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米9月雇用統計レビュー 失業率は3.5%、平均時給は32.46ドルで過去最高を更新

2022年10月13日09時00分 / 提供:マイナビニュース

米労働省が2022年10月7日に発表した9月雇用統計の主な結果は、(1)非農業部門雇用者数26.3万人増、(2)失業率3.5%、(3)平均時給32.46ドル(前月比+0.3%、前年比+5.0%)という内容であった。

(1)9月の非農業部門雇用者数は前月比26.3万人増と市場予想の25.5万人増を上回った。レジャー・接客が8.30万人増加するなど、今回も幅広い業種で雇用が増加した。ただ、全体の増加幅は今年最低となり、3カ月平均(37.2万人)を下回った。

(2)9月の失業率は3.5%となり、前月比横ばいの3.7%を見込んでいた市場予想を下回った。フルタイムの職を希望しながらパート就業しかできない人なども含めた広義の失業率である不完全雇用率(U-6失業率)も、前月の7.0%から6.7%へと低下した。労働力人口に占める働く意欲を持つ人の割合である労働参加率が前月の62.4%から62.3%へと低下したことも失業率を押し下げた。

(3)9月の平均時給は32.46ドルと前月の32.36ドルから上昇して過去最高を更新。伸び率は前月比+0.3%、前年比+5.0%で市場予想どおりだった。前年比の伸び率は前月の+5.2%から鈍化したものの、9カ月連続で5%台の高水準を維持した。

米9月雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びが鈍化したものの、増加幅は予想以上であった。失業率は、労働参加率の低下も影響したとはいえ「完全雇用」とみなされる水準に低下した。平均時給も伸び率が高止まりしており、いまなお米国労働市場がタイトであることを示す内容であった。市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が、インフレ抑制に向けて積極的な金融引き締めを続けざるを得ないとの見方が広がった。他方、一部からは雇用情勢の底堅さが示されたことで米経済は金融引き締めによるハードランディングを回避できるのではないかとの期待も出ていた。いずれにしても今回の米9月雇用統計は、ドル高の流れが当面変わりそうにないことを裏付ける内容だったと言えるだろう。

神田卓也 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長。1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信(デイリーレポート『外為トゥデイ』など)を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。Twitterアカウント:@kandaTakuya この著者の記事一覧はこちら

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