2022年10月15日11時00分 / 提供:マイナビニュース
●主人公の仕事観・恋愛観に共感
女優の内田理央が主演を務めるBS松竹東急の土曜ドラマ『お父さん、私、この人と結婚します!』が15日(毎週土曜23:00~)にスタートする。同作は娘・なぎさ(内田)の結婚をめぐって父・慎太郎 (升毅)、母(美保純)が、元ホストやプロレスラー、フランス語講師、怪談師といった毎週異なる娘の“彼氏たち”と繰り広げるドタバタ劇を描いた1話完結型のホームコメディ。
今回は内田に、笑いあり涙ありのコメディに仕上がったという今作の魅力、共感した主人公の仕事観・恋愛観、30代に突入して1年経った今の心境を聞いた。「年々人生が楽しくなっています」――その理由や、仕事をするうえでのモットーとは。
○■笑いあり涙ありのコメディ
――台本を読んだときには「アイデアが面白くて一気に読んだ」とのことですが、今作のどんなところに面白さを感じましたか。
娘が両親に毎週違う彼氏を紹介するコメディだと聞いて、どんな彼氏たちが登場するんだろうと思っていたら想像以上にバラエティに富んでいて。「結局この子はどんな人と落ち着くんだ!?」と最終回まで気になってしまうというアイデアがすごいと思いました。感動的な回やぐっとくる台詞もあって、笑いあり涙ありのコメディになっています。
――撮影方法としては毎回決まった場所を舞台に展開する“ワンシチュエーションコメディ”ということで、一風変わったドラマになっているんですよね。
海外ドラマのような仕上がりになっているのですが、演じる側は大変なんだと知りました(笑)。カメラを長回しにして話し続けるので、1話を撮ると30分の舞台をやりきったような感覚になります。撮影の記憶がなくなるくらい体力を使いましたが、それだけに達成感を味わえました。
――父親役の升毅さん、母親役の美保純さんの印象を教えてください。
がっつり共演したのは今回が初めてです。ベテランの役者さんなので最初は緊張していたのですが、お2人ともすっごく楽しい方で! リハーサルの時点でこの2人と一緒なら大丈夫だと確信し、本番も本当の家族のような安心感の中で撮影できました。
――登場する彼氏たちの中で、特にインパクトがあった彼氏は。
鳥越裕貴さん演じる彼氏です。その回だけはお父さんの上司からの縁談という形なのですが、なぎさとしてはすごく嫌で(笑)。その彼氏はお父さんを罵ったり、お母さんをおばさんと言ったり、部屋を散らかしたりやりたい放題。実はその行動には理由があるのですが、こんな彼氏嫌だ! という感情が強く心に残ってます。
――内田さん自身も嫌だと思うような彼氏なんでしょうか。
絶対ヤダ!(笑) 家という空間に自分の嫌な人がいるって不快な気持ちになるんだなと思いました。なぎさは毎週キュンキュンした顔を見せるのですが、その回はずっとムスっとしています。
○■結婚と仕事のバランスはそれぞれが選ぶこと
――逆に彼氏候補を勧められるという変化球パターンもあるんですね。内田さんが演じるなぎさはどんなキャラクターですか。
雑誌の編集のお仕事をしていて、そこで出会った人を好きになって、結婚したいと家に連れてくるのですが、すぐ次の人に気持ちがいっちゃうという。熱しやすく冷めやすいタイプの女の子です。仕事と恋愛に関する考え方が自由で今っぽくて、自分と似ているところが多いなと思いながら演じました。
――どんなところを似ていると感じましたか。
結婚したからと言って仕事を辞めないといけないわけではなくて、もっと自由に家族で話し合って決めればいい。女性は家庭に入らないといけないという昔の固定観念にとらわれないところや、どんな国籍やどんな職業の人にも分け隔てなく接しているところが素敵だなと思いました。
――内田さんも分け隔てなく人と接することができるタイプですか。
「人類皆友達」じゃないですけど、細かいことを気にせずに人と接するところは似ています。ただあまり簡単に人を信用できないタイプなので、すぐに彼氏を家に連れてくるなぎさはすごいなと(笑)。
――「結婚したからと言って仕事を辞めないといけないわけではない」という考えにも共感しましたか。
それぞれの生き方によって選ぶことだから、皆がそうだからこうしなきゃ、誰かに言われたからこうすべきっていう周りの意見は気にしなくていいんじゃないかなと思います。
●自分の機嫌を自分で取れる大人に
○■六畳一間で毎日納豆ご飯…下積み時代に感謝
――ここからは内田さん自身についてもお伺いしていきたいのですが、内田さんはもうすぐ31歳の誕生日を迎えますよね(取材は9月上旬)。
は! 忘れてました(笑)。
――(笑)。30代に入ってもうすぐ1年ということで、20代までと変化はありましたか。
明確に変わったことはありませんが、体の不調やお肌の変化から「曲がり角、来たな」とどうしようもない年齢の壁を感じています。昨年から今年にかけてスキンケアを変えたり皮膚科に行ったり、これまで以上に気を使うようになりました。でも今はテクノロジーが進化しているので、どんどん乗っかっていくつもりです。たとえば私が50歳のときには今より20年経ってるわけだから、医学が進歩していて絶対何とかなるだろう! と勝手に安心しています(笑)。
――メンタル面での変化はありましたか。
年々人生が楽しくなっています。歳を重ねるごとに自由になっているなと感じるし、メンタルも強くなっているような気がして。学生のときは学校の中にしか生活がなかったり、そのあともお金がなくて六畳一間で生きていたりと若いときは狭い世界しか知らなかったのですが、今はお仕事にも慣れて、自分の得意なことや苦手なことも把握できている。自分を分かってきたからこそ自分の機嫌を自分で取れるようになりました。
――六畳一間で生きている時代があったんですか。
初めて1人暮らしをしたときに、六畳一間の部屋に住んでいました。そこで毎日納豆ご飯を食べて……でも今考えると「頑張らなきゃいけない」と思える下積み時代があったのはありがたい話だなと。その時代があったから今自分のお金で美味しいお寿司が食べられるようになった有り難さを感じられるので。だから今頑張っている人たちを見ると「もうちょっと頑張れ!」「大丈夫だよ」って応援したくなるんです。
――30代になった内田さんの、仕事のビジョンを教えてください。
「無理なく頑張りたい」というのが私のモットー。ずっと心がイキイキしている人でいたいので、どんなに大変なときもなるべく心豊かに働ける環境を自分で作りたいなと思っています。「好きなことをやるために今を頑張ろう」と考えてみたり、常にポジティブに働くのが目標です。
○■30代になった今、ミステリアスな悪女を改めて演じたい
――その一方、YouTubeの「爆買い動画」を拝見しますと……。
あ、出た!(笑)
――(笑)、爆買い後だったからだと思うのですが、今年の目標に「馬車馬のように働く」とも掲げていたなと。
その発言をして以来マネージャーさんに「馬車馬のように働くって言いましたよね?」って何度も言われています(笑)。私も「確かに言ったな」と思いながら、この夏の忙しい時期を乗り越えました(笑)。
――女優としては代表作の『おっさんずラブ』(テレビ朝日)の荒井ちずに始まり、昨今のドラマでも「サバサバしてるけど手に入らない高嶺の花」といったような女性をよく演じられていて、個人的にはこういった役を演じさせたら内田さんには敵がいないというイメージもありますが……。
本当ですか! それはめっちゃうれしいです。どちらかと言うと私もフランクなタイプなので、あまり作らずに演じられるキャラクター像というか、サバサバした女の子の役は合っているのかなと感じます。
――今後やりたい役はありますか。
最近は特殊な役をいただくことが多いのですが、引き続きそういう役に挑戦できたらうれしいですね。あとは昔よくやっていたミステリアスな悪女も演じたいです。最近あまりないので恋しくなっちゃったのと、30歳になってものの見え方が変わった今、やってみたい。10代20代とは“意地悪”の感覚も違うから、また違うお芝居ができるんじゃないかなと思います。
――それでは最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。
今一人暮らしをしている私も演じているうちに家族に会いたくなったので、視聴者の皆さんも、家族の顔を思い浮かべたり家族で一緒に楽しんだり、この『お父さん、私、この人と結婚します!』を通して「家族っていいな」と感じていただけたらうれしいです。
■内田理央
1991年9月27日生まれ、東京都出身。2014年に『仮面ライダードライブ』で本格的に女優デビューし、モデルや女優など幅広く活動する。近年の主な出演作にドラマ『おっさんずラブ』(18年)、『向かいのバズる家族』(19年)、『明治開化 新十郎探偵帖』、『来世ではちゃんとします』(20年)、『言霊荘』(21年)、『ロマンス暴風域』(22年)、映画『仮面病棟』(20年)、『くれなずめ』、『リカ自称28歳の純愛モンスター』 (21年)、舞台『物語なき、この世界。』(21年)、写真集『PEACH GIRL』(21年)など。11月よりテレビ東京系でドラマ『自転車屋さんの高橋くん』が放送予定、公開待機作に『耳をすませば』(10月14日公開予定)がある。