2022年10月15日10時10分 / 提供:マイナビニュース
前回、前々回と2回にわたってエントリーシート作成のポイントを紹介しましたが、今回はエントリーシートのなかのガクチカ(学生時代に力を入れて取り組んだこと)に焦点を当てて、作成時の注意点を解説します。
○自分の活動をPDCAで整理する
まず意識してほしいのは、活動をPDCAの視点で整理することです。PDCAというのは、さまざまな活動において、計画し(Plan)、計画を実行に移し(Do)、実行した結果を評価して(Check)、うまく行かなかった部分を改善する(Action)という業務改善のプロセスのことです。
会社に入ると、どんな仕事でも、まず明確な目標を設定し、目標達成のために必要な計画を立て、目標達成に向けて具体的に行動します。
良い結果が得られた場合はさらに高い目標を達成するためにはどうすればいいか、良い結果が得られなかった場合はどこに原因があるのか、どう改善すれば良い結果が得られるのかを検証します。そして、検証した結果をもとに改善計画を立て、次の具体的な活動に活かします。
これを皆さんが今がんばっていること、学業、研究活動、ゼミ活動、クラブ活動、サークル活動、あるいはアルバイトなどに当てはめて考え、自分の活動内容を整理してみてください。
そんな意識がなくなんとなく取り組んでいたということであれば、今後はぜひPDCAを意識して自分の活動を見つめ直し、それをエントリーシートや面接でうまく表現できるように整理しましょう。
○困難を跳ね返す回復力があることを表現する
レジリエンスという言葉を聞いたことがあるでしょうか。レジリエンスとは、逆境やトラブルに直面しても、ストレスを跳ね返して回復する力のことで、ビジネスの現場で求められる能力の1つです。
自分にその力が備わっていることを、ガクチカのなかで表現できれば、入社後にどんな困難やトラブルに直面しても、それを乗り切る力があることが証明できます。
学業、クラブ活動、アルバイトなどで自分がどんな逆境やトラブルに直面したのか。また、それをどのように乗り越えたのか、自分の経験を整理してみて、「レジリエンスが高い人間」であることをアピールできるように、ガクチカで文章化してみましょう。
PDCAサイクルを意識して活動できることや、困難に直面しても跳ね返すレジリエンスが備わっていることをエントリーシートのガクチカでうまく表現できれば、会社に入ってからも大いに活躍できる可能性があることをアピールできます。
その経験を、前回の記事で紹介したように、具体的&定量的に表現することで、皆さんのエントリーシートはとても強力なプレゼンツールになるに違いありません。
吉本隆男 よしもと・たかお キャリアライター&就活アドバイザー1960年大阪生まれ。1990年毎日コミュニケーションズ(現:マイナビ)入社。採用広報ツールの制作を幅広く手がけ、その後、パソコン雑誌、転職情報誌の編集長を務める。2015~2018年まで就職情報サイト「マイナビ」の編集長を務めた後、地域創生をテーマとした高校生向けキャリア教育プログラムの開発に従事。2020年定年退職を機にキャリアライター&就活アドバイザーとして独立。日本キャリア開発協会会員(CDA)、国家資格キャリアコンサルタント。著書に『保護者に求められる就活支援』(2019年/マイナビ出版) この著者の記事一覧はこちら