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サラリーマンが知っておきたい世界情勢による生活の変化 第6回 サイバー戦争が日常生活へ与える影響

2021年01月22日06時03分 / 提供:マイナビニュース

皆さんは"戦争"という言葉を聞いてどう思うだろうか。戦争は世界史や日本史で学んだな~とか、世界は戦争や紛争が起こっているな~とか思い浮かべるだろうが、なんか遠いことのように思う人は大半だろう。

○戦争はサイバー空間と宇宙空間へ

しかし、時代の流れとともに戦争という言葉の意味も変わっている。戦争というと国と国が陸や海、空を舞台に武力でやり合うとのイメージであるが、近年の科学技術の発展によって、国同士が争う新しい場所が生まれている。

それは、サイバー空間と宇宙空間である。近年、米国と中国の対立が深まっているが、両国やロシアなどは宇宙空間の利用を巡って競い合っている。しかし、宇宙空間を舞台とする国家間戦争は一般市民からは少し遠い話のように感じる。
○サイバー攻撃の現実

だが、サイバー空間を巡る国家間の戦争は日常生活を送る庶民にとっても身近な話だ。例えば、日本は米国との同盟関係上、中国やロシア、北朝鮮などからサイバー攻撃を常に仕掛けられており、防衛省が刊行する「防衛白書」でも危険性が指摘されている。被害が出ないとメディアで報道されないため、ピンと来ないかもしれないが、回数としてはバンバン実行されているのだ。

そして、自衛隊と違い、中国やロシア、北朝鮮はサイバー特殊部隊を積極的に育成し、日本政府が持つ機密事項など重要な情報、それに関連する民間企業や著名人が持つ情報などをハッキングし、それを基に国の外交や国防戦略を構築しようとしているのだ。

リスクはそれだけではない。特に、中国やロシアはネット上に公開されている特定人物のアドレスへメールを送り、今後一回会いましょうとか一緒にご飯を食べましょうとか誘い、そこから重要な情報を聞き取りだそうとする。

また、ネット上の情報から専門家が集まる会合などに積極的に足を運び、フレンドリーに日本語で話しかけては名刺交換をし、親しい関係を作ろうとする。大胆かつ用意周到な行動を取る。こういったことは東京六本木や赤坂、永田町などでも実際起こっており、筆者も経験したことが何度かある。

サイバー空間を利用した国家間の争いは、昔と違い民間企業や一般市民を巻き込み、非常に多様で身近なものになっているのである。
○東京2020とロシア

最後に、こういった現実に照らせば、開催の是非が叫ばれているものの、夏の東京2020はサイバー攻撃の格好の標的となる。特に、ロシアは最近になって国家としてオリンピックに参加できないことになり、国家としての名誉が傷ついたことは間違いないだろう。

ロシアにとってオリンピック除外は面白くなく、それを標的としたサイバー攻撃を活発化させる可能性がある。日本政府や中央省庁など国家機関だけでなく、東京都や日本オリンピック委員会(JOC)、また開催関連企業へのサイバー攻撃も十分に考えられる。

現在、日本は新型コロナウイルスの感染拡大をどう封じ込めるかで精一杯であるが、東京2020を開催するとなれば身近なリスクになったサイバー戦争を十分に意識しないといけない。

イルカくん 世界情勢を専門とする研究者・ジャーナリスト。普段世界で何が起こっているかをチェックし、分析記事を執筆している。 この著者の記事一覧はこちら

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