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『仮面ライダーゼロワン』井桁弘恵、悩み続けた唯阿役「このままこの作品にいていいのかな…」打開のきっかけ明かす

2020年12月27日11時51分 / 提供:マイナビニュース

●見えない唯阿の本心
特撮テレビドラマ『仮面ライダーゼロワン』の"その後"を描く映画『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』が、『劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』との同時上映で全国劇場にて公開されている。

『仮面ライダーゼロワン』(2019年)は、人工知能(AI)を搭載した人型ロボット・ヒューマギアの暴走を食い止めるために戦う仮面ライダーの姿を描く。そして序盤では、主人公・飛電或人が社長を務める「飛電インテリジェンス」、ヒューマギアの人工知能特別法違反を取り締まる特務機関「A.I.M.S.」、人類の滅亡を目論むテロリスト集団「滅亡迅雷.net」の三つの組織を中心に物語が展開された。

その一つ、「A.I.M.S.」に所属し、技術顧問を務める刃唯阿/仮面ライダーバルキリーの動向は、のちにストーリーをかき回し、視聴者の注意を引くキーパーソンとなっていた。終盤では、自分の意志で戦う心強い仲間となった唯阿。本稿では、一年にわたって唯阿を演じてきた井桁弘恵に、最終話を終えた思いと、映画の見どころを訊いた。

――テレビシリーズ最終回を迎えた瞬間はどんなお気持ちでしたか?

最終回は最後のシーンでアップしたんですけど、すごく不思議な気持ちでした。一年間毎日撮影に行って、それが習慣になっていたので、これが本当に終わるのかな……って。でも、最後のセリフになった「人間であれ、ヒューマギアであれ、心の自由は尊重されなくてはならない。互いの垣根を越えて自由のために戦う限り、お前たちは仮面ライダーだ」という言葉が、すごく最後らしいセリフだったので、言っているときが一番泣きそうだったかもしれません。これを言ったら終わっちゃうんだという感覚。でも、いざ終わりを迎えても、「これから映画があるしな」という気持ちになって、終わった感覚があったようでなかったような不思議な気持ちでした。

クランクアップの瞬間には涙は出なくて、「ああ、終わったんだな……」という感じでした。私は一度涙が出たら止まらなくなってしまうので、泣かないようにしていたというのもあったんですけど、或人役の高橋文哉くんが共演者のクランクアップを見に来てくれていて、文哉くんから花束をもらって写真を撮っていた時に、文哉くんが泣き始めてしまったんです。文哉くんは、みんながクランクアップしていくのが寂しいという感じで泣いてくれていたんですけど、それを見て私も泣いてしまいました。

――唯阿は、伏線となる謎めいた振る舞いが多く、周りを振り回していくと思いきや、彼女自身が振り回されていってしまう複雑な立ち位置でした。

最初いただいた台本では、唯阿のその後の展開はまったくわかっていませんでした。ただ第3話「ソノ男、寿司職人」では、一貫ニギローに視覚データを自動転送するプログラムを仕込むシーンが描かれていて、そうした行動が後々ZAIAのスパイであるという正体につながるということは、ざっくりですが聞いていたんです。

でも、彼女が何のためにスパイをしているのかもわからなかったですし、それが本意なのか、それともやらされてやっているのかもわからない。なので正直なところ、話を重ねるごとにわからなくなっていったというか……。1、2話が一番A.I.M.S.のメンバーとして純粋にやれていたなと、振り返ると思います。一年間を経て、もう一度一話からやってみたいなという気持ちがありますね。結末がわかった上でやると、もっとちゃんとできるんだろうなって。

●きっかけは垓に対する嫌悪感

――特に悩まれていたのはどの時期だったのでしょう。

お仕事五番勝負あたりの時期ですね。やっぱり最初は"戦う女性"として、仮面ライダーとして戦っていたんですけれど、気づけば戦わなくなっちゃって、A.I.M.S.だと思っていたのがZAIAでって。最初に思い描いていた唯阿が全然違う形になっていく……。その違った先が見えたらよかったんですけれど、違った先がどういう唯阿なのかが見えなくなってしまったのがその時期でした。

天津垓のもとで、戦いはしないけど悪に加担しているみたいな。それが本意かもわからない。演技をするときって、その役がどういう感情でやっているか、どういう気持ちでそのセリフを言っているかということをすごく考えるんですけど、唯阿はそれがまったくわからなくて、やっている側としては本当にきつくて……。

そういうのって見ている方にも伝わって、「唯阿がどうしてこんなことをしているのかわからない」というお声もいただきました。それを言われるのはすごくよくわかるし、私もわからないんです……って思いながら、自分で落としどころを探していました。そこが一番難しかったですし、そういった自信のなさが視聴者の方にも本当に伝わるので、お芝居って嘘つけないんだなということを実感しました。

今考えると、良くも悪くもいろんなことを学べた時期だったと思うんですけど、その最中は本当に「もう早く終わらないかな……」と思ってました。当時は、このままこの『仮面ライダーゼロワン』という作品にいていいのかな、私の役が入ることで乱してないかなって。そういう悩みはずっとありました。

――その悩みが晴れてきたのはいつだったのでしょう。

唯阿の垓に対する嫌悪感が出てきたあたりからだと思います。彼女の隠していた感情が見えてきてから演じやすくなってきました。唯阿のことがわかってきたというのはそのあたりだったと思います。作品の後半では、いままでそんなポンコツなところを見せてしまってきていた唯阿をどれだけカッコよく見せられるか、というところも意識して演じていました。

――難しい役どころですね。

そうですね。そのぶん達成感がありましたが、もっとやれたんじゃないかって後悔も多い作品でした。

――唯阿の印象に残っているシーンは?

第36話「ワタシがアークで仮面ライダー」で、アークゼロと戦って敗れて負傷した唯阿が、病室で或人たちと話すシーンですね。唯阿って、諫以外には弱味を見せてこなかったと思うんです。それが、或人たちにも赤裸々に感情をさらけ出した。あそこは唯阿を演じてきた中で、一番唯阿に寄り添えていたシーンでした。あのシーンがあったことで、諫と或人たちが協力してアークゼロを倒すという流れになった場面でもあったと思いますし、あそこのシーンは演技をしていて、「演技が楽しいな」と思えたところでもあったので、すごく好きですね。

――最終回後に行われた「仮面ライダーゼロワン ファイナルステージ」も反響が大きかったですね。

ファンの方の前に立つのは「超英雄祭」以来でした。みなさんが『ゼロワン』にどれだけハマっているのか、どれくらいのファンがいるのかということを実感する機会がいままでなかったので、大変な時期にもかかわらずあれだけの数の方たちに来ていただけてうれしかったですね。

――『ゼロワン』に出て、ファン層が変わったという印象はありましたか。

一番は海外にファンの方ができたことです。普通に活動していると海外の方の目に触れることってないと思うんですけれど、本当にこの一年で海外のファンの方からのメッセージがすごく届くようになって、それは本当にこの作品の影響力を感じましたし、言葉が通じなくても、表情などで少しでも伝わっているのかなとすごくうれしかったです。

――現在公開中の映画ですが、撮影はいかがでしたか。

撮影自体はテレビシリーズの撮影が終わって1か月後くらいだったのでそれほど久しぶりという感じではなかったんですけれど、私は映画では亡とシェスタと一緒にいるシーンが多くて、テレビシリーズではあまりなかった組み合わせだったんです。『ゼロワン』を撮っているようで新しい別の作品を撮っているような感覚になって、新鮮な気持ちで取り組めました。ただそのぶん或人やイズ、ゲスト出演者の方との絡みがなかったので、どんな作品になっているのか視聴者としての楽しみが強い作品でもありました。

――井桁さんおススメのシーンはどこでしょう。

アキラ100%さんが出ているところです。お笑いが好きなので、あの社長室に3人ものお笑い芸人さん――児嶋一哉さん、アキラ100%さん、なかやまきんに君さんがいらっしゃるなんて……行きたかった!って思いました(笑)。作品の中でもすごく面白いシーンになっていて、すごく笑ってしまいました。あっちに映画の感想をもっていかれそうになるくらい好きなシーンでした。

あとはやっぱり5人での同時変身です。5人も並ぶと圧巻で、変身後に仮面ライダーサウザーから順番に映されていくシーンで、仮面ライダーバルキリーを演じるスーツアクターの藤田慧さんがすごいカッコいい感じで締めていて、「藤田さんさすが!」って思って。あそこも好きですね。

――藤田さんとも1年にわたってとてもいいコンビでしたね。

唯阿がアクションをするときには、細かい手の動きに至るまで、いろんなことを教えていただきました。手の角度や体の向きも、本当に丁寧に細かく教えてくださって、専属コーチみたいになっていました(笑)。

●唯阿の"立ち姿"秘話

――唯阿といえば、あの立ち姿も印象的なのですが、演出があったのでしょうか。

5、6話で柴崎貴行監督(柴崎監督の「崎」は立つ崎が正式表記)回の時にホン読みがあったんですけど、そこでセリフについての指摘はなかったんですが、柴崎さんから姿勢のことをすごく言われたんです。その場で「ちょっと立ってみて」って。「立ち姿がきれいじゃないよ」ってすごくずっと言われました。

それまでは、セリフの口調や声のトーンに重きを置いていたんですけれど、立ち姿というのは考えていなくて、そこからすごく意識するようになりました。藤田さんにもアドバイスをもらいながら徐々に唯阿の立ち姿が作られていきました。姿勢を意識したのは、唯阿が常にスーツだったことも大きいですね。柴崎さんにはあのタイミングで教えていただけて本当によかったと感謝しています。

――一年にわたるシリーズの中で変身ポーズが変化していくキャラクターもいますが、唯阿の場合はどうでしたか?

キャストによってはフォームで変身ポーズをアレンジするというのもあったと思うんですけれど、唯阿はあえて変えずにいこうと思いました。主役に比べて変身する機会が少ないので、同じポーズにすることで少しでも定着してほしいなと思って。プログライズキ―を回転させる動作も唯阿しかしていなくて、すごく好きだったので変えずに貫いていました。

――『仮面ライダーゼロワン』で唯阿主役のスピンオフが作られるとしたら、どんなお話が見たいですか?

唯阿の過去が気になります。どんな生き方をして、どういう人と出会って、何があってこの仕事しているのか。何があって今の人格が形成されていったのか。唯阿のことをもっと知りたいですね。

――井桁さんが『仮面ライダーゼロワン』に出演して、得たものはどんなことでしょう。

1年間同じ役を演じることは、役の向き合い方も当然違っていて、改めて演技の難しさを痛感しました。一方で、「仮面ライダー」は視聴者の方の声が届きやすい作品なので、自分の演技がちゃんと届いているなということもわかる作品でした。それだけに、演技で嘘をついていたり、自信がなかったりすると、それも伝わってしまうので、お芝居の大事な部分を学べた、いい意味で初心にかえることができた作品です。自分はまだまだなんだと思うところと、伝わるところはちゃんと伝わるんだということも感じられる作品だったので、俳優という仕事のおもしろさ、やりがいを改めて感じられたなと思います。

――ファンのコメントで印象的だったものは?

辞表を出すシーンは反響があって、同じように自分の意志に反して我慢をしている状況にある方から勇気をもらえたというコメントをいただいたのはうれしかったですね。社長を殴る必要はないと思うんですけど(笑)。

――最後に、今後の目標を聞かせてください。

とにかくいただけるお仕事はなんでも挑戦したいです。『ゼロワン』ではアクションにも挑戦できました。銃さばきも銃を持った動きも、アクション自体も初めてでしたけど、なんでもやってみないとわからないんだなと思うくらい印象が変わりました。自分が戦うシーンが想像できなくて、「仮面ライダーなんてできない」と最初は思っていたんですけれど、やってみるとすごく楽しかったんです。だから、プライベートもお仕事も限界を決めずに、やればやっただけ実にもなるので、その幅を広げられたらいいなと思っています。

――井桁さんのプロフィールで過去のお仕事を拝見していると、銃を撃っている姿が一番遠いですもんね。

そうですね(笑)。まさか……という感じで。なので、この1年半を経験したことで、「なんでもやってみたいな」と思えるようになりました。そういう気持ちになれたのが、一番得たものかもしれませんね。

(C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映

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