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ウイングアーク1st、コロナ禍で執務スペースを1/10程度に

2021年03月16日11時01分 / 提供:マイナビニュース

ウイングアーク1stは、コロナ禍で在宅勤務にシフトする中、新しいワークスタイルの実現を目指し、“3つの脱”(執務エリア約1,000坪の撤廃、脱ハンコ/ペーパーレス化、新卒採用と研修を完全オンライン化)を実施した。そこで、具体的な施策と背景について、執行役員CFO 管理本部長の藤本泰輔氏と、執行役員 人事・組織文化担当 吉田善幸氏に聞いた。

同社は2016年くらいからテレワークの試行を開始したという。ただ、これは子育てや介護といった家庭の事情を抱えた社員向けの制度で、原則週1回までという制約があった。その後、2018年からはテレワークを利用できる条件を撤廃し、一般社員にも拡大。上長の許可が得られれば、週1回を限度に利用が認められた。ただ、部門によって利用率に格差があり、平均の利用回数は月1回程度だったという。

「テレワークの試行期間中、利用者本人とその上司にヒアリングをした結果、アウトプットは落ちてないという評価だったので、一般社員にも拡大することにしました」(吉田氏)

そこで、2019年からは社長の意向もあり、週1回という制限を撤廃。役員が積極的利用を促したことから、徐々に利用は拡大していったという。

これによって利用率は月2回程度まで拡大。利用する社員も半数程度から8割に広がったという。さらに、2020年の東京オリンピック期間中は出社を控えてほしいという政府の要請もあり、その期間、リモートワークができるように準備を進めていく段階で、新型コロナウイルスの流行が発生した。

同社は緊急事態宣言前の昨年の2月28日から、基本、在宅の勤務体制に移行。この期間も管理部門を中心に10%程度の出社はあったという。

「プリントアウトしなければ仕事ができないといったレガシーな仕事のやり方を変えない限り、利用率は広がらないと思いました。自宅勤務になる前から準備はしており、ノートPCやVPNの環境はある程度整備してあったので、それほど混乱はなかったと思います。ZoomやSlackなどのソフト導入についてはかなりフレキシブルに対応したほうだと思います」と藤本氏は語る。

当初はVPNの回線が足りないといった課題もあったが、すぐに対応したという。

同社は昨年5月末の1回目の緊急事態宣言解除後も、原則リモート勤務は継続した。とくに生産性が落ちることもなかったため、昨年の4月ごろには、リモート兼務でもやっていけるというマネージメントの判断があったという。

「在宅勤務は、当初、やりづらいという意見もありましたが、だんだん慣れ、家でやる便利さというものも感じていきました。お客様もリモートに慣れ、世の中的にリモードでの打ち合わせも許容されていったというのもあります」と、藤本氏は在宅勤務継続の背景を説明しつつ、「コミュニケーションの面でも課題を感じてきました」と、在宅勤務の問題点を挙げた。

また吉田氏は、従来、企業が人材育成の中心においてきたOJTについても、リモート化の難しさがあると語った。

「社員同士関係が構築されている場合は、リモートでも大きな問題はありませんが、部門またぎのコミュニケーションは落ちだという社員のアンケート調査があり、そのギャップをどのように埋めていくかが今後の課題だと思います。また、新しく入ってきた新卒や中途の社員に、どう会社に馴染んでもらうかという点も課題だと思います」(吉田氏)

同社では、在宅勤務を継続する中、オフィスのうち1000坪の執務スペースを10人程度で使用する状況になり、社内からは”もったいない”という意見が出たほか、新型コロナウイルスがすぐに収束する状況でもないことから、今回、東京本社に勤務する約500名の社員の執務エリア約1,000坪をフロアごと撤廃。オープンスペースでのフリーアドレス勤務にし、勤務・勤怠管理制度も一部変更した。

1000坪はオフィススペースの約2/3で、残り1/3には、セミナールームやトレーニングルームもあり、社員の執務スペースは1/10程度になった。

制度面では、 一時的(1カ月以内程度)に帰省した実家、その他滞在先(ワーケション)で、IT環境を整えている前提で、部門長の承認があれば業務を行うことを可としたほか、フレックスタイム制は、今後はコアタイム無しとする方向だという。

また、通勤費は実費精算に変更し、リモート手当(9000円)を創設。また、オフィスを返却したことで不要になった椅子や机は輸送費のみ自己負担で社員に提供したという。
○99%をペーパーレス化

また、同社は販管部門である業務部において、1取引当たり15枚紙を使用していた過程を可能な限りペーパーレスに移行し、99%相当の24.8万枚分の紙の削減を達成した。法務部門では電子契約の導入により、約40%が電子契約に移行、脱ハンコ、ペーパーレス化に取り組んでいる。

コロナ禍で在宅勤務が浸透する中、経理部門だけは出社を余儀なくされ、世間では経理業務を電子化する機運が高まっているが、同社のペーパーレスや脱ハンコの動きはコロナとは関係なく、以前、震災があった際出社できないという経験を持つことから、少しずつ電帳法に対応してきた結果だという。

電帳法対応がうまくいった理由について藤本氏は、「自社のプロダクトを使おうという発想があり、それによってデジタル化が進んだという背景があります。他社の場合、現状のシステムを変えることに対していろいろな抵抗があると思うのですが、弊社ではそれがなかったというのが成功した要因ではないかと思います」と説明した。

一方、営業管理や販売管理において発注書、見積書など紙での対応が残っていたことから、在宅勤務が浸透する中、同社はペーパーレスや脱ハンコに取り組んだ。

具体的には、SVF TransPrintという自社サービスを利用することで紙を配布しないやり方に変更。これにより、99%相当の24.8万枚のペーパーレスを実現したという。

先方から送られてくる書類については、FAXをメールで転送するシステムを利用、郵送の場合はBPOによってDEJIREN(デジレン)で書類をデジタル化し、各担当に転送したという。

契約書もDocusignを利用して約40%が電子契約に移行しているが、顧客の中には、どうしても紙でほしいという人もいるため、その部分だけは紙が残っているという。
○採用や新人研修もオンライン化

さらに同社は、従来、オフラインで実施していた会社説明会、4回の面接、最終面談の採用フローすべてをオンライン化した。オンラインでの説明会や面接には、Web会議ツール「Zoom」を利用。例年実施している約6カ月の導入研修もオンラインのみで行い、2020年10月1日には内定者と役員をZoomでつないだオンライン内定式を実施した。

採用活用のオンライン移行について吉田氏は、「ネガティブな面はなかったと思います。きれいなオフィスを見せられない、人とのコミュニケーションができないなど、当初は懸念もありました。ここ2年の採用に関しては、オンライン化しても質・量ともに維持できています。内定者からは、コロナによって採用のスケジュールがスローダウンする会社が多い中、一回も会わなくても内定をもらえることにポジティブな意見をもっていました。オンラインで早く意思決定ができる点は、学生さんもわれわれもメリットを感じています。1:1で話せば、実際に会って得られる情報とそんなに違いはないと思います。われわれのメリットとしては、地方の学生にもリーチできるという点もあると思います。学生にとっても、交通費を抑えることができるというメリットがあります」と語った。

オンライン化にしても面接時間や回数は増やしていないというが、電話など面接の前後のフォローはかなり綿密にやったという。

最後に、同社のリモート勤務シフトにについて吉田氏は、「リモートであれば、時間を自由に使えるようになります。今後はこういった新しい環境においてもきっちり成果を出していける社員が残っていくのだと思います。管理職も、人にやる気を出させ、成長させられる人が真の管理職になっていくと思います。評価制度も何が正解か答えは見つけられていませんが、より成果の比重が増えていくと思います。ただ、ジョブ型が花盛りですが、弊社がそちらにすぐにシフトすることはないと思います」と語った。

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