2022年10月26日16時05分 / 提供:マイナビニュース
ソフトバンクは10月26日、電気通信大学、筑波技術大学、九州工業大学、名古屋工業大学の4大学らと共同で、聴覚障がい者の円滑なコミュニケーションを実現する社会基盤の構築に向けて、「一般社団法人手話言語等の多文化共生社会協議会」を設立したと発表した。
現在の社会システムでは、学校やオフィス、病院などでの情報伝達やコミュニケーションは音声言語を前提に構築・運用されている。一方、音声言語が聞こえない人は全世界で約7000万人、国内では約35万人いると言われている。また、聞こえない人の活動を支援する手話通訳士は、国内では約4000人と、聞こえない人の約1%であり、手話通訳を必要とするすべての要望に対応することが困難な状況だ。
同協議会では、聞こえる人と聞こえない人とのコミュニケーションを円滑にするために、共創的なコミュニケーション・プラットフォームの基盤を構築することを目的としている。具体的には、4つの事業「手話言語と音声言語を翻訳し、双方向に伝達するプログラムの研究開発事業」、「プログラムの研究開発および実用化を促進する人材育成事業」、「手話言語と音声言語の双方向コミュニケーションシステムの普及・促進事業」、「その他本協議会の目的を達成するために必要な事業」に取り組む。
2022年11月1日~2027年3月31日を第1フェーズとし、手話言語のデータベースの構築、手話言語の認識率の向上、口話認識の導入、モバイル端末の開発と実用化などに取り組み、全国の自治体の10%以上で利用いただける環境の構築を目指す。また、同協議会に参加する会員企業による自社内コミュニケーションでの実証実験や、自社サービスとしての聞こえない人への支援ツールとしての実験利用を通して、改善点などのフィードバックを研究開発活動に活用していく。
そして、2027年4月1日~2032年3月31日を第2フェーズとし、手話言語翻訳アルゴリズムの研究、手話言語認識と連動した口話認識手法の開発、手話言語から直接音声合成する研究および実用化などに取り組む。全国の自治体の30%以上で利用する環境の構築を目指すとともに、会員企業内においても最終的に実用化へとつなげていく考えだ。
なお、2022年10月18日現在における参加機関は以下の17者だ。
・電気通信大学
・筑波技術大学
・九州工業大学
・名古屋工業大学
・伊藤忠テクノソリューションズ
・エーアイ
・岡山放送
・ギークフィード
・シュアール
・ソフトバンク
・トヨタ自動車
・ユニオンソフトウェアマネイジメント
・北九州市保健福祉局障害福祉部障害福祉企画課
・東京都調布市障害福祉課
・福井県鯖江市社会福祉課
・福岡県飯塚市福祉部社会・障がい者福祉課
・福島県聴覚障害者協会