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医療現場でもマスクなどで確実に感染リスクを下げられる - 近大が算出

2021年01月12日18時44分 / 提供:マイナビニュース

近畿大学は、医療現場における新型コロナウイルス感染症のリスクを、飛沫感染、接触感染、空気感染などの感染経路別に推算するモデルを構築し、経路別の感染リスクを算出したことを発表した。また合わせて、サージカルマスク、フェイスシールド、換気などの感染予防策を行った場合の効果も評価し、患者と医療従事者が近接する状況においては、飛沫感染が主な感染経路であり、次に接触感染であることが判明したと発表した。

同成果は、同大学医学部 環境医学・行動科学教室の東賢一准教授らの研究チームによるもの。詳細は、環境衛生学分野の国際学術誌「Environment International」に掲載された。

新型コロナウイルス感染症における人から人への二次感染では、感染経路を明らかにし、より効果的な予防策を講じることが極めて重要とされる。つまり、環境ごとに飛沫感染、接触感染、空気感染といった経路ごとの感染リスクを算出して比較できれば、その場ではどの感染経路に最も注意すればいいのかが数値的にわかり、より効果的な対策を採ることが可能になる。

そこで東准教授らの研究チームは今回、医療従事者が新型コロナウイルス感染症患者と接触した時間や回数の違いによる感染リスクを、サージカルマスクやフェイスシールドを使用した場合など、複数の条件ごとにシミュレーションして計算を行った。医療従事者と患者が0.6mという近接する状況においてシミュレーションは行われた。

そして想定された感染経路は以下の通りだ。

患者と近接時に、患者の咳や会話によって発生した飛沫を直接吸入することによる感染
飛沫が顔の粘膜に直接付着することによる感染
飛沫が患者付近の物体の表面に付着し、表面を手で触って付着したウイルスが手に付き、その手で顔の粘膜に触ることによる接触感染
手に直接飛沫が付着し、その手で顔の粘膜を触ることによる接触感染
病室において患者と同室時、患者の呼吸や咳、会話によって発生した飛沫核を吸入することによる空気感染

また条件として、医療従事者が1日の間に1名の患者と中程度の接触(1分間の接触を20回)をした場合と、長い接触(10分間の接触を6回、うち会話を30分間)をした場合の2パターンでそれぞれ計算が行われた。

想定したすべての経路の感染リスクに対する各経路の寄与率を求めたところ、患者の唾液中のウイルス濃度によって大きく変化することが判明(唾液中濃度が高くなると接触感染の寄与率が上昇)。そこで、患者の多くが該当すると考えられる唾液中ウイルス濃度の場合を見てみると、飛沫が顔の粘膜に直接付着することによる感染のリスクが60%~86%と最も高いことが確認された。

次に寄与率が高かったのは、汚染表面からの接触感染のリスクで、9%~32%だった。なお、接触時間が長く、手洗いの頻度が少ない場合は、中程度の接触時間で、手洗いの頻度が多い場合に比べて、接触感染のリスクの寄与率が高くなることもわかったという。

また、まれなケースとして患者の唾液中のウイルスが非常に高濃度で、下気道における感染リスクを高く見積もった場合は、飛沫核による空気感染のリスクの寄与が5%~27%まで上昇することも導き出された。

以上の結果から、飛沫感染が主な感染経路で、接触感染のリスクもあり、まれに空気感染の可能性もあるという、従来考えられてきた感染経路と同様の結果が得られ、それらを数値でより明確に示すことに成功した形だ。

そして、個人防護具などによる対策の効果(感染リスクの低減)については、以下の通りとなった。

医療従事者がサージカルマスクを着用した場合:63~64%低減
医療従事者がフェイスシールドをした場合:97~98%低減
医療従事者がサージカルマスクとフェイスシールドを両方着用した場合:99.9%以上低減
●患者がサージカルマスクを着用した場合:99.99%以上低減(★)
患者がサージカルマスクを着用したうえで換気回数を2回/時から6回/時に増やした場合:★のさらに半分以下に低減

以上のことから、医療現場では医療従事者がサージカルマスクやフェイスシールドを着用することの有効性と、患者がサージカルマスクを着用すること、換気を適正に保つことの重要性が数字で明確に示された形となった。

なお今回の研究では、医療機関の患者と医療従事者の二次感染が対象となっているが、接客を伴う飲食や介護の現場など、人と人が近接する同様の場面での二次感染にもおおよそ当てはまるとし、他業界での感染対策への応用も期待されるとしている。

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