2023年02月06日12時00分 / 提供:マイナビニュース
近年、コロナの影響もあってか「接客」も急速に機械化が進んだように思える。
俺たちの「ザ・ビッグ」も前からセルフレジが増えてきていたが、ついに専用の端末を用いて買い物しながら会計を済ませるシステムが導入された。
このシステムにより、レジに並ぶ時間、レジを打つ時間、かごから商品をエコバックなどに移し替える時間が一気に短縮され、非常に便利である。
だがこのシステム、どう見ても「万引きし放題」なのではないか。
「真の意味でキャッシュレスなのか試してみた!」というユーチューバーのノリで万引きするわけにもいかないので、実際は万引きを防止する装置もついているのかもしれない。しかし「レジを一人雇うよりも大量に万引きされた方が安上がり」というノーガード戦法の可能性もゼロではない。
やはり経費で一番高いのは人件費であり、どこの企業もそこを削減したいと思っている。
自分が彼女だと思っている相手が自分のことを「ペイ」と呼んでいるように、我々が生きていくために必要な賃金は雇う側にとっては「無駄な経費」だったりするのだ。
店員との接触が減るというのはコミュ症にとってはありがたい。特に服屋などで店員に声をかけられないよう、スネーク状態でレジを目指してきた人間にとってはなおさらだ。
最近ステルス値にパラメーターを振りすぎて、コンビニでからあげを揚げている店員がレジ前にいる俺に気づかず5分ぐらい棒立ち、という現象が増えてきた。ここで、店員に声をかけられる人間はコミュ症ではない。「俺が声を出すのが先か、お前が気づくのが先か我慢比べと行こうじゃないか」と徹底抗戦の構えである。
セルフレジであればこのような籠城戦はしなくてよいし、店員も勝手に紅に染まっている客を「お待たせしてすみません」と慰める奴にならなくて済む。
○ファミレスでバリバリ働くネコ型ロボット、人類を救うか否か
最近はレジだけではなく、注文から配膳などまで機械化している店舗も少なくない。この機械化を先んじて行ってきたのがガスト・バーミヤン・しゃぶ葉、ジョナサンなどの「すかいらーく」系列ファミレスである。
どうせお前の集落には1店舗もないんだろうと思われたかもしれないが、ガストぐらいあるので見くびらないでほしい。
バーミヤンは昔あった、ジョナサンは第一部で見た。しゃぶ葉は違法薬物の隠語だろうか、直接的すぎるのでもっとぼかしたほうが良いと思う。
このように、田舎の人間は、ない店の話をすると怒るが、ある店の話をしても怒る場合があるので、もう私にはジョイフルの話しかしないでほしい。
Twitterをしている人間なら、一度はおキャット様を模したロボットが人間に給餌をしている面白動物画像を見たことがあると思うが、それこそがすかいらーくが使用している配膳ロボットである。
実は私も先日はじめてガストでおキャット様ロボの実物を見た。こんな田舎までロボ化しているということはすでに全国的にロボになっているに違いないと思ったが、実際にすかいらーくの発表によると、現在2,100店舗にて3,000台のおキャット様ロボが使役されているようだ。
人間を支配する戦力が集まるまでもう少しといったところだろう。今のうちにせいぜいおキャット様に山盛りポテトフライを運ばせていい気になっておきたい。
そう思ったのだが、私の卓には一度もおキャット様ロボは訪れなかった。
識者によると、衝突などを防ぐため入り口やドリンクバーの近く、さらに汁気の多いメニューや、オプションなど面倒な注文の客のところには行かないなどあるらしい。
確かに、おキャット様が人間と衝突してけがをしたり、人間が食う牛チゲとかでやけどをされたりしては一大事なので当然の配慮と言えるだろう。
おキャット様ロボの効果は、配膳の労力が軽減されるだけではないようだ。
まず単純に人間がよりおキャット様が運んできた方がうれしい、というのがある。少なくとも子供には人気のようだが、私だったらそんじょそこらの5歳児より喜ぶ自信がある。
そして「人間に人間を対峙させるとろくなことが起こらない」というのは昔から知られていることである。人間が運んできたものに不手際があれば当然文句を言うし、中には難癖をつける客もいるかもしれない。
しかしおキャット様が運んで来たものであればたとえセミの死骸でも怒る気にはなれない、まして食べられるものを運んできてくれたというなら、もはや賞賛以外ありえない。
実際、特別猫好きでなくても「ロボットに怒っても仕方がない」からか、無駄なクレームが減ったようである。
また私は客として店員と接するのがストレスだが、普通に考えれば店員が客と接する方がストレスなのだ。おキャット様ロボが接客の一部を担当するようになってから、そのストレスがかなり軽減されたそうである。
しかし、人間は良いがおキャット様のストレスは大丈夫だろうか。定期的に産業医によるストレスチェックを行ってほしい。
レジや配膳の機械化により、客、従業員共に便利になったのは確かだろうが、おそらくそのせいで人間はかなり削減されたのではないかと思う。
「AIに仕事を奪われ人間が干される」という未来は思ったよりすぐそこに来ているようだ。