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日本初、鳥関連過敏性肺炎の診断補助に有用な血中鳥抗原特異的IgG測定試薬キット「イムノキャップ 特異的IgG 鳥」、薬事承認を取得

2020年10月05日11時00分 / 提供:@Press

サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループ(グループ本社:東京都港区、代表:室田 博夫)は、鳥関連過敏性肺炎の診断補助に有用となる体外診断用医薬品「イムノキャップ 特異的IgG 鳥」について、2020年8月3日(月)付で厚生労働省より医薬品製造販売承認を取得したことを発表します。今後は、本製品の早期の保険適用、また発売に向けた準備を進めてまいります。

「イムノキャップ 特異的IgG 鳥」は、蛍光酵素免疫測定法(FEIA法)を原理として血清中または血漿中の鳥のフンや羽毛などの鳥関連抗原に対する特異的免疫グロブリンG(特異的IgG抗体)を測定する体外診断用医薬品であり、鳥関連過敏性肺炎の診断補助に用いられます。本製品は、免疫蛍光分析装置「ファディア250」を含むファディアラボラトリーシステムシリーズの専用試薬キットです。

過敏性肺炎は、環境中の特定の真菌、細菌、鳥由来のタンパク質、無機物などの抗原を繰り返し吸い込むことで発症するアレルギー性の間質性肺炎の一つで、III型およびIV型のアレルギー反応が関与するとされています(*1,2,3)。急性過敏性肺炎では、せき、息切れ、発熱といった急性症状が見られますが、多くの場合は適切な診断に基づいて原因抗原を除去することで改善します。一方で、慢性過敏性肺炎の場合には、明らかな症状が見られないこともあるために、患者さんご自身も原因となる抗原との関連を自覚しないまま少量の抗原吸入を続けているうちに、発症している場合があります。
問診でも環境や特定抗原との関連を疑うことが難しいために、原因抗原の特定および過敏性肺炎との診断に至るまでの間に、さらに抗原を吸入することで、肺の線維化が進行することがあります。診断後は抗原回避を行いつつ、症状の程度に応じた薬剤によるアレルギー性炎症のコントロールや肺の線維化を抑える治療が必要になります(*1)。
鳥関連過敏性肺炎は、鳥の飼育や住居環境(自宅の近くに鳥が多い環境があるなど)、羽毛布団、ダウンジャケット、剥製、鶏糞肥料などが原因抗原となって発症します。羽毛布団の使用などによる発症例には慢性過敏性肺炎の場合が多く、急性症状を伴わないことも多いことから、無自覚に抗原の吸入を繰り返し、適切な治療に至らずに、診断時にはすでに肺の線維化が進行している場合もあります(*3,4,5,6)。

過敏性肺炎の診断には、臨床像、発症環境、免疫学的所見、吸入誘発試験、病理学的所見からなる診断基準が示されています(*7)。このうちの免疫学的所見に含まれる「抗原に対する特異抗体の陽性反応」は、他の細胞反応や細胞数を見る免疫学的所見に比べ簡便でありながら、原因抗原特定の有力な所見の一つとされています(*7)。しかしながら、日本国内においては、これまで体外診断用医薬品として承認された鳥抗原に対する特異的抗体の測定試薬が存在せず、特定の専門施設における実験室レベルでの実施に限定されていたため(*6)、医療現場から日常の保険診療内で簡便に実施が可能な鳥抗原に対する特異的抗体検査が求められてきました(*6,7,8)。

鳥関連過敏性肺炎の診断における原因抗原の特定は、一定期間の入院による抗原回避による症状消失の確認後に、再度発症環境での反応をみる環境誘発試験や、専門の施設の場合には実際に抗原を吸入した後の反応をみる吸入誘発試験が、最も信頼性の高い診断法とされています。しかし、これらの診断法には症状再現率が高くないという問題や、患者さんの身体的負担が大きく、特に吸入誘発試験は患者さんの症状増悪を誘発するリスクがあります。本製品を用いた検査は体外診断の血液検査であるため、人体への侵襲性が低く、また客観的な指標を提供できる、簡便かつ客観的な検査法です。詳細な発症環境調査の判断指標や、専門施設における吸入誘発試験のスクリーニングとしての活用も期待されます。

サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループの代表である室田 博夫は次のように述べています。
「この度、薬事承認を取得したイムノキャップ 特異的IgG 鳥は、これまでは鳥関連過敏性肺炎の診断補助となる体外診断用医薬品が存在しなかったという、医療現場のアンメットニーズに寄与します。私たちのミッションは、私たちの住む世界を『より健康で、より清潔、より安全な場所』にするために、お客様に製品・サービスを提供することです。鳥関連過敏性肺炎の現在の診断フローに本製品が追加されることにより、鳥関連過敏性肺炎のより早期での診断ならびにより適切な治療の推進に貢献できることを確信しています」

■製品概要
一般名称 :免疫グロブリンG単一試験・単一結果用多種抗原キット
販売名 :イムノキャップ 特異的IgG 鳥
測定原理 :蛍光酵素免疫測定(FEIA)法
使用目的 :血清中又は血漿中の鳥抗原に対する特異的免疫
グロブリンG(IgG)の測定(鳥関連過敏性肺炎の診断補助)
承認日 :2020年8月3日
承認番号 :30200EZX00052000
製造販売元:サーモフィッシャーダイアグノスティックス株式会社

【参考文献】
(*1) 宮崎泰成, 稲瀬直彦. 過敏性肺炎の病態と治療の最前線. 日内会誌, 2017: 106: 1212-1220.
(*2) 宮崎泰成. 過敏性肺炎. (編者)滝沢始. 間質性肺炎を極める. 株式会社メジカルビュー社, 2012: 235-242.
(*3) 土屋公威, 稲瀬直彦, I. アレルギー 過敏性肺炎. (編者) 足立満, 笠間毅, アレルギー・リウマチ膠原病診察最新ガイドライン. 総合医学者, 2012: 65-69.
(*4) 宮崎泰成, 稲瀬直彦, V アレルギー性疾患 過敏性肺炎 慢性過敏性肺炎. 別冊 日本臨床 新領域別症候群シリーズNo.35 免疫症候群(II) その他の免疫疾患を含めて. 改訂第2版. 日本臨床社, 2016: 304-308.
(*5) 土屋公威, 稲瀬直彦, V. アレルギー性疾患 過敏性肺炎 鳥関連過敏性肺炎(鳥飼病). 別冊 日本臨床 新領域別症候群シリーズNo.35 免疫症候群(II) その他の免疫疾患を含めて. 改訂第2版. 日本臨床社, 2016: 309-312.
(*6) 稲瀬直彦 他. 鳥関連過敏性肺炎の診断における鳥特異抗体. 日呼吸会誌, 2011: 49: 717-722.
(*7) 稲瀬直彦, 7. 過敏性肺炎の診断と治療. 日内会誌, 2014: 103: 2269-2274.
(*8) 羽白高 他. イムノキャップ特異IgGキットを用いたハト・オウム・セキセイインコIgG抗体値のカットオフ値の検討. (編者) びまん性肺疾患に関する調査研究班. びまん性疾患に関する調査研究 平成21年度研究報告, 2010: 187-189.

■サーモフィッシャーサイエンティフィック インコーポレイテッドについて
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