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成果を上げながら定時で帰る仕事術 第88回 ビジネスにおいては「答え」より「問い」が大事と心得よう

2021年02月12日07時30分 / 提供:マイナビニュース

本連載の第87回では「『テレハーフ』にはどのようなメリットがあるのか」と題し、小池都知事が提唱された新しい働き方の概念のメリットをお伝えしました。今回はビジネスマンとして小手先のテクニックではなく、良い仕事をするための肝である「問い」についてお話します。

ここ最近、テレビをつけるとクイズ番組を見かけない日はないのでは、というくらい多くのクイズ番組があるようです。現役の東大生が芸能人と対決するものや、クイズの答えを間違ったゲストが5歳の女の子のキャラにお叱りを受けるものなど多種多様なものがあります。このように運営から出された問題に対して正解を当てるクイズはエンターテインメントとして純粋に面白いと思いますし、個人的には好きなジャンルの番組です。

クイズのように「誰かに与えられた問いに対して正解を答えること」は、最近は変わりつつあるようですが従来の偏差値重視の学校教育でも重要視されてきていました。それは変化の種類や振れ幅、頻度が少ない社会であれば効率的に物事を進める上で役に立つことでしょう。

なぜなら変化そのもののインパクトや複雑性などが小さければ、それらの変化自体や自社への影響を読み切れる賢い人が随時適切な答えるべき「問い」を設定できるので、他の人はその「正解」を探ることに注力すれば上手くいく可能性を上げられるからです。

しかし、ご存知のとおり今は目まぐるしい変化、それもインパクトの大きな変化が頻繁に起きています。すぐに思い出されるのは2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災、2016年のイギリスの国民投票でのEU離脱派の勝利とアメリカでのトランプ氏の大統領選の勝利、そして昨年からのパンデミックなどがあります。

さらにはこうした目立つ事柄に加えて、スマートフォンとSNSによる人々のコミュニケーション方法の転換、現金決済から非接触型決済への移行、SDGs(持続可能な開発目標)の浸透などの社会やテクノロジーの進歩にも目を配る必要があります。

今の社会では、そうした多種多様な変化によってそれまで常識とされてきたことが、ある日を境に非常識に転換するということが度々発生しています。例えば、2011年には620万人しかいなかった訪日外国人は2019年には3188万人と5倍以上に増えて、日本の観光や旅客、宿泊、百貨店などの業界ではインバウンド需要が大幅に伸びて活況を呈していました。これはこれで大きな変化でしたし、企業によっては「如何にインバウンド需要を取り込んで自社の成長に繋げるか?」という問いに答えることが最優先課題だったというところも多かったのではないでしょうか。

しかし、コロナ禍によってインバウンド需要は一瞬にして蒸発してしまいました。それによってインバウンド需要を取り込もうと必死だった企業の多くは経営方針の180度転換を余儀なくされたのです。当然、それによって答えるべき問いも自ずと変わったはずです。

このように環境の変化が著しい世の中では与えられた問いに対して正解を探ることより、環境の変化を捉えながら自分自身で問いを立てる力の方が重要になっていると考えます。

しかし、ここまで読まれた方の中には「問いが重要なのはわかったけど、答えが間違っていたら元も子もないから問いより答えの方が重要というのはおかしいのではないか」と考える方もいらっしゃるかと思います。そこで、この点についてパターン分けして考えてみることにします。
○パターン1. 「問い」と「答え」が共に適切な場合

環境の変化を上手く捉えて自社や自分自身が今、答えるべき「問い」を適切に立てた上で、その「答え」も適切であるという場合です。このパターンについては言うまでもなく「問い」と「答え」が適切であれば文句のつけようがないのですが、「その問いと答えは本当に適切なのか?」と客観的かつ批判的に問い続けることが重要です。
○パターン2. 「問い」は適切だが「答え」が誤っている場合

情勢の変化を踏まえた適切な「問い」を設定できたものの、その「答え」を誤ってしまうパターンです。

このパターンは「答え」が誤っている以上、それに基づいた意思決定や行動は望ましい結果を生まないことが予想されます。しかし、これは解くべき問いが分かっているので、答えを導く論理展開や使用データなどの誤りに気が付くことはさほど難しくはないでしょうし、早めに修正することが比較的容易なのでまだマシと言えます。
○パターン3. 「問い」は不適切だが「答え」が適切な場合

実は最も厄介なのがこのパターンです。なまじっか設定した「問い」への「答え」が適切なだけに、意思決定の結果が上手くいかなくても原因究明に手間取ることがよくあります。「この問いに対する答えは、どこか間違っているのではないか」とどれだけ議論しても一向に進展しないからです。

そしてさらにまずいのが「答えは間違っていないはずなので、この方向でさらに突き進むしかない」という判断を下してしまうことです。そもそも「問い」の設定自体が誤っているのではないかと疑問を呈するのは勇気が要ることかもしれませんが、前に進むために思い切って疑問をぶつけてみましょう。
○パターン4. 「問い」も「答え」も不適切な場合

このパターンは「問い」そのものが不適切な上に「答え」も誤っているので救いようがないと思われるかもしれませんが、それでもパターン3よりは幾分かマシです。

なぜなら、「問い」に対する「答え」が間違っている場合には、「問い」のみが不適切な場合より気が付きやすく、意思決定や行動の修正に移るタイミングが早くなるからです。もちろん設定した「問い」が適切かどうかについても問い直さなければならないという点ではハードルが高い点には留意する必要があります。

以上、4つのパターンごとに見てきましたが、やはり「答えが合っているかどうか」を検証すること以上に「問いが適切かどうか」を見定めることの方が重要ということがお分かりいただけましたでしょうか。組織や個人が抱える課題を解決する際に、そもそも「問い」をどう設定するかを熟考し、立てた「問い」についても適切かどうかを見極めることに比重を置いて仕事を進めてみてはいかがでしょうか。

相原秀哉 あいはらひでや 株式会社ビジネスウォリアーズ代表取締役 慶應義塾大学大学院修了後、IBMビジネスコンサルティングサービス(現日本IBM)入社。グローバルスタンダードの業務改革手法、Lean Six Sigmaを活用したコンサルティングを得意とし、2012年に日本IBMで初めて同手法の伝道師 "Lean Master"に 認定される。その後、幅広い組織や個人の生産性向上に寄与するべく独立。生産性向上による働き方改革コンサルティングや、コンサルティングスキルを実践形式で学べるビジネスブートキャンプを手掛ける。著書に『リモートワーク段取り仕事術』(明日香出版社)がある。 この著者の記事一覧はこちら

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