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電気グルーヴ・ピエール瀧氏の逮捕、狙いは“サブカル界の大物”の逮捕…? 「薬物のどこを問題とするのか」を一連の騒動から考える【久田将義×吉田豪×高野政所】

2019年04月10日12時15分 / 提供:ニコニコニュース

 石野卓球氏とのテクノユニット「電気グルーヴ」他、俳優や声優などマルチな活動で知られているピエール瀧氏が3月12日、コカインを使用したとして、厚生労働省の関東信越厚生局麻薬取締部に逮捕されました。久田将義氏と吉田豪氏がパーソナリティをつとめるニコニコ生放送「タブーなワイドショー」では、この報道を受けて3月23日に「ピエール瀧氏の特集」を放送しました。

 ゲストには、ミュージシャン・DJの高野政所氏が登場。違法薬物事案で逮捕され作品出荷停止の経験のある氏は、メディアに瀧氏への思いを寄稿をし、改めて今回の逮捕についてショックを受けたことを告白。また、海外では大麻が次々と合法化されていく中、自身の逮捕を振り返り「反省したらいいのか、俺は悪いことをしたのかまったくわからない状況になった」と述べ、「薬物のどこを問題とするかを考えるべき」と問題提起しました。
左から久田将義氏、高野政所氏、吉田豪氏。
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ピエール瀧氏逮捕の狙いはサブカル界大物の逮捕?
久田:
 ちょうど僕も同じなんですけれども、この人って51歳くらいですか。

吉田:
 50歳超えのゴリゴリの体育会系ですよ。

久田:
 そっか、野球部だもんね。

吉田:
 ミュージシャン枠の人じゃないですよ。野球部を本気でやって高校野球にも出て、プロテストも受けたぐらいだから、もともとサブカル側の人間じゃないんですよ。体育会系の人間がサブカルに紛れてきたみたいな感じで。

久田:
 演技は『凶悪』ではじめて「すげえな」って思った。一見「はい……」って言っていたのが「コラァ!」って豹変するのがすごかったのが面白いなと思ったんですけれどね。
『凶悪』
(画像はAmazonより)
吉田:
 ちなみにいまだにメディアが気づいていない情報として、『凶悪』のコメンタリーがやばいらしいっていうのがあるんですよ。メディア側は映画は見ていても、コメンタリーまでチェックしていないみたいで。コメンタリーでは監督とリリー・フランキーさん、ピエール瀧の3人で話しているんですけど、シャブが映るシーンでリリーさんが「おい、これ瀧の私物だろ!」って言ってるっていう(笑)。

一同:
 (笑)

高野:
 冗談にしてもそれはすごいな(笑)。

久田:
 当たっちゃってる(笑)。

吉田:
 どこかで記事になっていたんですが、ピエール瀧の逮捕っていうのは、サブカル出身で映画とかCMに出ている大物が実はホシで、そいつを上げようとしているんだ……みたいな記事が出ていて。それを僕がリツイートしたら「みうらじゅんじゃないか」みたいな話が広まっていたんですけれど、明らかにリリーさんのことでしょうって(笑)。

 『SCOOP! 』っていう映画での、リリーさんのシャブ中の演技が上手すぎたんです。あまりにもリアリティがあるシャブ中っぷりで、ボクも「あれは凄すぎますよ」って絶賛してたんですけど。そうしたらリリーさんが実際に記者会見で「この役のために、シャブを打って役作りしました!」って言ったらしいんですよ。
『SCOOP! 』
(画像はSCOOP! | Amazonより)
高野:
 うわあ、笑えない(笑)。

吉田:
 そのコメントもヤバいと思われたのか、CMの話がひとつ飛んだらしくて(笑)。リアリティがありすぎたらしいんですよ。やっていないからこそギャグで言っているのに(笑)。

久田:
 やっていたら言えないだろうな。

吉田:
 こじつけようと思えばいくらでもあるんですよ。『大麻農家の花嫁』という短編小説を書いていたりとか、ジョニー・サンダース【※】のトリビュート盤に参加していたりとか、瀧さんとも仲いいしで。

※ジョニー・サンダース
アメリカ出身のパンクロッカー。ニューヨーク・パンクを創世記から牽引した伝説的なアーティストであるが、薬物の過剰摂取によって38歳で亡くなっている。

 ボクが一週間前くらいに会った時に薬物ギャグを連発しつつ、ボヤきまくっていましたよ(笑)。「俺はやってないんだよ!」って(笑)。

久田:
 新井浩文被告が逮捕された時10月末に TABLOでは、この俳優ヤバイ、と報じていたんですけどね。ピエール瀧容疑者はささやかれていたけど、このタイミングかと思いました。あとは、当局としては次は誰か、売人は? 入手さきは? という点に注目していると思う。

吉田:
 みうらじゅんさんも「インド好きだから大麻くらいやるかも」とか、いろいろこじつけようと思えばこじつけられる。

 (コメントを見て)「町山【※】」って! 町山さんはアメリカで解禁されている大麻をやっている感は全開ですけどね(笑)。あと今回ちょっと話題になった“K子”という女性が『セックス依存症だった私』という本を昔出していて、その中で「ラジオをやっていたテクノの大物グループと交流があって……」とか書いている。

※町山
映画評論家でジャーナリストの町山智浩氏のこと。

高野:
 特定されすぎでしょう(笑)。

吉田:
 その人が最近「週刊新潮」でコメントをしていたりもして、すぐに絶版になっているその本を読んだんです。そしたら、それこそ「石野卓球さんの愛人だった」ぐらいに思われていたのに、全然違っていて。石野卓球さんとの肉体関係もなければ、ピエール瀧に至っては出てすらこない。

 出てくるのは石野卓球さんの弟子の“DJ・T”って人くらい。その人との克明な話は出てきますが……という感じでした。
瀧氏は面白いことをやって成功している“すごい偉大な兄貴”
高野:
 僕はもう電気グルーヴ・チルドレンなので、電気グルーヴがなかったら音楽をやっていないから、悪くは言えないというか……。
『DENKI GROOVE THE MOVIE? ~石野卓球とピエール瀧~』
(画像はAmazonより)
吉田:
 ラジオの影響も音楽の影響も……。

高野:
 全部あるんですよ。だからショックはショックでしたけれどね。

吉田:
 瀧さんはやっている感があまりにも薄かったですからね。

高野:
 テクノは、ドラッグと密接なジャンルと言われて、実際にそうだと思うんです。

吉田:
 “K子”って人も本にはっきり書いていましたね。「テクノのクラブはみんなやっていますよ!」「DJもみんなやっています!」みたいな(笑)

高野:
 そこまでは僕も断定できないですけれども、瀧さんはそういうのを理解することはあっても、する人じゃないのかなと。

吉田:
 運動して酒飲んでというタイプですからね。

高野:
 そっちじゃないかなと思っていたのに、瀧さんが……! というショックで、本当に2日間くらい日付の感覚がなくなりましたからね。いろいろな人と連絡を取ったり、それこそ「原稿を書け」って来たりしましたが、訳がわからなくなっちゃいました。僕ら世代でDJとかテクノとかの音楽をやっている人にとっては絶大な存在だったので。

吉田:
 そっちジャンルからの成功例というかね。

高野:
 そうですね。面白いことをやって成功している、すごい偉大な兄貴みたいな感じで僕らは見ていたので。

吉田:
 ラジオとか一緒に出ていても、やっぱり兄貴感がすごいんですよ。忘年会に3、40人が集まって、それこそ町山さんとか山里(亮太)さん、博多大吉さんとか各界のトップ所の人たちが集まっている中でも、場を支配する能力が圧倒的なんですよ。

 圧倒的な体育会能力で完全に瀧さんがまとめ上げて、瀧さんが盛り上げて。たくさんの星が集まったら、いちばん輝く星はひとつだけなんですよね。町山さんですら輝きがなくなるぐらいで、瀧さんだけが輝く場になっていくのが、とにかくすごいんですよ。

高野:
 キャプテンな感じがします。

久田:
 町山さんの存在感を消しちゃうんですか。それは凄いですね。

高野:
 僕もお会いしたことがあって、TBSラジオで番組をやっていた時に、ゲストで来ていただいた時なんですけれども、特集コーナーで、今まで面白かったレコード紹介みたいなのを瀧さんがしていて。本当にその番組中だけの会話で、終わったらすぐさっさと帰ってしまう感じで、さすがだな~というか。

 俺みたいなファンだったやつと会うのが嫌なんでしょうね。そういう面倒くさい愛情を向けられたくないとかがあるのかもしれないです。

吉田:
 最近の『電気グルーヴのメロン牧場―花嫁は死神』にも書いてあったのが、「ファンです」みたいに言ってくるのは「昔の、ある時期のあなたのファンです」みたいな意味のことが多くて、でも俺たちが求めているのは客だっていう。今でもCDを買っているやつは客だから大事にするけど、「あの頃の作品は良かったですよね」みたいな人に対しては、お前は今は客じゃねえだろ! みたいな。

高野:
 思い入れがありすぎるやつは面倒くさいのかなという感じだったんですけれど、でも瀧さんはすごい面白かったし、超複雑な気分にはなりましたよね。

吉田:
 ハーパービジネスオンラインで、瀧さんと同じような経験をした人間として原稿を書いてましたよね?

高野:
 そうですね。僕がやってきたことって今思い返すと、電気グルーヴが今までやってきたことの縮小再生産でしかないなと思ったんですよ。音楽、DJで卓球さんの要素と瀧さんの要素ってあると思うんですけれど。例えば電気グルーヴは日本にテクノを持ってきたように、僕もインドネシアのファンコットというマイナージャンルがあるんですけれども、それを持ってきたり。

 でもよく考えたら、これって全部電気グルーヴがやったなと思った。ただ、たまたま逮捕だけ僕が先だったので(笑)。 唯一電気グルーヴより先にやったことだったので、なにかコメントをしなきゃいけないのかなと思ったんです。

なぜ取り調べで「20代の頃からやっていた」と白状したのか
高野:
 瀧さんの逮捕で一番驚いたことがあって。捕まった後に警察官の取り調べに対して「20代の頃からやっていた」って言う必要ないんですよ。正直に言うと印象が悪くなって刑が重くなるから、普通は絶対に言わないはずなんですよ。俺も言ってないんですけれども(笑)。

 言わなかったんですけれども、後でLINEとか調べられて「お前、脱法ドラッグはやったことあるな」って。やり取りが全部見られるじゃないですか。それで「……はい」って言って執行猶予が1年伸びちゃったんです。

 だから瀧さんがそこで正直に言ったことがめちゃくちゃ不可解だな、と警察の調べに素直に答えているのを見て思ったんですよね。でも瀧さんは僕にとっては神様みたいな人で、瀧さんは警察を恐れずに言ったのに、俺はなんでビビってそんな隠していたんだろうと思って。

吉田:
 だからこそ政所さんも原稿で、「このタイミングだから、ぶっちゃけていってしまうが、拙書『前科おじさん』の中ですら書かず、警察の取り調べでも言わなかったことだ。正直、僕も20代から大麻を使用していた」と告白したんですね。

高野:
 悩んだんですけれども、原稿で正直に。お二人は、瀧さんがなんで言ったんだと思いますか?

久田:
 相当きつく言われているんだと思いますよ。

吉田:
 「瀧さんは20代からやっていて、なんであんなにコンディションが良かったんですか?」って話になってますけど、「やっぱり若い時に鍛えておくといいのかも」と思ったりして。

高野:
 バランスを取れる人は取れるとは思うんですけれどね。

吉田:
 「容量用法を守ったら意外と大丈夫なんじゃないか説」みたいなね。

高野:
 それに気づいちゃった人が今回は結構いるのかなって。Twitterとかを眺めていると、「大丈夫じゃね?」みたいな流れが。コカインってどんなキマり方をしてどんなに危ないのかって、普通知らないじゃないですか。久田さんは大麻はわかりますよね? 危なかったですか?

久田:
 全然わからないです(笑)。

一同:
 (笑)

高野:
 今回の件はコカインで逮捕だったので、僕はコカインのことは正直わからないですが……そしたら今度は「大麻も」ってなって、ちょっとフィールドに入ってきちゃって、あ~! ってなった感じなんですけれども。

 僕は酒もタバコもやっていなかったんですが、40代になってからというか、出てきてから飲むようになったんですね。お酒がなにがいいかって、やっぱり捕まらないのが一番いい。

吉田:
 これは結構言うんですけれども、やっぱり飲めない人が結構薬物に行きがちで、田代さん【※】も全く飲めなかった。だからみんなでお酒の練習を田代さんに勧めたり。

※田代さん
元タレントの田代まさし氏のこと。現在は薬物依存症のリハビリ関連の活動をしている。

高野:
 今回の瀧さんもそうですが、上手く付き合う人はいると思うんですよ。酒だけを見ても、やっぱりアル中になるって結構なことじゃないですか。
 いくら飲んでも大丈夫な人も、超悪酔いする人もいて。もしかして全部に言えるのことなのかなっていうのは、今回の20代からコカインをやっていたという発言で考えさせられました。

久田:
 今回はマトリ(麻薬取締官)が逮捕したんですが、ワイドショーではマトリと4課が仲が悪いと言われていましたね。でもそうでもないんですよ。最近は仲良くやっているのでマトリの情報も4課の情報も入ってくる。芸能人を捕まえると株が上がるので、これは僕の想像ですけれども、結構強く「おいコラ!」とやられていると思うんですよね。それでその「コラ!」への耐性がないと思うんですよ。

高野:
 それは野球部のめっちゃ怖い先輩とかにやられていそう。

久田:
 いや、警察はもっと怖いですよ。あの迫力で「20代から……」とか言っちゃったのかな。

吉田:
 はっきり言えるのは、“やっていそうな人”を捕まえるよりは“やっていなさそうな人”を捕まえるほうが影響力があるから、だからこそ瀧さんだし、だからこそリリーさんを狙っているって噂が流れるのはあると思うんですね。

久田:
 東スポとかに出てくるシルエットで「ある俳優がやばい」とか入ってくるんですけれども、やっぱり言動がちょっとおかしい人だったりするんですが、ピエールさんはおかしくなかったですよね。全然わからないですよね。
海外では大麻解禁に向かう中、薬物のどこを問題とするのか
吉田:
 今回の報道ですごいモヤモヤしたのは、ピエール瀧は家族にも迷惑かけたんだから離婚すべきみたいな記事があって。

久田:
 それは関係ない。

高野:
 迷惑問題って結構あると思っていて、薬物をこっそり摂取している状態で逮捕されていない状態って、実はそんなに人に迷惑がかかっていないんですよ。逮捕されてから迷惑がかかるんですよね。僕もTBSラジオに迷惑をかけてしまったりとか、メジャーレーベルに迷惑をかけたことはすごい反省しているし謝罪もしたんですけれども。

 僕、留置場に入った時、指二本ないヤクザのおじさんと、オレオレ詐欺のナンバー2で全国で20億円やったみたいな人と、あとドン・キホーテで万引きしたベトナム人と一緒にいたんです。「お兄ちゃん、何やったんだ?」と言われて「僕、ちょっと大麻のほうで……」なんて。「大麻か~、薬物関係は悪いことをやっている自覚も被害者もいないから逮捕されると割に合わないんだよ」って。

 「その点、俺らは人を騙したりお金を盗ったり悪いことをやっている自覚があるから、逮捕されても心の収集がつく」と。悪いことをやって人に迷惑をかけているから、その因果だっていうふうに納得する。「大麻はかわいそうだね、でも兄ちゃんなら20日くらいで出れるから我慢しなよ」みたいなことを言っていて、そうなのかっていう。でも確かに、やっている時は遅刻とかもしていないしなって。

 その中で、世界ではどんどん解禁されていくわけじゃないですか。わからなくなっちゃうんですよね。反省したらいいのか、悪いことをしたのか、まったくわからない状況になって。

吉田:
 大麻なんて何年か後なら問題にならなくなっている可能性すらあるのに。

高野:
 そうかもしれないし。だから薬物のどこを問題とするかというのは考えたほうがいいと思います。

吉田:
 被害者がいないという言い方もむずかしくて、家族とビジネス的な被害者はいるんですよ。

高野:
 そうですね。毎晩コカインを吸って暴れているとかなら、もっと早くバレているし、殴っていたりしたらそれは迷惑じゃないですか。僕のあとに俳優の高知東生さんが捕まって、あの人は20年とか30年ずっとシャブを決めていたんだけど、普通に俳優としてやっていたじゃんっていう。

吉田:
 あの人はしてそうなビジュアルではありましたけれどもね(笑)。

高野:
 それを思っていた時に今回の瀧さんだったので、結構僕も訳がわからなくなってしまって。どうなんですかね。薬物は何が悪いんだろうって。

吉田:
 依存度のリストみたいなのがテレビで出ていたんですけれど、どう考えても酒がやばいっていうことしか伝わらなくて。

高野:
 そう。酒、ニコチンでしたよね。ヘロインがすごくて、下のほうに大麻みたいな(笑)。

吉田:
 酒にも種類があるわけでストロングゼロ系は相当やばいはず。あと、毎回モヤモヤしているのが「反社会勢力の資金源になるから薬物はアウト」的な論調なんですよ。

高野:
 薬物で捕まった人を一斉に叩くじゃないですか。例えば「反社会勢力に資金を渡してることになる」って言うんだけれども、本当にそうなのかっていう。大麻は儲からないらしいですよ。

吉田:
 らしいですね。そもそも自分で栽培している人もいるし、自分で輸入する人もいるし、必ずしも反社会勢力の資金源になるわけじゃない。

高野:
 そう考えると説得力もあまりわからないし。酒も精神にエフェクトがかかるので。それに脱法ドラッグがめちゃくちゃ流行ったじゃないですか。それこそカジュアルにサラリーマンがガンガンやっていた時に、あれってめちゃくちゃ安かったんですよ。それこそ道玄坂の「街のハーブ屋さん」っていう、かわいいところで買ったりとかしていたんですけれども。

 みんな実は、合法ならキマりたいんじゃないの? という。 脱法ドラッグが危険ドラッグになって、今は完璧にダメじゃないですか。その後に酒が強くなるんですよ。ストロングゼロとかが出てくる。根本的に人間はちょっと酩酊したいとかキマりたいんじゃないかなっていうのは思っているんですよね。

久田:
 当時マジックマッシュルームがOKだった時は、売っていましたもんね。

高野:
 売っていまいしたね。

久田:
 僕は思うんですけれども、自分はクラブとかが好きだったんですけれど「コカインをやらないと音楽ができない」みたいなツイートとかをしている人がいたので、それはダサいなと思ったんですよ。

高野:
 それはないと思いますけれどね。

久田:
 音楽ライターの方だったと思うんですけれども。

吉田:
 久保憲司さんですか。

久田:
 たぶんね。

吉田:
 久保憲司さんはまた特殊なんですよ。あの人は海外で、各種ドラッグをほとんどやってきたような人なので、ピエール瀧擁護なわけじゃなくて、ドラッグ擁護をしているというか。そして、音楽ってジャンルによって酒で深く理解できる音楽とか、大麻で深く理解できる音楽、MDMAで深く理解できる音楽、いろいろなものがあって。

 やっぱりレゲエの人に「大麻は絶対やるな」って言ってもしょうがないというか、ボブ・マーリーに「なんでお前、大麻なんかやってるんだよ! ミュージシャン失格」とか怒るようなものというか(笑)。しょうがないでしょうこれは、みたいな。

高野:
 そういうもんだから、と。

久田:
 でもやらないとだめだっていうのは、ダサいよ。入れ墨と同じものだと思っていたので、ヤクザとかに会っても「これは自己満足だから人に見せるもんじゃない」って言うんですよ。それと同じでコカインとかをやっていないとだめだぜっていうのは、同じくらいダサい。

高野:
 ひけらかすことではないですよね。「そうじゃなきゃ作れない」と言うのも、人それぞれだから違うとは思います。

久田:
 やっていい文化を作ったとしても、声高に「やってんだぜ」とか言うのはダサいと思いますよ。つくづく思いましたね。

吉田:
 さすがにみんな声高には言ってないとは思いますけど、久保憲司さんは以前、僕の大好きな比較的真面目なミュージシャンと一緒にドラッグをやったエピソードをイベントで話してて、ちょっとショックを受けました(笑)。

久田:
 それは隠すべきでしょう。いちいち言うことじゃないんじゃない。「やってんだぜ」とか言わないほうがいいですよ。

高野:
 (コメントを見て)「ビートルズもダサいのか」なんて。でもひけらかしてはないですよね。結果そうだった。

久田:
 結果はしょうがないですよ。
「今の日本でやるのは割に合わないから全くおすすめしません」
高野:
 松本人志さんに「ドーピング作品」って言われたじゃないですか。その問題も今回ありますよね。

吉田:
 演技の直前にはキメていないでしょう(笑)。

高野:
 さすがにないと思いますけれども、音楽作品でいいますと配信停止とかという処分。あれはどう思いますか。

久田:
 僕は良くないと思います。

吉田:
 違約金を取るんだったら、金が入るシステムを作れよって思いますよね。

久田:
 そんなこと言えばハリウッド映画はダメなのばかりになっにゃう。マーク・ウォールバーグ【※1】も逮捕歴なかったかな。リバーフェニックス【※2】とか。罪を犯した人の映画がダメなら見られない映画ばかりでしょ。Huluでは『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』を配信していましたが、良い判断です。

※1マーク・ウォールバーグ
アメリカの俳優。主な出演作に『ディパーテッド』、『トランスフォーマー』シリーズなどがある。

※2リバーフェニックス
同じくアメリカの俳優。主な出演作に『スタンド・バイ・ミー』、『旅立ちの時』などがある。

吉田:
 昔、手塚治虫の作品が黒人差別的な表現があるってことで抗議されて一時期発売できなくなったときみたいに、「この作品には差別的な表現がありますが……」みたいな一文をつけることで発売できるようになったじゃないですか。だから「この作者は過去に薬物をやっていました。薬物はこれだけ危険なもので……」みたいな一文を入れるだけで、何も問題はなくなるはずなんですよ。

高野:
 確かに「やらなきゃやばいのが作れない」みたいなのはダサいと思うんです。ドラックをキメればいい音楽が作れるんだったら世話ねえよって。みんなが電気グルーヴになれるはずなので、絶対にそんなことはないと思います。

吉田:
 「瀧さんの奇行」みたいな感じでワイドショーで流れているのって、“日常”のピエール瀧ですからね(笑)。

高野:
 これはドラッグのせいとかではなくて、そういう人なんじゃないかなって(笑)。

吉田:
 「ケンタウロスの格好をしておかしい」みたいな(笑)。

久田:
 ケンタウロスの格好は、デビューしたてのSTU48岡田奈々もさせられていましたし。

高野:
 シラフの人もやる人はいるでしょうっていう。

吉田:
 今にして思えば“シミズケンタウロス”(電気グルーヴのビデオ『ミノタウロス』と『ケンタウロス』がDVD化されたときの、オマケ映像の名称)っていうのもよくできたネタだなって(笑)。

高野:
 僕も作品を止められちゃったんですよね。ユニバーサルミュージックというところから出していたので、担当の人に「すいませんでした。僕はどうしたらいいですか」と言ったら「1年は自粛かな」みたいな。「執行猶予中はそういう仕事は来ないので、おとなしくしていてください」と。

 それが終わって「いつ頃PVとか復帰させてくれるんですかね」って言ったら、「ASKAさんの配信再開のどさくさでやろうと思っています」みたいなことは言っていただけたんですけれども、まだですよね(笑)。もう4年前のことなので、そろそろいいんじゃないかなっていうのもあるんですけど。ユニバーサルさん、見ていたらPVくらいはお願いします。

吉田:
 「大麻ですからね。ヘロインじゃないですからね、世界は解禁に動いていますよ」って(笑)。

高野:
 僕のPVも解禁してくれませんかねって思うんですよね(笑)。

吉田:
 宇多丸さんですら「たかが大麻」って言い方しますからね。

高野:
 されど大麻ですよ。捕まると大変なんですよ。知っていますか?

吉田:
 ボクも高校の講演会に呼ばれたことがあって、芸能人のドラッグ事情についてしゃべってくれって依頼で。ボクはいろいろ薬物で捕まった人のインタビューをしているから、それを話した上で日本ではリスクが高いからやめたほうがいいよって話をしました。

高野:
 割に合わない。

吉田:
 良い、悪いじゃないんですよ。今の日本でやるのは割に合わないから全くおすすめしませんっていう。

高野:
 本当は捕まらないほうがいいんですよ。捕まらないほうがいいって言うと、反感を買いそうですけれども。迷惑をかける時は捕まる時なので。

吉田:
 ちなみにさっきの“K子”という人の本を読んでいてボクがすごい気になったのが、薬物をやってる人の特徴みたいなのがあって。DJは大体やっているし、冬でもTシャツで、時間の感覚がなくなって遅刻をすごいよくする人がそうだ、みたいに書いてあったんですよ。それ、完全に掟ポルシェなんですよね(笑)。

一同:
 (笑)

吉田:
 ボクが知っている限り、どう考えても掟ポルシェなんですよ(笑)。

高野:
 そんなことを言い出したらみんな容疑者ですよ(笑)。

久田:
 スポーツをやっている人は冬でもTシャツ1枚ですからね。

吉田:
 きょうも掟さんがTシャツ1枚で「いつものように冬でも汗だく」みたいにツイートしていると見るたびにハラハラするんですよ。この季節にTシャツ1枚は疑われるよ! って(笑)。あともう一個、薬物が好きな人はスパイスとかも好きでカレーも好きっていう説もあって、それも掟ポルシェだ! って(笑)。

高野:
 でも掟さんが言っていたのは「僕はお金がないからドラッグはできない」って(笑)。リアルだなっていうか(笑)。ドラッグはお金がかかるので、お金がないことでそこに手を出さないっていう。

吉田:
 その結果、ストロングゼロで済んでいる人が日本には相当いるわけですよ。

高野:
 (コメントを見て)「宇多丸さんもカレーが好き」だって(笑)。

吉田:
 宇多丸さんも異常に酒が好きな人だからね。

合法的にキメられる“ストロングゼロミュージック”が爆誕⁉
高野:
 みんなキマりたいんですよね。

吉田:
 合法でキメるかどうかですよ。

高野:
 久田さんはキマりたい時はどうしていますか。

久田:
 酒ですね。

吉田:
 酒と盗聴と?

久田:
 盗聴はやっていない(笑)。

吉田:
 趣味が盗聴なんですよね。

久田:
 してません(笑)。

高野:
 あ、サウナがいいです。サウナは超キマります。めちゃくちゃ暑いサウナに10分とか耐えて水風呂に入って、その後外気浴をすると意識が飛びそうになるんですよ。うわ~キマってるわ~っていう。大麻を吸った俺が言うから間違いないけど、サウナはキマります。

吉田:
 いろいろな人たちが「サウナ最高!」って言っているのは、要はそういうことですよ。

高野:
 日本人のキマりたい欲が今サウナという形で表層化していると思います。

久田:
 合法ですからね。

高野:
 (コメントを見て)「サウナとカレー好きは多いよ」って書いてある(笑)。快楽状態を得たいんですよね。

吉田:
 捕まらないやり方をしましょうっていうことですよね。

久田:
 ストロングゼロはおすすめしないですね。

高野:
 ストロングゼロはマジで危ないですよね。コンビニの平均度数が上がっているじゃないですか。

吉田:
 日本がロシアになっている感があるじゃないですか。政治とかの不満も、とりあえずキツい酒を飲ませておけば「まあいいか」みたいになるような(笑)。

高野:
 12%とかですもんね。9%ですげえって言っていたのに、12%が出てきて。ヒップホップやレゲエがマリファナ、テクノがコカインとかあるじゃないですか。日本は何かのジャンルにストロングゼロをくっつけたらいいのに(笑)。

吉田:
 安い酒に酔ってね(笑)。

高野:
 “ストロングゼロミュージック”というのが出るんじゃないかなと。

吉田:
 合法の。

高野:
 でも死ぬやつが多くて危ないっていう(笑)。

久田:
 裏社会の話になった時に、「裏社会に流れる」みたいなことを言うコメンテーターがいるじゃないですか。それは僕も一応取材しているんですけれども、えぇ? って思うんです。

高野:
 実際そんなことないですよね。

久田:
 大麻はね……。

高野:
 儲かっていないらしいですね。

久田:
 覚醒剤は変動するけど、今はグラム1〜3万あたりですかね。えぇ~? とかって思いますよ。コカインとかはわからないですけれど。たまにそういうコメンテーターとかがいると僕はモヤモヤします。

高野:
 この逮捕って日本の薬物問題を考えるにはいいきっかけになったなと思いましたね。気づかないというか、ああそうかもって思うことがいっぱいあったので。

吉田:
 最近90年代鬼畜文化を振り返るような企画が多くなって、90年代の出版界で薬物が蔓延していたのと無縁じゃないと思いますよ。薬物によってある程度、常識は関係ないみたいな文化がベースにあったから、不謹慎なことも「全然問題ないでしょう」みたいな感じになっていた。

久田:
 青山正明【※】さんという方を僕は尊敬しているんですけれど、逮捕後、原稿発注の際打ち合わせしたんですが、ドラッグ関係の内容への発注は警戒し過ぎな程で顔色変わるんですよね。そうとう当局が怖かったのかな、と。

※青山正明
編集者・ライター。鬼畜系ムック「危ない1号」初代編集長。

高野:
 怯えちゃうというのは?

久田:
 「こういう薬物の原稿を書けない」と。

吉田:
 アウトローな人でもないですからね。インテリな人なので。

久田:
 腹くくってやってたんじゃないの、と思っていただけにちょっとガッカリした。取材してきたヤクザや準暴力団とは違うな、と。

吉田:
 それで言うと、“K子”の本を読んでいたら「私はずっとドラッグをやっているんだけれども、青山正明っていうすごいインテリな人がドラッグはいいと言っていたんだから、インテリの人がいいって言うんだからいいんですよ」みたいなことが書いてあって、怖い! って(笑)。

高野:
 インテリは発言に責任がかなり生じてくるということですね(笑)。

久田:
 僕は椎名誠さんにタイマンを挑んだ青山さんが好きだったんですけれどね。

▼記事化の箇所は31:15から視聴できます▼

久田将義×吉田豪のタブーなワイドショー

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