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PCテクノロジートレンド 2021 - GPU編

2021年01月03日08時01分 / 提供:マイナビニュース

●Ampere派生モデルでコンシューマGPU拡充を図るNVIDIA
新年の幕開けに、パーソナルコンピュータのハードウェア技術の動向を占う「PCテクノロジートレンド」をお届けする。本稿はGPU編だ。NVIDIAのAmpere、AMDのRDNA 2が盛り上がった昨年。2021年は後継としてNVIDIAのHopper、AMDのRDNA 3が投入されると見られるが、ここでIntelがディスクリートのXe GPUを立ち上げて競争に参加しそうな状況である。

***
NVIDIA GPU

2020年はAmpereアーキテクチャを2種類に分ける、という技でデータセンター向けのA100とコンシューマ向けにGeForce RTX 3000シリーズを投入してきたNVIDIA。A100に関しては多分次の世代まで進展はないだろうが、コンシューマ向けはもうちょっと追加製品が出てくる可能性がある。というのは、その前のTuringの世代の場合

TU102:Titan RTX、GeForce RTX 2080 Ti
TU104:GeForce RTX 2080/2080 Super/2070 Super
TU106:GeForce RTX 2070/2060/2060 Super/GeForce GTX 1650
TU116:GeForce GTX 1660 Ti/1660 Super/1660/1650
TU117:GeForce GTX 1650

と5種類のコアが存在した(*1)。ところがAmpereの場合

GA100:NVIDIA A100
GA102:GeForce RTX 3080/3090
GA104:GeForce RTX 3070/3060Ti

のみである。GA100を別扱いにすると、派生型が2種類しかないのはちょっと少ない気がする。多分このあと、よりCUDA Coreを減らしたGA106とかGA107が出てきても不思議ではないし、出てきそうな気がする。もともと当初からGeForce RTX 3050なんて型番も聞こえてきていたし、3060がTiのみというのも不自然である。恐らくはGA106とかが、GeForce RTX 3050/3060として投入されるのではないかと思う。

はっきり見えないのはGeForce GTX 3000シリーズ、つまりRT Coreを搭載しないAmpereの派生型が出るかどうかである。AMDもDXRTをサポートしたRadeon RX 6000シリーズを投入し、また2020年~2021年に掛けてDXRTをサポートしたゲームが多く投入されたことで、RayTracingの利用には追い風が吹いていると言えば吹いているのだが、まだRayTracingが普通という状況からは程遠いし、ハイエンドゲーミングマシンはともかくとしてメインストリーム向けはまだ非RayTracing環境が主流である。勿論NVIDIAは強力にRayTracingをメインストリームに持ち込もうとしているが、そのAmpereの現状でのローエンドであるGeForce RTX 3060 Tiの参考価格が$399。国内の店頭価格は平均6万円といったところで、さすがにちょっと厳しい。ちなみにGeForce RTX 2060 Superであってもやっと5万を切るあたりであって、下は2万切りのGeForce GTX 1650とか3万前後のGeForce GTX 1660、4万切りのGeForce GTX 1660Tiとはちょっと価格差がある。ここをGeForce GTX 1600シリーズのまま据え置いて、AMDとかIntelに掻っ攫われる位なら自社の製品を...という発想は当然出ると思う。それもあって、2021年にはGA110番台、つまりGeForce GTX 2000番台(?)が追加されても不思議ではないだろう。

さてこれに続くものであるが、NVIDIAがTSMCとSamsungの5nmに生産予約を入れたという話は既に伝わってきており、恐らくはAmpereの時と同じくデータセンター向けがTSMC、コンシューマ向けがSamsungになると思われる。アーキテクチャ名はHopper。これはCobolを開発した、故Grace Murray Hopper海軍准将(*2)に因んだもので、Turingと同じ系列である。ということは、Turingと同じく内部はコンシューマ向けであり、データセンター向けには引き続きAmpereベースのものを5nmに移行させた形になるのか、それともHopperもAmpere同様にモジュール構成になっており、内部を組み替えてデータセンター向けとコンシューマ向けの両方に対応するのか、現状では良く判らない。

恐らくはAmpereの時と同じく、まずはデータセンター向けが2021年前半に投入され、2021年後半にコンシューマ向けが投入されるというスケジュールになりそうだ。タイミング的にはAMDのRDNA 3とほぼ同じ時期であろう。

(*1) GeForce GTX 1650がなんでこんなにあるんだ? と思われそうだが、実際TU106/TU116/TU117の3種類のコアを使った製品が混在しているのだから仕方がない。もっともスペック的には全部同一(896CudaCore)で、4GB/128bitのGDDR6(一部GDDR5の製品もあり)メモリ搭載なので、外から見てるとまず見分けがつかないのだが。
(*2) プログラムのミスを意味する"Bug"という言葉の創始者(?)でもある。ちなみに最初のBugは。リレー式計算機のHarvard Mark IIで、リレーの間に蛾が挟まって動作不良になっていたのを発見したことである。

●好調AMD、Big Naviの縮小版はある? RDNA 3はメモリが課題に?
AMD GPU

Radeon RX 6000シリーズの投入でハイエンド向けでNVIDIAと伍する勝負を出来る様になったのは大きな収穫ではある。AMDはRDNAについて関してRDNA~RDNA 3までの登場を予告しており、次は5nmをベースとしたRDNA 3、NAVI 30シリーズということになる。

もっともその前にNAVI 20シリーズのローエンドは出ないのか? という話を。Photo03はAMDが提供のNAVI 21のダイ写真だが、綺麗に真ん中から切りやすい構造になっているのが判る。もともとNAVI 21はかなり大きなダイ(519.8平方mm)であり、これもあって値段が下げにくい部分もあったが、仮に40CUまで減らす&Infinity Cacheを64MB、メモリバスを128bitにすれば、ダイサイズは凡そ300平方mmまで縮まる。こうしたダイ(NAVI 22と言われている)がRadeon RX 6700/Radeon RX 6700 XTとして投入される、という噂はずっと出ており、早ければ2021年の第1四半期中に発表がある(CESにおけるLisa Su CEOの基調講演はその意味でチェックが必要である)可能性もある。

もっともGPUのみのNVIDIAとか、そもそも資金力のあるIntelと異なり、AMDは多数の派生型を作るほどの余力は無さげである。なので、残念ながらRadeon RX 6600とか6500といった所までは手が回らなそうだ。これに関してはRadeon RX 5000シリーズのローエンド(Radeon RX 5500 XT/5600 XT)が引き続き担うという形だろう。更にその下はRadeon RX 500シリーズが担う形になる。直近、Radeon RX 580が2万円台、Radeon RX 570が1万円台で販売されており、性能/消費電力比はともかく絶対性能はエントリ向けとしては十分である。

これに続くのが5nmのRDNA 3ことNAVI 30シリーズであるが、プロセスの微細化によりCU数を増やしたり、InfinityCacheの容量を増やしたりするのはまぁ容易であろうし、PCI Express Gen5への対応も難しくない。問題は、GDDR7が少なくとも2021年中は手当てが出来ないだろうということだ。InfinityCacheを増やせばある程度はカバーできるだろうが、CUは今のRadeon RX 6900 XTでもちょっと不足気味であり、TSMCのN7→N5でトランジスタ密度は45%しか上がらない事を考えると、メモリ帯域そのものも引き上げたいところである。GDDR6はもうこれ以上帯域は増えないし、GDDR6XはMicronの独自規格であることを考えるとAMDが採用するとは思えない。かといってHBM2Eを入れるか? というと、コンシューマ向けにはちょっと厳しい。恐らくはメモリバスの384bit化で対応するのではないか、と筆者は想像している。こちらも登場はZen 4 Ryzen同様に2021年第3四半期末~第4四半期というあたりではないかと想像される。

●意外な伏兵? デスクトップ向け単体GPUを計画するIntel
Intel GPU

2020年はTiger Lake向けにXe GPUを提供すると共に、Iris Xe Max及びServer GPUとしてXeベースのDiscrete GPU製品を発表したIntel。2021年はいよいよDesktop向けのGPUが提供される予定である。といっても、2020年11月の段階では、Labでシリコンが動作しているというレベルだから、まだ製品化には多少時間を要するのは間違いない。

さてそのDesktop向け、ラインナップとしてはXe-HPGとなる訳だが、当初は512EUと伝えられていた。Xeの場合、基本的にはEUあたり8-wideのSIMDエンジンになっており、512EUなら4096演算/cycleということになる。これはAMD/NVIDIAで言うなら64CU/64SMに相当する。これが多いか少ないか? というと、NVIDIAなら

だし、AMDだと

になる訳で、Radeon RX 6800とは競合できるかもしれないが、GeForce RTX 3080とかRadeon RX 6800 XTと競合するのは難しい事になる。

勿論これは動作周波数とか無視した話であり、例えば512EUのままでも3GHzくらいでブン回せればもっと上位モデルが狙えそうな気はするが、さすがにそれは無理だろう。そうした事もあって、途中で960EUに増量した、という話になっている。つまり120SM/120CU相当である。これが本当なら競争力が高そうであるが、ダイサイズが恐ろしい事になりそうである。ちなみにMemory Busなどは不明だが、GDDR6XをIntelが使うとは思えないので、GDDR6ベースとなると最低でも384bitバスは必須で、出来れば(≒InfinityCacheみたいなトリックを使わない前提であれば)512bit幅が欲しい所だ。実装コストを度外視すればこれは難しくない(基板の表裏にそれぞれ8チップづつGDDR6を張り付ければいい)のだが、価格と発熱の両面で厳しい事になる気がする。

なお512EUという話の時には、メモリ容量は6GBないし8GBとされており、ハイエンドが256bit幅、その下のグレードが192bit幅と想像されるが、960EUが事実だとしたらこのあたりも全部ひっくり返る可能性がある。そして、これもまだ512EUの時代の話であるが、2021年中旬(つまりCOMPUTEXの開催前後)に発表という話だった。これも果たして960EUで守れるかどうか、ちょっと微妙なところである。ちなみに製造はTSMCのN7が使われるらしい。InfinityCacheみたいな技を使わないのであれば、TSMCのN7で600平方mm強のダイサイズがあれば120SM/120CUを収めるのは難しくない(Photo03で80CUが収まって520平方mmだから、ダイサイズを100平方mm増やしてInfinityCacheを取り去れば120CUは十分入りそうだ)ので、まるっきり荒唐無稽という訳ではないと思うが、果たして完成するのだろうか? という点が心配になる。まぁそんな訳で、登場するとしても2021年後半になるだろう。その段階には、その先のロードマップも見えてくるかもしれない。

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