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中央線「昭和グルメ」を巡る 第64回 住宅街に佇むクラシック喫茶「珈琲ギャラリー ベアトリーチェ」(豊田)

2021年02月02日11時00分 / 提供:マイナビニュース

いまなお昭和の雰囲気を残す中央線沿線の穴場スポットを、ご自身も中央線人間である作家・書評家の印南敦史さんがご紹介。喫茶店から食堂まで、沿線ならではの個性的なお店が続々と登場します。今回は、豊田の喫茶店「珈琲ギャラリー ベアトリーチェ」です。

○ゴージャスな空間でいただく珈琲に癒される

立川から2つ先の豊田駅。北口を出て目の前の大通りを進むと、時間がゆったりと流れていることに気づきます。どこの駅前にもありそうなチェーン店、あるいは個人店舗もそこそこあるものの、雑然としてはいなくて落ち着いているのです。

だから、のんびり歩いているだけで、気持ちが安らいでいくことがわかります。地味なんだけれど、地味だからこそ、いい街だなぁと感じさせてくれるというか。

数分進んで「多摩平交番前」という信号を左折すると、左側には緑に包まれた公園。そのはす向かいに、コーヒーカップとポット、そして猫の装飾が目を引くお店が現れます。

よく見れば、二階の窓辺にはワニとホワイトタイガーもいるので、どことなくシュールではあります。しかし、不思議と引きつけられる“なにか”を感じさせるのも事実。そんな気になるお店が、今回お邪魔した「珈琲ギャラリー ベアトリーチェ」です。

ドアを開けると左奥にカウンターがあり、中央から右側がテーブル席になっています。外観からイメージしていたほど広く感じなかったのは、席数が意外と多いせいかもしれません。

それにしても驚かされるのは、徹底した内装です。ビロード張りのソファ、レースのカーテン、シャンデリア、白鳥の置物、絵画などなど、そこにあるすべてのものがゴージャスそのもの。

こういう路線って、ともすると悪趣味になってしまいがちじゃないですか。中途半端だと、途端にバランスが崩れてしまうわけです。ところがこのお店の場合、ブレがないのです。

だから、ちっともゴージャスではない僕のような人間さえ、無理なく受け入れてくれるような居心地のよさがあるのです。気に入ったかも。

メニューを見てみると、「珈琲ギャラリー」と銘打っているだけあってコーヒーがとても充実していることがわかります。しかも飲み物には、すべてアルカリイオン水が使われているのだとか。

必要以上にアピールしているわけではないものの、押さえるべきところはしっかり抑えているといった印象があり、好感が持てます。

そこで、「当店オリジナル、ソフトなブレンド」と書かれている「ベアトリーチェブレンド」をオーダーしてみました。オリジナルブレンドには、そのお店の個性がいちばん表れるものですからね。

当然のことながら、流れるBGMはクラシック。会話の邪魔にならない程度の音量なので、昔のクラシック喫茶やジャズ喫茶にあったような息苦しさはまったくありません。

そんなせいもあってか、また多摩地区の住宅街の一角というロケーションも影響してか、お客さんの大半は常連さんのよう。さっきまでママさんと会話をしていた常連さんが出ていったかと思えば、ほどなく別の常連さんが来店。少し時間を変えて、その人と待ち合わせをしていたらしいもうひとりの常連さんも加わります。

やがてその人たちは、カウンターのママさんも交えて、なぜか高校野球の話を。「ちっともクラシックっぽくじゃないじゃん」とも思ったりもしたけれど、そんなローカル感がまたいい感じです。

さて、これまたゴージャスなカップに入って登場した「ベアトリーチェブレンド」は、たしかにソフトな味わい。決して主張が強いわけではありませんが、適度な深みもあり、とても飲みやすいブレンドでした。

お会計の際にお聞きしてみたら、開店は1980年だそうです。つまり、今年で41年目ということになるんですね。長く続けていると、だんだんコンセプトがずれていったりするものですが、ここは守るべきところを守り通している印象があります。

ちなみに定期的にライブも行っているようで、帰宅後に調べてみたら、昔おつきあいのあったボサ・ノヴァ・シンガーの名前も発見。不思議なところで人脈がつながるものだなぁ。

豊田は用事でもない限り降りる機会のない駅ですが、「このお店だったら、あえて電車で通ってでも常連になりたい気がするな」と感じたりもしたのでした。

●珈琲ギャラリー ベアトリーチェ
住所:東京都日野市多摩平1-6-4
営業時間:10:00~20:00
定休日:日曜日

印南敦史 作家、書評家。1962年東京生まれ。音楽ライター、音楽雑誌編集長を経て独立。現在は書評家として月間50本以上の書評を執筆。ベストセラー『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)を筆頭に、『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)、『読書に学んだライフハック――「仕事」「生活」「心」人生の質を高める25の習慣』(サンガ)ほか著書多数。12月14日発売の最新刊は『それはきっと必要ない: 年間500本書評を書く人の「捨てる」技術』(誠文堂新光社)。6月8日「書評執筆本数日本一」に認定。 この著者の記事一覧はこちら

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