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パワー不足の小さな拳銃が放った1発の弾丸が800万人の命を奪った!? 『ブローニングM1910』がサラエボで“歴史を変えた”瞬間を解説

2018年11月15日12時30分 / 提供:ニコニコニュース

 アニメ『ルパン三世』の峰不二子も愛用している、今でも世界で愛され続けている銃”ブローニングM1910”。手のひらサイズの銃である”ブローニングM1910”から放たれた銃弾が歴史を変えたことをご存じでしょうか。

 今回紹介する、バーガースさんが投稿した『ゆっくりで見る歴史を変えた武器・兵器【ブローニングM1910】』という動画では、音声読み上げソフトを使用して、同人ゲーム『東方Project』の河城にとり(かわしろにとり)と霧雨魔理沙(きりさめ まりさ)の二人のキャラクターが、歴史を変えた武器“ブローニングM1910”の解説と第一次世界大戦のきっかけとなった、”ブローニングM1910”によって起きた事件”サラエボ事件”の解説を行っています。


スマートな見た目が人気の”ブローニングM1910”
にとり:
 ブローニングM1910は、ジョン・ブローニングが開発したオートマチック・ピストルだよ。

魔理沙:
 ジョン・ブローニングって何者なんだ?

にとり:
 ジョン・ブローニングは、アメリカの天才設計技師だよ。

 今回解説するブローニングM1910の他にも、たくさんの優れた銃を生み出したんだ。ブローニングM1910の特徴の一つは、ブローバック方式といわれる作動方式だよ。

 一般的に、ブローバック方式では、銃弾を発射した時のガスの吹き戻しを使って、倒れた撃鉄を起こし、空薬莢を排出して、新しい銃弾を装填するんだ。

魔理沙:
 結局どういうことだ?

にとり:
 銃弾を撃つには引き金を引くだけでいいようにいろいろな操作を自動でやってくれる方式ってことだね。だからオートマチックといわれるんだ。

魔理沙:
 なるほどな。

にとり:
 ブローニングM1910のもう一つの特徴はストライカー方式といわれる、ばねを使った撃針だよ。

魔理沙:
 撃針ってなんだ?

にとり:
 撃針は銃弾を発射する火薬に点火するのに必要な雷管を叩く鉄の棒だよ。

 撃針は、撃鉄といわれるハンマーをあてて作動させることが多いんだ。

 でも、ストライカー方式では撃針をばねで押して作動させるんだ。

魔理沙:
 それって、どんなメリットがあるんだ?

にとり:
 撃鉄を採用すると、そこがピストルの突起部分となってしまう。だから、いざ撃とうと思って懐からピストルを取り出そうとしたときに服に引っかかることがあるんだ。

魔理沙:
 コンマ一秒を争うかもしれない世界でそんなことが起きればたまったもんじゃないな。

にとり:
 それに、撃鉄をなくしたことで、スマートな見た目になってブローニングM1910が人気になる一因となったよ。

魔理沙:
 やっぱり人気だったんだな。私もこのピストルかっこいいと思ったんだよ。一丁持っておきたいぜ。

にとり:
 うーん、でもブローニングM1910は魔理沙にはあまり向いてないと思うよ。

魔理沙:
 そうなのか。

にとり:
 さっき、ブローニングM1910はブローバック方式を採用してるって言っただろう?

魔理沙:
 そうだな。

にとり:
 この方式が発射ガスが大きい弾を撃つと、銃身からガスが漏れ出て危険な状態になるんだ。

 発射ガスが大きい弾っていうのは、威力の大きい弾ってことだね。

魔理沙:
 ということは、このピストルにはパワーが足りないということか?

にとり:
 そうなるね。

魔理沙:
 弾幕もピストルもパワーだぜ! 私にはふさわしくないな。

にとり:
 やっぱりそういうと思ったよ。

魔理沙:
 で、こんなパワー不足のピストルがどうして大惨事を起こせるだけのパワーを持てるんだ?

にとり:
 それは、ブローニングM1910が使われた場所と人と時代が最悪だったからだよ。

 “ブローニングM1910”はパワーが足りなかったということに、「なんでや普通に死ぬ威力やろ!」「事件を起こすのにパワーは必要ないんだよなぁ」といったコメントが寄せられました。
オーストリアVSセルビア――真逆の特別な日6月28日
にとり:
 ブローニングM1910が世に出回り始めた1910年代初頭、ヨーロッパには、火薬庫といわれるほど情勢不安定な地域があった。

 それは、バルカン半島だよ。

魔理沙:
 そのバルカン半島とやらはなんで火薬庫ってひどい例え方をされたんだ?

にとり:
 自国内のスラブ系民族の分離・独立運動を抑えたいオーストリアと、これに反対するセルビアを筆頭とするスラブ系国家が激しい対立状態にあったんだ。

 特に、1908年のオーストリアによるボスニア・ヘルツェゴヴィナ併合は、セルビアを大いに怒らせた。

 というのも、ボスニア・ヘルツェゴヴィナはスラブ系の民族が住む地域でセルビア人も多かったからなんだ。

魔理沙:
 ここにきてスラブ人の人口を増やしていくのか……。

にとり:
 欲が出てしまったんだね。そういった状況の中、運命の1914年6月28日に事件は起きた。

魔理沙:
 6月28日ってそんな特別な日でもなくないか?

にとり:
 幻想郷、というより、日本人にはあまり馴染みの無い日だね。

 でも、セルビアにとってこの日は中世にコソボの戦いでオスマン帝国に負けて属国となった屈辱の日なんだ。

 一方、オーストリアにとってこの日は皇太子フェルディナント大公夫妻の結婚記念日だったよ。

魔理沙:
 真逆って感じだな。

にとり:
 そしてこの日、大公夫妻はボスニアで軍事演習の視察を終えて州都サラエボで街頭パレードを行うことになっていた。

魔理沙:
 セルビアからしたら、喧嘩を売っているようにしかみえないな。

にとり:
 売られた喧嘩は買う、と判断したセルビアの過激派組織「黒手組(ツルナ・ルカ)」はパレード中の大公を殺そうと、7人の刺客を送り込んだ。

魔理沙:
 大変なことになってきたな……。

にとり:
 しかも、大公はパレードを行う道路に兵隊を配置しなかったよ。

魔理沙:
 どう考えても危ないだろ。何を思って兵隊を使わなかったんだ?

にとり:
 それは、大公の妻ゾフィーの出自に関係があるんだ。

 セルビアにとって屈辱の日に、併合したボスニアでオーストリアのフェルディナント大公夫妻の街頭パレードが行われました。コメント欄では、「なんと間の悪い・・・運命のいたずらだな」「避けようはあったか」といった感想が寄せられました。
なぜ兵隊を配置しなかったのか?
にとり:
 ゾフィーはあまり位の高くない貴族の出身で、宮廷ではフェルディナント大公との結婚は身の程知らずだと思われていた。

 ところが、フェルディナント大公のゾフィーに対する愛は並々ならぬもので、二人はついに結婚するよ。

魔理沙:
 こういう話って本当にあるもんなんだな。

にとり:
 でも、宮廷は二人の結婚を認めたわけじゃなかった。

 二人の結婚式には数々の大諸侯どころか皇帝のフランツ・ヨーゼフ1世までもが欠席したんだ。

魔理沙:
 気に入らなかったとしても普通そこまでするか……。

にとり:
 結婚後も二人は冷遇され続けたよ。

 二人の子供には皇位継承権は認められなかったし、式典や行事で、大公と夫人が同列に座ったり並んだりすることも許されなかったんだ。

 でも、今回のサラエボのパレードでは、オープンカーに並んで座ることを許されたんだ。大公としては、パレードをなるべく開かれたものにして世間に自分の愛する妻をアピールしたかっただろうね。

魔理沙:
 兵隊を配置しなかったのは大公の愛ゆえなんだな。いい話だなあ。

 貴族ではないゾフィーとの結婚は許されず、結婚後も冷遇され続けたフェルディナント大公。コメント欄では、「だからパレードが自国ではなく植民地のボスニア(以下略)で行われたんだよね」といった意見が寄せられ、また、サラエボでのパレードでは並んで座ることを許されたことに、「すごい偶然ダナー」「仕組まれてませんかねぇ?」といった陰謀論を指摘するコメントも。

1914年6月28日に起きた、歴史を変える悲劇的な事件
にとり:
 さて、大公夫妻の車列は駅からサラエボ市庁舎に向かいパレードが始まったよ。

魔理沙:
 民衆にはあたたかく迎えてほしいものだな。

にとり:
 実際、歓迎ムードだったらしいけどね。

 でも、「黒手組」の7人の刺客は車列が通るルートになってるミリャツカ川沿いのアペル河畔通りで待ち構えていたよ。

魔理沙:
 せっかくの大公夫妻の結婚パレードを台無しにしようとする不埒なやつらだな。

にとり:
 ところが、このうち5人は怖気づいて暗殺を実行できなかった。

魔理沙:
 なんじゃそりゃ。

にとり:
 7人は、武器の使い方の訓練を受けていたけど、プロフェッショナルじゃなかったんだ。

魔理沙:
 でも、残りの二人はそうじゃなかったんだろ?

にとり:
 うん。まず動いたのは、ネデリュコ・チャブリノビッチだよ。

 チャブリノビッチは、大公の車を見つけるとごった返す人ごみの中、何とか手榴弾を投げつけた。

魔理沙:
 絶体絶命じゃねーか。

にとり:
 でも、チャブリノビッチは失敗した。

魔理沙:
 なんでだ?

にとり:
 チャブリノビッチは、手榴弾を投げてから起爆するまでの時間差をはかり損ねたんだ。

 大公は、手榴弾を手で払いのけたよ。

魔理沙:
 大公すげーな。ともかく、殺されなくてよかったぜ。

にとり:
 大公は無事だったけど、後続車両に乗っていた大公のお供に怪我人が出たよ。これは、後で重要な意味を持つことになるんだ。

 こうして、チャブリノビッチの暗殺は失敗し、大公夫妻は無事にサラエボ市庁舎に到着した。

魔理沙:
 一安心だな。

にとり:
 市庁舎では、式典が執り行われた。

 サラエボ市長の気も機転も利かないスピーチに大公がブチギレるというハプニングがあったものの何事もなく終わったよ。

魔理沙:
 無事ならよかったぜ。

にとり:
 式典の後、大公は本来また別のところで式典の予定があった。でも、大公は急遽チャブリノビッチの爆弾で負傷したお供を見舞うことにした。ゾフィーもこれについていくことにしたよ。

魔理沙:
 急な予定の変更って嫌な予感しかないぜ……。

にとり:
 大公夫妻は、もともとアペル河畔通りをラテン橋で右折して、フランツ・ヨーゼフ通りに入ることになっていた。

 これが、お見舞いに行くことでアペル河畔通りを直進することになったよ。

魔理沙:
 さっき、お供が怪我したのが重要になってくるって言ったのはこのことなんだな。

にとり:
 一方、アペル河畔通りに送り込まれた刺客の一人にガブリロ・プリンツィプがいたよ。

 プリンツィプはチャブリノビッチの暗殺失敗を察して大公暗殺を半ば諦め、ラテン橋の曲がり角にある店で昼食をとっていた。

魔理沙:
 ちょうどルートが変わるところか。

にとり:
 式典も終わり、大公夫妻は見舞いに出発したよ。

 そして、ラテン橋のある曲がり角を通りかかったとき、とんでもない事実が発覚するんだ。

魔理沙:
 なんだなんだ?

にとり:
 大公夫妻の車のドライバーは予定の変更を知らされていなかったんだ。

魔理沙:
 えぇ……。

にとり:
 大公夫妻の車はラテン橋の曲がり角で立ち往生してしまったよ。

魔理沙:
 そこって、たしか……。

にとり:
 そう、そこには昼食をとっていたガブリロ・プリンツィプがいた。

 プリンツィプは大公夫妻が立ち往生しているのを見つけると店を飛び出し、懐からブローニングM1910を取り出したよ。

魔理沙:
 やっとブローニングM1910が出てきたな。

にとり:
 プリンツィプのブローニングM1910からまず一発目の弾丸が放たれた。この弾丸は、妊娠していたゾフィーの腹を貫いたよ。

魔理沙:
 ゾフィーはどうなってしまうんだ……?

にとり:
 ゾフィーは即死してしまったとみられているよ。続いて、二発目が放たれた。今度は、大公の首のあたりに命中した。

魔理沙:
 大公も……。

にとり:
 大公は、撃たれた後、ゾフィーを気に掛ける言葉を絞り出し、その後は側近にその身を案じられる度に「大事ない」と答えながら死んでしまったそうだよ。

魔理沙:
 せっかくの結婚パレードがこんな悲しい結果に終わるなんて……。

にとり:
 犯行を終えたプリンツィプは周囲の民衆から集団リンチを受けていたところを警察に連行された。その後、獄中で命を落とす。

 これが世にいうサラエボ事件だよ。

 偶然に暗殺を諦めていた刺客の前で、立ち往生してしまったフェルディナント大公夫妻の車。このことについて、「死神が手を引いてるな」といったコメントが。
”サラエボ事件”をきっかけに始まったのは?
にとり:
 オーストリアはこの事件をセルビアの仕業と断定し、1ミリたりとも容認する余地のない最後通牒を突きつけた。

魔理沙:
 戦争になるぞ……。

にとり:
 そのとおりだね。これをきっかけにヨーロッパの大国がすべて参戦した大戦争、第一次世界大戦が始まった。

 この戦争で、800万を超える人が命を落としたよ。

 サラエボで放たれたブローニングM1910の弾丸が結果的に800万人の命を奪ったんだ。

 ブローニングM1910は第一次世界大戦後も世界で使われ続け、派生モデルや後継モデルのM1922、M1955も開発されたよ。

魔理沙:
 時代が変わっても人気は落ちなかったんだな。

にとり:
 特に、日本ではアニメ『ルパン三世』の峰不二子が使うことでも有名なんだ。

魔理沙:
 外の世界じゃ、よくある現象らしいな。

にとり:
 こうして、今でもブローニングM1910は世界で愛され続けているんだ。

 サラエボで放たれた”ブローニングM1910”の弾丸が結果的に800万人の命を奪ってしまいました。コメント欄では、「結局、テロ⇒大量虐殺⇒テロ(現代)かぁ。」といった感想や「第二次大戦も第一次の処理の失敗だから第二次もこの弾丸が生んだ」「ただこの事件がなかったとしても同じようなきっかけで大戦争は起こってただろうけどな」といった意見も寄せられました。

 歴史を変えた銃“ブローニングM1910”と第一次世界大戦の関係をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画をご視聴ください。

▼動画はこちらから視聴できます▼

ゆっくりで見る歴史を変えた武器・兵器【ブローニングM1910】

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