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仕事が早くて「生産性を上げられる人」の習慣 /放送作家、戦略的PRコンサルタント・野呂エイシロウ

2021年02月24日07時30分 / 提供:マイナビニュース

公益財団法人日本生産性本部の発表によれば、2019年における日本の時間あたりの労働生産性は47.9ドル。これはOECD(経済協力開発機構)加盟37カ国中21位の数字です。さらに、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、カナダ、日本からなる主要先進7カ国に限れば、データの取得が可能な1970年以降、最下位という状況が続いています。

生産性向上は、日本のビジネスパーソンにとって長きにわたる大きな課題なのです。生産性を上げる、すなわち仕事を早めるためにはどうすべきでしょうか。戦略的PRコンサルタントとして数々の一流企業のPRを手がけ、それこそバリバリとスピーディーに仕事を進める野呂エイシロウさんに、若手ビジネスパーソンに向けたアドバイスをしてもらいました。
○■仕事をする目的意識の欠如が生産性を下げている

——世界的に見て日本の企業はその「生産性の低さ」が問題視されています。その要因はどこにあると思いますか?
野呂 よくいわれることかもしれませんが、日本の企業にはとにかく無駄が多いように思います。たとえば長時間の会議もそのひとつでしょう。はじまるまでに余計な話をして時間がかかるうえ、会議そのものも長いというケースも多いですよね。

もちろん、そういった企業ばかりではありません。たとえば、ある大手通信企業の場合、会議は25分までと決められています。会議室の予約は埋まっていますから、その時間内で絶対に決済をしないといけない。そういった優れた企業も実際には存在します。

それから「なんのために仕事をしているのか」という意識が欠けている人が多いことも生産性を下げている要因でしょう。出世を意識して上司の機嫌を取ることばかり考えている人はいませんか? それでは、本来やるべき業務がはかどるわけもありません。

——たしかに…。でも、社会人としては出世も大事ですよね。
野呂 出世を意識するなら、上司の機嫌を取ることなどではなく「上司を追い抜くにはどうするべきか」と考えたほうがいいと思います。たとえ新人であっても、「上司以上の成果を挙げて、上司を追い抜いてやる!」というふうに意識していれば、必然的に仕事へのモチベーションも上がり、できる限り無駄を排除して最大の成果を挙げる——つまり、生産性を上げられるはずです。
○■自動化できることは限界まで自動化する

——「上司を追い抜くにはどうするべきか」と意識しておくと、具体的にどんな変化が起きますか?
野呂 部下の立場にある人なら、上司や先輩から任された仕事をこなすことがまず求められます。でも、上司を追い抜くにはそれだけでは足りないし、限られた時間のなかでより多くの成果を挙げなければなりません。

そう思えば、「やるべき仕事、やりたい仕事のプロセスに自動化できるものはないか」という意識が働くのではないでしょうか。

少し極端な例かもしれませんが、アメリカの自動車メーカー・テスラには、ほぼ無人化した工場もあります。製造工程のほとんどを自動で行えるのですから、これ以上ないほどの生産性向上策といえるでしょう。もちろん、業種や職種によって自動化できる仕事には限界があります。それでも、自動化できるところはその限界まで自動化することを考えることが大切だと思います。

——それこそ業種や職種によってちがいますが、仕事を自動化するためにできることを教えてください。
野呂 業種や職種を問わずできることとなると、とにかく仕事を早めて自動化してくれる最新のツールはなんでも試してみることですね。誰もが理解できると思うのですが、データの集計・分析をするには、頭やそろばんや電卓で計算するより、表計算ソフトを使ったほうが圧倒的に早いし、それこそ自動化できますよね。

いまは、あらゆるジャンルにおいて仕事を早めてくれるツールがどんどん生まれている時代です。少々のお金がかかったとしても、そういったツールを使って仕事を自動化できて生産性を高められるのなら、そのコストなどあっという間にペイできるはずです。
○■メールに即返信し、睡眠を中心にスケジュールを立てる

——生産性を上げるために、日常のなかで誰もが実践できることは他にありますか?
野呂 ほとんどの人が日常的に使うものとなると、メールが挙げられます。届いたメールに対してどのように返信するかについては、人それぞれにスタイルがあります。それこそ生産性を上げようと、メール作業によって集中力を削がれないようにと「メール作業は○時間ごと」というふうに決めている人もいるでしょう。

もちろんそれで生産性が上がっていれば問題ありませんが、わたしの場合は「即返信スタイル」です。いってみれば、卓球のラリーのようにボールが来たら即打ち返すわけです。

そもそも、仕事の早い人と遅い人がいるといっても、一つひとつの作業にかかる時間は大きく変わりません。どこで差がつくかというと、どんどん「勢い」をつけて仕事を進められるかどうかという点です。社外の人とのつきあいが多いビジネスパーソンなら、1日に100通を超えるメールが届くという人もいるでしょう。

それなのに「あとでまとめて返信しよう」なんて考えていたら、他の仕事をしているうちに時間が足りなくなってしまいかねません。

だからこそ、メールが届いたら即返信するべきです。すると、それが「勢い」を生んでくれます。その結果、あらゆる作業のスピードも上がり、悠長に目の前の仕事を進めている人との差を生んでいくというわけです。しかも、そうすることで「この人はすぐに返信をくれる」と周囲からの評価も上がるというおまけもついてきます。

——なるほど「勢い」ですか。
野呂 ただ、勢いに任せて睡眠時間を削って働くようなことはやめてほしいですね。若いうちはそんな働き方もできるかもしれませんが、そういう時期は長く続きません。長期にわたって生産性を高めて成果を挙げ続けるには、つねにベストコンディションを保つ必要があります。

そのために、「睡眠」をしっかり取ることも重要。睡眠が重要であるのは、疲労解消はもちろんですが、頭のなかの情報を整理してくれる働きがあるからです。だからこそ、しっかりと眠るとすっきりとした頭で朝からフルスロットルで働ける。

寝不足のまま「でも、仕事しなきゃ…」「今日はなにをやるんだっけ…」と無理やり仕事をする人とでは、生産性において大きな差がつくことは明白でしょう。

わたしの場合も、どんなに忙しいときも最低5時間は寝ることにしています。長く働き続けることを思えば、仕事や遊びを優先して残った時間に寝るのではなく、「睡眠時間を先に確保してスケジュールを立てる習慣」を身につけておきましょう。それもまた、ビジネスにおける大切な戦略です。
○■ゴールを知ることなしに、仕事はできない

——確かにそのとおりかもしれませんね。
野呂 先ほど、「仕事の早い人でも遅い人でも、一つひとつの作業にかかる時間は大きく変わらない」といいましたが、仕事そのものの無駄を省いてスピードを上げることももちろん大切です。そのために重要となるのは、まず「ゴールを知る」ことです。夕飯をつくろうと思ったら、まずなにをしますか?

――食べたいメニューを決めますね。
野呂 そうです。つくるものというゴールが決まっていないのに料理はできません。でも、カレーをつくろうと決めたなら、必要な材料や道具、やるべき作業は自然に見えてくる。そこまでいけば「無駄な調理工程はないか」とさらなる時短のための方策を考えることもできます。

ところが、料理とちがって、仕事となるとゴールがわからないままではじめる人が意外なほど多いのです。するとどういうことが起きるかは目に見えていますよね? メニューを決めずになんとなくつくりはじめた料理と同じように、ゴールがわからないままはじめた仕事がまわりに評価されることなどあり得ないでしょう。

また、そのことと関連することに、「最初から完璧を目指そう」とする人が多いことも問題だと感じています。

――それはどういうことでしょう?
野呂 たとえば、企画会議に臨むにあたって、誰にも相談することなく徹底的につくり込んだ企画書を用意するといったことです。でも、その企画がまったく見当ちがいのものだったとしたら当然、ボツになる。誰もカレーを食べたいと思っていないのに、カレーをつくっても評価されません。

そうして、本人だけが完璧だと思っている企画書の作成にあてた長い時間はまったくの無駄になってしまいます。

そうではなく、2割や3割ができた段階で上司や先輩に一度相談すればいいのです。「おもしろそうだね!」といってもらえたらそのまま進めればいいし、「これはちょっとちがうな…」といわれたなら別の企画を考えればいい。そうすれば、会社や上司が求めるものを把握しないまま無駄な仕事に無駄な労力を注ぐという大きなロスを避けることができます。

――日本人はそのあたりが下手なのかもしれませんね。
野呂 完璧主義者が多いのかもしれませんが、「効率よく」と考えれば、たいした相談もなしに最後まで進めてしまうよりも、途中で評価や意見をもらいながらゴールを目指すほうがスピードもクオリティも上がるでしょう。
○■リモートワークにおいて生産性を上げるには?

——ただ、コロナ禍によってリモートワークをしている人の場合、上司や先輩に相談しにくくなっていることも考えられます。いわゆる、メンターが自分のそばにいないのは若い人たちにとって悩ましいことかもしれません。
野呂 そんなことはあまり意識しないほうがいいと思いますよ。チャットなどでどんどん相談すればいい。上司からしても、なんの相談もないまま見当ちがいの仕事をされることのほうがよほど迷惑でしょう?

若い人も、自分が上司や先輩の立場になればわかるはずです。逐一相談してくる部下や後輩に対して嫌悪感や怒りを抱く人などほとんどいません。むしろ「マメだなあ」「しっりしているなあ」と好印象を持つでしょう。もし上司や先輩が本当に迷惑に感じるほど頻繁に連絡をしていたとしたら、本人たちがそう指摘してくれるはず。「そこまでマメに聞かなくていいよ」って…(苦笑)。そういう指摘を受けたら、連絡の頻度のさじ加減を考えればいいだけのことです。

——他にリモートワークにおけるアドバイスはありますか?
野呂 在宅で仕事をすることになり、いいデスクや椅子を自宅にそろえようと考えた人はいませんか? 生産性を上げるためには環境を整えることも重要だと思うかもしれませんが、わたしは真逆の考えを持っています。なぜなら、いまは決まった環境だけで仕事する時代ではないからです。

職場や自宅はもちろん、外出先で仕事をすることもあるでしょう。そうして環境が変わるたびに、「どうもやりにくいな…」なんて思っていては、仕事がはかどるわけもありません。どんな場所や環境でも、バリバリと仕事をできる人が求められている時代なのです。

——ちなみに、野呂さんの仕事場はどんな感じですか?
野呂 コワーキングスペースも借りていますのでそこで仕事する機会もありますが、わたしの自宅にあるデスクは7000円くらいの安物ですし、椅子はかなりむかしに近所で買ったボロボロのもの。しかも、それらを使わずソファや床で仕事をすることもめずらしくありません。

わたしの仕事環境を取材したいというオファーもけっこうもらうのですが、その実情を話すとすぐに取材の話は見送られますけどね(笑)。

構成/岩川悟(合同会社スリップストリーム) 取材・文/清家茂樹 写真/塚原孝顕

野呂エイシロウ のろえいしろう 1967年、愛知県に生まれる。愛知工業大学在籍中に、学生起業家として活躍後、雑誌編集者に。『天才・たけしの元気出るテレビ』で放送作家としての活動を開始し、『ザ!鉄腕!DASH!!』『特命リサーチ200X』『奇跡体験!アンビリバボー』『ズームイン!! SUPER』といった数々の人気番組を手掛ける。30歳のとき、大手広告代理店に誘われたのがきっかけで戦略的PRコンサルタントへ転身。TV番組をヒットさせるノウハウを企業PRに生かすなど独自の手腕を発揮。これまでに、大手広告代理店をはじめ、150社以上と契約。自動車会社、家電メーカー、飲食チェーン店、飲料メーカー、学習塾、金融など、分野は多岐に渡る。『考えなくてもうまくいく人の習慣』(ワニブックス)、『入社1年目から差がついていた! 行動が早い人の仕事と生活の習慣』(すばる舎)、『「話のおもしろい人」の法則』(アスコム)、『プレスリリースはラブレター テレビを完全攻略する戦略的PR術』(万来舎)など、著書多数。
『成功を決めるのは才能よりも運』(大和書房) この監修者の記事一覧はこちら

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