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横浜国大、ねじったり伸ばしたりできる柔軟なリチウムイオン電池を開発

2022年10月04日16時59分 / 提供:マイナビニュース


横浜国立大学(横浜国大)は10月3日、液体金属による伸縮可能なガスバリアフィルムを実現し、それをバッテリーのパッケージに用いることによって、大気中で動作可能な、伸びる(ストレッチャブル)リチウムイオン電池(LIB)を実現したことを発表した。

同成果は、横浜国大大学院 工学研究院のNyamjargal Ochirkhuyag大学院生、太田裕貴准教授、同・上野和英准教授らの共同研究チームによるもの。詳細は、米国化学学会が刊行する材料と界面プロセスを扱う学術誌「ACS Applied Materials & Interfaces」に掲載された。

現在、次世代のウェアラブルデバイスを支える基盤技術となるとして、シリコーンゴムやポリウレタンゴムを用いた「ストレッチャブル・エレクトロニクス」が期待されている。しかし、デバイス化、システム化において、硬く大きな固体のバッテリーが必要で、デバイス全体の伸縮性を損なうという課題がある。

また、高出力が可能なストレッチャブルLIBも登場してきたが、そのままでは大気中で使用できないという、社会実装をする上での課題もあるという。その理由は、外装材にゴム材料を用いているため、酸素ガスと水分を透過してしまい、LIBを短時間で劣化させてしまい、通常のゴム材料をパッケージングに用いたストレッチャブルLIBの場合、大気中だとバッテリーの電圧が2時間以内に低下してしまうという。

そこで研究チームは今回、液体金属をパッケージング材料として用いることでこの課題を解決し、大気中で使用できるストレッチャブルLIBを開発することにしたとする。


具体的には、ポリウレタンゴム上に金を成膜し、その上に液体金属をコーティングすることで、高いガス・水分バリア性と伸縮性を両立した薄膜のガスバリアフィルムを開発。金薄膜はポリウレタンの伸縮に耐えることはできないが、液体金属がポリウレタンゴムを被覆することでガスと水分の透過を抑制する仕組みだという。

バッテリーの構成材料としては、電極基材として多孔性SBSが、負極・正極活物質としてはそれぞれLTO(Li4Ti5O12)とLFP(LiFePO4)が、セパレータとしてゲルセパレータが用いられ、バッテリーに伸縮性が付与された。その上で、バッテリーをガスバリアフィルムで上下から挟み込んでパッケージングすることで、ストレッチャブルLIBを実現。大気中でも15時間以上にわたって高い電圧を維持できることが確認されたという。

なお、研究チームでは今回の成果について、ストレッチャブル・デバイスの特性に応じた伸縮可能なバッテリーの実現に向けた試金石になるとしており、今後はガスバリアフィルムの低コスト化を行うことでストレッチャブル・バッテリー、ストレッチャブル・デバイスの社会実装につながることが期待されるとしている。

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