2023年02月23日13時00分 / 提供:マイナビニュース
いわば“お寺のガードマン”として、名だたるお寺の山門でにらみをきかせている仁王像。
筋骨隆々とした力強い姿が印象的ですが、東京藝術大学・彫刻科の卒業生であるみよしんさん(@GOEGOE05)こと、三好桃加さん宅で「オフの日」を過ごす仁王像たちの姿は、そんなイメージを覆すものでした。
ホットケーキ食べました ちょうど隣で乾燥中の仁王像が居たので、見せつけながら食べました。 美味しかったです。(@GOEGOE05より引用)
焼きたてのホットケーキの向こうには、家の中なのに2体の仁王像。勇ましい姿をしている反面、よく見ると左の仁王像はドーナツを持ち、右の仁王像は猫のようにくつろぐ狛犬をなでています。
リラックスモードの仁王像たちといただく、ホットケーキブレイク。ちょっぴりシュールですが、なんだかとっても楽しそうですよね。
この投稿に対し、リプライや引用リツイートでは、「この世界観すきー」「お茶会みたいになってる。狛犬可愛すぎ」「おいおいわしらにもくれよぉ って言ってそう(笑)」と、和気あいあいとした情景に心癒された人からのコメントが相次ぎました。
なかなか見られない光景に目を奪われた人が多かったのか、このツイートは7万件もの「いいね」を獲得(2月22日時点)。ツイ主で、仁王像の制作者でもある三好桃加さんに、制作のテーマなどを聞きました。
○「乾燥中の仁王像」、投稿者に聞いてみた
――仁王像というと怖いイメージもありますが、写真の仁王像は、それぞれどのようなテーマで制作されているのでしょうか。
学生のころから、セグウェイに乗った仁王像や赤子を抱く仁王像などを制作しており、働いていない仏像たちをテーマに「オフの日」というタイトルで現在も制作を続けています。
日常生活の中でどんどん仏教文化が薄れていくことを感じ、少し寂しく思っていたのですが、それは現代の生活が豊かになったことで仏様に祈らなくても生きていける「平和」な世の中になったことを表しているように感じたのです。
仏教文化が薄れ、仏像たちを拝む習慣も少なくなったので、「仏像たちは逆に暇になっただろうな」と思い、「今まで私たちを見守って支えてくれたぶんまで、ゆっくり楽しんで休んでほしい」という願いを込めて、働いてないリラックスした状態の仏像を制作しています。
――乾燥中とのことですが、この後はどのような工程を経て完成となるのでしょうか。
800℃の釜で焼き、焼き上がったら色を塗って完成します。
――製作中の仁王像と一緒のティータイム、どんな気分でしたか?
正直、毎日ご飯を食べる横のスペースに仁王像がいる状態なので、特別感はなく日常でした。ホットケーキはとっても美味しかったです!
――今回の投稿には大きな反響が寄せられましたね。
本当にビックリしています。たくさん温かいお言葉をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。
「家の中に仁王像」「仁王像とホットケーキ」「オフタイムを過ごす仁王像」と、3段構えの意外性が注目を集めた今回の投稿。次回お寺で仁王像を目にしたときは、心の中で日頃の「お勤め」への感謝を伝えたいものです。
ホットケーキ食べました????ちょうど隣で乾燥中の仁王像が居たので、見せつけながら食べました。美味しかったです。 pic.twitter.com/1OZor3nQxB— みよしん (@GOEGOE05) February 10, 2023