今の日本社会の縮図のような問題を抱える生徒たちばかり。為すすべもなく淡々と授業を行う日々を送っていた大輔だったが、とある出来事からプロレス団体・BBTにスカウトされ、学校にバレてはいけないという条件で覆面レスラー・覆面Dとしても活動することに。そして、真実を隠したまま、生徒を救うために奔走する。
企画・脚本は鈴木おさむ氏。そして、水沢林太郎、秋田汐梨、曽田陵介、紺野彩夏ら若手俳優陣が大輔の受け持つクラスの生徒役を演じる。
――オファー受けたときの心境からお聞かせください。
率直に「どんな作品になるのだろう」と思いましたが面白そうだったので即答で「やります!」と答えました。そのときは学校や教師というエッセンスが入るとは全く知らなくて、おさむさんが書いてくださった脚本を読んだときはびっくりしました。
――想像していたものとはだいぶ違いましたか?
勝手にコメディなのかなと思っていましたし、プロレスラーの話だと思っていたので、教師の話だとは思っていませんでした。でも、めちゃめちゃいい話で、世の中に届けたいと心から思う作品に出会えたなと感じました。
――「世の中に届けたい」と感じたポイントを教えてください。
普段僕がブログやツイッターで発信していることと近いセリフが演じる大地大輔の言葉として登場していて、自分が発信した言葉を脚本に入れてくださったのかなと。それくらい僕が普段発信している内容と似ていました。僕は、誰かの背中を押したいとか、世の中がよくなるのではないかということを発信していて、この作品はまさにそういう作品だったので、絶対に世の中に届けたいと思いました。
――大輔を演じる際にどんなことを意識されましたか?
この作品を世の中に届けるためには、この年の作品の中で一番を目指さないといけないなと。そう考えたときに、僕はお芝居のキャリアがあるわけではないので演技力ではほかの作品に勝てないと思いました。お芝居をできる限り自分のドキュメントっぽく見せられたほうが見た方も感情移入できると思い、大地大輔の言葉であり、自分からのメッセージとしてセリフを発していくことを意識しました。
――教師役を演じた感想も教えてください。
僕はもともと体育の教員という夢があって、日本体育大学に通っていました。大学に入ってダンスに出会いダンスの道に進みましたが、ドラマで演じる形ではありますが巡り巡ってきたという感じがしています。もし自分がダンスに出会わずそのまま教員免許をとって学校の先生になっていたらこういう世界線にいたのかなと、そんなことを考えました。
――昔の夢が役として叶ったんですね。
すごくうれしいです! 自分が先生をやっていたら、大輔のようなおせっかいで熱い先生になっていたのかなと思います。
●プロレスシーン「自分でやりたい」と自ら志願
――レスラー役としては事前にどんな準備をされましたか?
撮影が始まる3カ月前くらいからプロレスの練習を始めました。プロレスラーを志している練習生がやるようなメニューから初めて、技の掛け方や受け方を学んでいきました。現役のレスラーの方に教えていただき、ものすごくありがたかったです。
――プロレスシーンは、ご自身が演じたところと吹き替えと、両方組み合わせた感じでしょうか?
全部自分でやっています! 覆面なので吹き替えでと思われるかもしれませんが、それでも自分でやりたいなと。
――そうだったんですか! ドロップキックのシーンもありますが、あれもメンディーさんなんですね。
自分でやりました。今回、ここは譲れないというか、頑張りたいと思ったのが吹き替えを使わないということで、それは『覆面D』の一つのキーワードになるかなと思っています。受け身の取り方も練習して、カットを割りながらですが全部自分でやるということを、監督やプロデューサーと話して決めました。
――吹き替えなしでやりたいとご自身が希望されたということでしょうか。
吹き替えでやることになりそうになったときに「自分でやりたいです」ってお願いをしました。というのも、「日本のトム・クルーズ」って言いたくて(笑)。それが言いたいから吹き替えを入れたくないんです。トム・クルーズさんはスタントもご自身でやられていて、トム・クルーズさんほど命の危険はないですけど、大地大輔としてしっかりセリフが出るように自分で全部演じたいと思いました。
――皆さんの反応はいかがでしたか?
ツアー中でもあるので、苦い顔をする方もいましたけど、ちゃんと受け身の練習もしてやるので大丈夫ですと話してわかっていただきました。
――カットを割りながらとはいえ、なかなかできるものではないと思うのですごいなと。
ダンスの振り付けを覚えるのと少し似ている部分があって、1つの技を覚えて形を整えていくというのはダンス経験が生きたのかなと思います。実際に試合でそれができるかというとできないですが、芝居という部分ではなんとか。求められているものがけっこう高くて、脚本のおさむさんから、こういうドロップキックをしてほしい、こういうプロレスをしてほしいという映像をいただき、それを見た時にこれはちゃんと練習しないとダメだなと。おさむさんの期待に応えてぎゃふんと言わせたいと思ったのでめっちゃ練習しました(笑)
――体はもともと鍛えられていると思いますが、作品のために体作りはされましたか?
『覆面D』のために特別何かをしたということはないですが、ツアー中ということもあって体は仕上がってはいたので、それをキープしつつ、プロレスの練習をしていくうちにレスラーっぽい体つきになっていきました。ただ練習を積み重ねた中で勝手にそうなっていった感じです。
――どのあたりがレスラーらしい体つきになったなと感じていますか?
胸板あたりですね。エルボーやチョップをよく受けていて、衝撃が加わると強くなるのでそれでなのかなと。ロープで体をバウンスさせて向こう側に走るロープワークもしていて、それで背筋などがついたかもしれません。アザもできましたが、それはみんな通る道らしくて「レスラーの仲間入りですね」って言われました(笑)
――ドラマではなく本当にプロレスをやってみたいという思いは?
どうでしょう(笑)。でも、『24時間テレビ』などの特番で、芸能人が格闘技やマラソンなどに挑戦するチャレンジ系をいつかやるだろうなと、この仕事を初めてから漠然と思っていたんです。このドラマが話題になってたくさんの方に届けば、プロレスでそういった企画が実現する可能性はあるのかなと思っています。
――番組企画でプロレスに挑戦ということですね。
はい。僕が一生懸命プロレスをやっていたらメンバーのみんなも感動してくれると思うんですよね。いつも一緒にいる人が技を掛けられたり、投げられたりしているのを見ると、みんな感動するだろうなと。すごくいい企画になりそうだなと思っています。
●エンタメに携わる理由「挑戦する人を増やしたい」
――金髪から黒髪にされたのは、教師役だからということですよね?
そうです。
――金髪に慣れていたので最初は衝撃がありました。
一時期、ボックスヘアにしていたときに黒髪でしたが、普通の丸い感じで黒髪はやったことがなかったので確かに見慣れないですよね。でも僕自身は生まれてからこっちで生きていた時間のほうが長いので、全然違和感はないです。昔の僕っぽいなと。初めて髪を染めたのがこの世界に入ってからなので。ただ、ライブで見つけにくくなったと。NESMITHさんも黒髪で見分けがつかないという声もあって、NESMITHさんごめんなさい(笑)
――『覆面D』の撮影終了後は、金髪に戻すのでしょうか?
自分の中では黒のままでいいかなって。形は変えると思いますけど。『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ)に出演したときに、2回目の出演で改名したほうがいいと言われましたが、1回目の出演のときに髪色を大人っぽい感じに変えたほうがいいと言われていたんです。自分もちょっと飽きていたし、いい機会だなと思って『覆面D』きっかけで黒髪にして、このまま黒髪で遊んでみようかなと思っています。
――そして、「関口メンディーー」に改名も。(『覆面D』においては関口メンディー表記)
占いを信じる信じないというより面白いなと思いました。ちょっと前から危惧していることがあって……これまでメンディーという名前に出会ったことがなくて、「僕だけじゃない!?」って思っていたのですが、最近メンディーという名前がスポーツ界隈とかで増えてきていて、ほかのメンディーさんと差を出したいと思った時に「メンディーー」はありだぞと。しかも、「メンディーー」って言うと口角が上がるので、僕の名前を言うだけでみんな笑顔になるという最強ネームなんです!
――確かに口角上がりますね! 改めて……並々ならぬ思いで挑まれた『覆面D』はご自身にとってどんな作品になりそうですか?
ここまで自分と重なる役、ここまで思いを入れられる役はたぶん今後出会えないと思っています。まだそんなに役者としてのキャリアがあるわけではないですが、これを超える役はないだろうなと。だからこそ、本気で向き合わないといけないと思いましたし、この作品を今年一番の作品にしたいと思っています。この作品を世に届けることで、ちょっと世の中が変わると思っていて、貧困の問題や親ガチャの問題など、ドラマで取り扱っていることが現実として起こっているので、そういう境遇にいる人たちの背中を押せたら。そのために、何が何でもたくさんの人に届くように頑張りたいと思います!
――運命的な作品と出会えたということですが、今後の活動についてもどう思い描いているか教えてください。
僕がエンタテインメントに携わる理由は、挑戦する人を1人でも増やしたいからなんです。もともと恵まれた環境にいたわけでもない僕が成果を出したり挑戦することで、こんな世界があるということを伝えたいなと。遅刻ばかりしていて謹慎になった過去もあって、できた人ではないですけど、そんな人でも頑張ったらいろんなことができるのだと、そういう風に感じてもらって、何かに挑戦する人が1人でも増えたらうれしいです。
――パフォーマーや俳優としてこんなことがしたいというより、どの活動においても挑戦する姿を見せていくということですね。
そうですね。アーティストとしての活動やお芝居、バラエティは手段にすぎなくて、目的は挑戦できる人を1人でも増やすこと。これからもそういう風に生きていきたいと思います。
■関口メンディー
1991年1月25日、アメリカ生まれ、東京都出身。2012年11月、GENERATIONS from EXILE TRIBEのパフォーマーとしてメジャーデビュー。2014年4月にEXILE新パフォーマーに決定し、EXILEに加入。2016年にはNIGO、EXILE NAOTO、VERBAL、SWAYと共にヒップホップユニット・HONEST BOYZ」としても始動。俳優活動としてドラマ『ひみつ×戦士 ファントミラージュ!』(19)、『モトカレマニア』(19)、映画『HiGH&LOW』シリーズ、『PRINCE OF LEGEND』などに出演。また、バラエティ番組でも活躍中。