2022年10月05日11時30分 / 提供:マイナビニュース
●作中とはまた別の関係性に
2.5次元ミュージカルの草分けと言われるミュージカル『テニスの王子様』の物語の先を描き、2020年12月より上演されているミュージカル『新テニスの王子様』シリーズ。この度、千葉・幕張メッセ 幕張イベントホールにて、初のライブ公演であるミュージカル『新テニスの王子様』Revolution Live 2022(通称:レボライ)が開催されることとなった(上演は10月6日~10日 / 10月6日18:00公演、10月9日18:00公演、10月10日13:00公演はU-NEXTにてライブ配信・アーカイブ配信)。
今回はWキャストで入江奏多役を務める相葉裕樹・泰江和明、そして跡部景吾役の高橋怜也にインタビュー。「The First Stage」で熱い戦いを繰り広げ絆を深めたという3人に、ライブで楽しみにしていることや自分達の関係性について話を聞いた。
○■『新テニミュ』初のライブ公演『レボライ』を開催
――今回は『新テニミュ』のライブ公演ということで、どういう心境ですか?
泰江:『新テニミュ』初のライブに立てるなんて感動です! 何と言ってもWキャストの入江奏多が2人存在するという。
高橋:それ!
相葉:どうなるんだろう? どんな形でステージに立つのか、まだ僕たちもわかってないので楽しみです。
――2020年12月~2021年2月に行われた「The First Stage」では、東京公演&大阪公演の入江を泰江さん、東京凱旋公演の入江を相葉さんが演じられ、高橋さん演じる跡部と対決するシーンが物語のクライマックスとなっていたんですよね。3人ともとても仲良しに見えるんですが、最初から打ち解けられていたんですか?
相葉:はじめは怖がってましたよね。
高橋:僕らがばっちさん(相葉)に対して怖がってました(笑)
相葉:回を重ねるごとに、苦楽を共にした仲間になっていきました。
泰江:このご時世なのでシーンごとに稽古が行われ、跡部入江戦だけをやる稽古日もあったんです。ばっちさんが合流してくださった時には僕ら3人だけで練習したりと、全体の稽古では生まれないものが積み重なっていきました。
――作品の中では跡部が入江に対して警戒しているところもあるかと思いますが、跡部役の高橋さんは入江役のお二人ととても仲が良いようで。
高橋:大好きです。作中だと入江さんの方が跡部くんに寄っていく感じですけど、現実世界だと僕が「ばっちさん! カズくん(泰江)!」となってます(笑)
泰江:「The Second Stage」の時は入江の試合のシーンがなかったので、ばっちさんと2人で怜也を見ながら話すことが多かったんですよね。
相葉:「怜也の歌、エモいよね」と話してたね。また一緒にバチバチに対決ができるんじゃないかと思うと、楽しみでニヤニヤしちゃう。
高橋:そのシーン、ライブでもあるかなあ? あってくれ!
相葉:あるんじゃないの? やっぱそれは!
○■大きな会場で“医務室”がやりたい
――会場も大きいところになりますね。
相葉:幕張メッセ、初めてですね。そんなに大きい会場でやったことがないから想像できないなあ。僕はもともと『テニミュ』1stシーズンで不二周助を演じて『Dream Live』(通称:ドリライ)にも参加していたので、カムバックしてまたライブができるということが嬉しくて。久々にキラキラしちゃおうかな!? 大きな会場で“医務室” (「The Second Stage」での日替わりのシーン)もやりたい!
全員:(爆笑)
高橋:それは観たい!! 大きな会場で椅子だけが置かれてるの、観たい!
泰江:忘れられないですもん(笑)
相葉:あったら嬉しい!
泰江:コーチ陣も揃うし、「The First Stage」「The Second Stage」それぞれの出演メンバーが一堂に会することも楽しみです。37名でライブができるなんて。
高橋:稽古で会うと同窓会みたいになるよね。
泰江:別の舞台中でなかなか稽古に参加できていない小野健斗くんからは「頼む! 振り付け動画を撮って送ってほしい!」と連絡が来ました。舞台の公演から時間が空いて、改めてライブのために準備されてるんだなあ、と。
相葉:僕もカズのことはめっちゃ頼りにしています。「ダンス教えて~?」「それ、カッコよくな~い?」って聞きまくる。
泰江:ばっちさんなら絶対すぐにできますって!(笑) これだけの人数が集まって、みんなが『レボライ』にベクトルを向けているわけじゃないですか。先輩が楽しみにされているのを感じると、後輩としての楽しみな気持ちも、より増えていくんです。
相葉:楽しみだよ! お祭りだからね。
――『新テニミュ』では中毒性のある歌詞も話題となっていたそうですが、心に残っているものはありますか?
高橋:「The Second Stage」の「手塚の心」にある「手塚は我慢した」という歌詞は、実際に引用して手塚役の山田健登にメールしたことがあります(笑)。それから本番中に本当に僕も我慢した時があって! 千秋楽で、背筋がつりそうになったことがあったんです。でも、その後に「手塚は我慢した」と歌が聞こえてきて「ああ、そうだ」と……。
相葉:染みてたんだ(笑)
泰江:演出の上島(雪夫)さんも「三ツ矢(雄二)さんの歌詞の世界観は、三ツ矢さんしか理解できないところがいいんだ」とおっしゃってました。
高橋:入江のソロ曲「再び始まる」の歌詞も「やばすぎる 爆発もんだ」で、頭に残るし。
●相葉「2人ともかわいくてしょうがなくて!」
○■『テニミュ』だからこその温かさや愛情が詰まっている
――公演の中で刺激を受けたことはありましたか? お互いにどのような存在だったんでしょうか?
泰江:まず、こんなに仲良くなれることがすごいんです。怜也は「The Fifst Stage」が初舞台だったし、僕も初めての2.5次元舞台、さらにばっちさんは大先輩として戻って来てくださるということで、それぞれ違う環境の中でここまで仲良くなれたことが嬉しかったです。会うと安心感があります。
相葉:そうだね、一緒に戦ってきた仲間という意識がある。関係性で言えば先輩と後輩という立場ではあるかもしれないけど、「僕が初めて舞台に立った時にはここまでできなかったな」と、2人からすごく刺激をもらって。「若い子たちがみんなこんなに努力している」「才能ある人たちがいっぱいいるんだ」ということを知って「自分も頑張らなきゃ。先輩としてちゃんと存在していないと」と考えさせられました。とてもとてもいい環境で、『テニミュ』って幸せな場所だなと感じました。
――SNSなどを見ると、U-17(アンダーセブンティーン)選抜メンバーキャストのみなさんもすごく楽しそうにされていますもんね。
相葉:特に井澤(勇貴)くんは……はしゃぎにはしゃいでましたからね(笑)
高橋:勇貴くんはどうしたんですか?(笑)
全員:(笑)
相葉:話を聞くと、彼も自分がここまで『テニミュ』にハマるとは思ってなかったそうなんです。役としてもハマってるし、役者としてもここまで作品を愛すると思ってなかったみたいで。キャリアを経て改めて『テニミュ』にハマったんだと思うと嬉しいですよね。僕自身も久しぶりに戻ってきて、やっぱり『テニミュ』だからこその温かさや愛情が詰まっていると改めて感じました。
高橋:僕は、カズくんとばっちさんのお二人については、1番お世話になった方々だと思ってるんです。「The First Stage」の時に初舞台でどうしてこんなに頑張れたかというと、カズくんとばっちさんが僕を引っ張ってくださったことが大きくて……。もちろん僕自身も頑張ろうと思って一緒にS1(シングルス1)のシーンを作り上げてはいるんですけど、お二人が引っ張って「一緒に作ろう」となってくれたからこそ、先輩方のおかげであのシーンができたんだなあと思います……。
泰江:すごく遠い目をしてる(笑)
高橋:今、思い出しながら話してるから(笑)
相葉:S1に関しては、カズと怜也の2人が頑張ってくれたことが大きかったんだよ。僕は凱旋公演に入る形だったんですけど、振りもラリーもつきっきりで教えてもらって。覚えるのにいっぱいいっぱいだったから「2人とも、よくこんな大変なことをやってるなあ」と思ったし、振り返ると泣きそうになります。しんどかったけど、めちゃくちゃ楽しかった。
高橋:最高に楽しかったですね。
泰江:本当に楽しかったです。
○■3人が互いに感じていたことは?
――相葉さんは色々な作品に出られていますが、『テニミュ』に戻ってきてのカルチャーギャップみたいなものはありましたか?
相葉:いや、ありますよ。やっぱり稽古場にいいヘアバンドつけてくる子がいたりとか……。
高橋:こら~! それは僕!(笑) それで寝ぐせがひどいと! 最近ばっちさんのせいで、僕のファンにもそのキャラが浸透してきてるんですよ!(笑)
相葉:嬉しい!
高橋:嬉しいんですか!?
相葉:みなさんに影響を与えて……怜也が愛されるキャラに育ってる。
高橋:育てようとしてる!?
相葉:かっこよくて歌がうまいだけじゃなくて、そういう抜けているところもあるって、知れば知るほどみんな「かわいいなあ」ってなっていくんですよ、絶対!
全員:(笑)
泰江:実際愛されてるし!(笑)
相葉:カズに関してはやっぱり“ファンサ”(ファンサービス)がすごいなあと思うし、カルチャーギャップというよりもカズ自身の持っている才能として、お客さまを引き込む力があるんだと、勉強になりました。
高橋:ほんと! なんか見るたびに(ファンに向かって)チュッチュ! みたいな!
泰江:(爆笑)
高橋:全員にチュッチュしてる!
泰江:自分に何ができるか考えて、必死だったんですから!(笑) 逆に僕ら後輩からすると、そもそもばっちさんの“居方”に影響されてました。楽屋、稽古場、舞台上での存在がやっぱり……。
相葉:ふざけてた?
泰江:違います(笑)。どの舞台でもこれだけの先輩と密に同じ役をできる機会はなかなかないと思うし、目の前でばっちさんの熱を感じることができるのが1番大きな経験だったのかなと思いました。僕はもう、一時期ばっちさんの声しか聞いてなかったですもん。
相葉:アニメもあるからね。
高橋:声が本人だもんなあ。
相葉:でも、僕がアニメで『新テニミュ』と同じシーンの入江を演じたのは10年ぐらい前のことだったから、役についてはカズが広げて深めていってくれたことから改めて教わることが多くて。人一倍努力していて、すごく尊敬しました。
泰江:怜也については、ばっちさんと僕、それぞれの熱を感じて変化していっただろうし、お客さんもそこを楽しむことができたと思うんですよね。
高橋:「The First Stage」はずっとカズくんと一緒に作り上げて、凱旋公演でさらにばっちさんが入ってパワーを肥大化させてくださって。経験を積むごとにどんどん膨れ上がる感じがして、最高に気持ちよかったです。ばっちさんはもともとアニメで入江役をされてるし、カズくんは入江をめちゃくちゃ研究してるし、対峙していて違和感はなかったですけど、とにかくばっちさんは、大きかった!
全員:(笑)
高橋:「あれれ?」と思って。見下ろされてる(笑)
泰江:ほんとだよね(笑)
相葉:僕ははじめ外から2人の演技を見る立場で、特に怜也が悩んでるのも知っていたんです。「素敵だから大丈夫だよ」と思ったし本人にもそう伝えたんだけど、稽古や公演を重ねるにつれて何か言う必要もないくらいに跡部を確立して、僕と演じる頃には完成されていました。最初に稽古場で見た跡部とも全然変わっていて、すごいなと思っていましたし、もう、僕からしたら2人ともかわいくてしょうがなくて! かわいい後輩が2人できて、幸せだなって心から思います。本当に!
高橋:嬉しい~! 実は状況が落ち着いていた時に、1度カズくんと2人でごはんに連れて行ってもらったんです。
相葉:「The First Stage」の稽古でお世話になった2人をごはんに連れて行きたいと言ってたんだよね。ご時世的にはまた難しくなっているけど、本当だったら連れ回したいと思っています!
■相葉裕樹
2004年映画デビュー、ミュージカル『テニスの王子様』(05年~08年)で舞台デビュー。以来映像・舞台・アニメと様々な作品で活躍し、『侍戦隊シンケンジャー』(09年)、『戦国鍋TV ~なんとなく歴史が学べる映像~』(10年~12年)出演も話題となる。近年の主な出演作に『レ・ミゼラブル』(17年・19年・21年)、『ダンス オブ ヴァンパイア』(19年)、『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』(22年)といったミュージカルのほか、海外ドラマ『S.W.A.T.』シリーズ日本語吹替、ゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド』(20年~/ボイスキャスト)、アニメ『新テニスの王子様』(12年~)など。ミュージカル『スクルージ ~クリスマス・キャロル~』(22年12月)、音楽劇『ダ・ポンテ』(23年6~7月)、ミュージカル『アナスタシア』(23年9~10月)上演を控える。
■泰江和明
2018年より芸能活動を始め、19年から始まったKYOTO SAMURAI BOYS公演では team若葉のリーダーを務める。主な出演作にミラクル☆ステージ『サンリオ男子』 KAWAII Evolution (21年)、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」うずまきナルト物語(21年)、ミュージカル「FLOWER DRUM SONG」(22年)、舞台「呪術廻戦」(22年)など。ミュージカル「Shuffle!~まぜこぜ図書館『若草三銃士物語』~」(22年11月)、「進撃の巨人」-the Musical-(23年1月)上演を控える。
■高橋怜也
アーティストとして芸能活動を始め、2020年にミュージカル『新テニスの王子様』The First Stageで初舞台。主な出演作にLive Musical「SHOW BY ROCK!!」-DO根性北学園編-夜と黒のReflection (21年)、RICE on Stage『ラブ米』~Rice will come~(21年)、『Oh My Diner ~踊るぶんぶん狂想曲~』(22年)、MANKAI STAGE『A3!』シリーズ(22年~)など。10月25日より出演ドラマ『信長未満 -転生光秀が倒せない-』(tvk)が放送される。ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学(せいがく)vs氷帝(23年1月~3月)の上演を控える。