薬の使い方で、精神疾患ながら活発に動ける。

前にかかっていた病院から心機一転、このクリニックにかかったのは二十六歳のときでした。 僕は精神分裂病という病名をつけられていたのですが、（現在の呼称は統合失調症です）「あなたはうつ病です、私がそれを治します」という力強いお言葉を、まだお若かった大塚先生にいただきました。 それまで安定剤という系統の薬で治療していたものを、抗うつ剤系の薬に置換して、すると昼まで寝ていた一日の生活が、朝の七時に目が覚めるという生活パターンに変化して驚きました。 しかも、当時特殊な仕事を抱えていたので朝は早く起きたほうがよく、すると都合の良いことに、四時半起までにすることが出来き、感激しました。 当時は始発の電車に乗りクリニックに行くと、元気な患者さんたちがすでにクリニックの前で五人ほど楽しく立ち話をしていました。 僕はその人たちに診察券を預け、早朝の浅間神社まで参っていき、朝の気持ちの良い空気を吸い神様に手を合わせ、とてもよい生活を送って居ました。 重度のうつの患者さんには二階に六床のベッドがあって、入院施設並みの抗うつ剤の点滴を打つことが出来ました。 この点滴のおかげで僕はうつの苦しみを感じることなく診療に集中することが出来ました。 前回の病院の先生に「同じ病院に長くとどまることは良くない」と指導を受け、三年たったら僕はまた別のクリニックへ移りましたが、大塚クリニック時代から今でもバイオリンを習い、人生に明るい希望を持たせて頂いた人生の転換期ともいえるクリニックでした。 2018年04月04日