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標準タイプと何が違う? ランボルギーニ「ウルス ペルフォルマンテ」に試乗!

2022年10月20日11時30分 / 提供:マイナビニュース

ランボルギーニ「ウルス」の高性能バージョン「ペルフォルマンテ」にローマで乗ってきた。ただでさえ高性能なウルスの走りを究極まで突き詰めた新モデルは、とにかく乗って楽しく、驚くほど速く、制御が緻密で、悪路をものともしないスーパースポーツSUVに仕上がっていた。

○極限モードでフルアタック!

ウルス ペルフォルマンテの試乗会場はローマ近郊の「ACIヴァレルンガサーキット」、正式名称は「アウトドローモ・ヴァレルンガ・ピエロ・タルッフィ」だ。「ピエロ・タルッフィ」とは知る人ぞ知る、1950年代にフェラーリやメルセデスで活躍したイタリアの著名なF1ドライバーの名前である。

最初のサーキット走行は、1周約4.1kmのコースを時計回りに4周×3セットというメニューだった。インストラクターの先導車を1台で追走するマンツーマンスタイルだ。4周のうち2周目、3周目がドライブモードを「CORSA」モードに入れてのフルアタック。例えば最終コーナーを抜けたホームストレッチでは、5速のまま210km/h近くまで加速させることができた。

ホームストレッチを抜けると、左、右、左と続く緩い「グランデカーブ」に突っ込んでいく。オーバースピードでスピン→コースアウトしたブラックマークがコース上にたくさん残っているのが見えるので、減速せずにここをクリアするのはちょっと怖い。聞くと、何人かの強者はここをノーブレーキで駆け抜けたとのことなので、もはや尊敬するしかないけれど、そんな極限状態でも根を上げないペルフォルマンテのシャシー性能にも驚くばかりだ。「ウラカン」や「アヴェンタドール」なら当たり前なのかもしれないが、背の高いSUVがそれを軽々とこなしてしまうとは……。

コーナー脱出時には、シフトアップ前に何度かレブリミッターに当ててしまったのだが、これはノーマルに比べてエンジン回転の上がりがはるかに素早いため、と言い訳をしておこう。レーシングスピードで走っていてもコーナーの先がよく見える、というのは背の高いSUVモデルならではのメリットで、今までに経験したことのない新鮮さがある。

センターコンソールにあるレバー形状の「TAMBURO」ドライブモードセレクターは再設計されている。サーキット走行で使う「CORSA」モードでは、アクティブアンチロールバーと最大能力を発揮するダンパーが支えるフラットなコーナリング、高速直進時の安定性、アクラポビッチ製エキゾーストによる豪快な排気音などにより、レーシングカーとしての性格が顕著に現れる。ペルフォルマンテがランボルギーニのスーパースポーツモデルであることの証明だ。

もうひとつのトピックは、ダートトラックでのスポーツ性能を高めるため「RALLY」モードを新たに採用していること。これを試すため、ランボはサーキットの敷地横にある丘に特設のダートコースを用意してくれた。

ペルフォルマンテが装着している「Pゼロ」は、セミスリックの「ピレリPゼロ トロフェオR」をSUVの特性に合わせて進化させ、ドライとウェットの汎用性を向上させたタイヤ。サイズは前輪が285/40R22、後輪が325/35R22だ。

一見するとロード専用に見えるタイヤなので、まさかこのままダートコースに入っていくことになるとは思ってもいなかったのだが、実際に走ってみると、見事にクルマをコントロールできることに驚いた。特に、コーナー出口でアクセルを踏み込み、リアがスライドした時のコントロール性が尋常ではない。

オーバースピード気味にコーナーに侵入すると、瞬間的にアンダーが出て、すぐにリアが外側に滑りだす。そこでカウンターを当ててやると車体が安定し、出口に向かって爆進する。そんな流れなのだが、一連の動きはあっという間に完了する。技術的にみると、フロントホイールステアリングの再キャリブレーションを行うとともに、リアホイールステアリングの介入を早めるという制御が行われていて、ターンインの俊敏性が向上しているようだ。オンロードとオフロードの両モードでリアディファレンシャルのトルクベクタリングが行われているのだが、その効果もはっきりと分かる。

栃木の試験場で体験した初期ウルスのアスファルトとダートでの走り、イタリアの高速道路と北アルプスの雪道とアイスバーン、12人のジャーナリストがリレーしながら日本を1周した「ウルスチャレンジ」、ランボファミリーで走る「GIRO JAPAN」など、さまざまな機会をとらえて乗ってきたウルスというクルマは、ペルフォルマンテの出現によってついに完成形になった。これが今回の試乗会で得た実感だ。すでにかなりのオーダーが入っているようだが製造台数はそれほど多くなさそうなので、購入を検討している人たちはディーラーに急いだほうがいい。

原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら

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