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神社でも数か所の窓や扉を10~20cm程度開けるだけで換気効果、産総研が調査

2020年12月26日11時40分 / 提供:マイナビニュース

産業技術総合研究所(産総研)は12月24日、規模の異なる3か所の神社と埼玉県神社庁で実際に換気の調査を実施したところ、一般住宅での換気回数の調査結果(窓開けや換気扇の稼働により換気回数増加)と同様の傾向を示し、数か所の窓や扉などを10~20cm程度開けるだけでも換気効果が大きいことを確認したと発表した。

同成果は、産総研 安全科学研究部門 リスク評価戦略グループの篠原直秀主任研究員らの研究チームによるもの。

新型コロナウイルスの感染を防ぐには、3密(密集・密閉・密接)を避けることが重要だ。3密が生じやすい環境では、どのような対策をどの程度まで実施すれば有効なのかを理解することは重要で、社会的にも関心が高い。そうした中、これから正月を迎え、初詣による3密が生じやすい状況が訪れるため、感染の拡大が懸念されている。

神社や寺社において祈祷を行う拝殿や、繁忙期に臨時に神符守札などを授与するために設置される仮授与所などでは、3密が生じる可能性がある。しかし、これまでそれらの施設での換気回数の調査は行われてこなかった。

そこで篠原主任研究員らは今回、神社や寺社の境内における屋内環境の換気状況や、窓開けや機械換気の稼働などによる対策効果を客観的な数値で示すため、神社本庁と「変わらない祈りのために」キャンペーン事務局(埼玉県神社庁内)の協力を得て、規模の異なる3か所の神社において、拝殿や仮授与所などにおける換気回数の調査を実施した。

なおこの場合の換気回数とは、換気量(一定時間で室内に外気を取り込む量、もしくは室内空気を屋外に排出する量)を対象となる屋内空間の容積で割ったもののことをいう。屋内空間の容積分の外気が1時間当たり何回室内に取り込まれるか、もしくは室の容積分の室内空気が1時間当たり何回屋外に排出されるかが表されている。

今回調査が行われたのは、埼玉県神社庁と、氷川神社(さいたま市大宮区)、一山神社(さいたま市中央区)、久伊豆神社(加須市)の3神社。各種条件下での換気回数を、「CO2濃度減衰法」により推定が行われた。建造物屋内にCO2を噴霧してブロワーでCO2濃度を均一にしたのちに、CO2濃度の時間変化が、室内に数か所に設置されたCO2測定器により計測された。

CO2測定器を設置する高さは立位と座位が想定されて、それぞれ床面から150cmと70cmとして設置された。また一部の建物において、床面から5cmにおけるCO2濃度の測定も行われた。そして得られたCO2濃度の時間変化から換気回数が推定され、室内数か所の床面から150cmと70cmでの換気回数の平均が、それぞれの建築物の条件ごとの換気回数とされた。

暖房・ヒーターを使用していない場合、窓や扉の閉め切り時の換気回数は、木造建造物やプレハブでは1時間当たり0.18~0.68回、鉄骨や鉄筋建造物では1時間当たり0.084~0.58回だった。ただし、これらの建造物においては数か所の窓もしくは扉を10~20cm程度であっても開放すると、換気回数はいずれにおいても8倍以上と大きく増加することが確認された。

一方、測定中以外ヒーターを稼働させて室温が高かった(室内外温度差11℃)久伊豆神社では、閉め切った状態でも換気回数は1時間当たり3.7回だったという。また、室内外の温度差が大きくない場合、機械換気システムや換気扇を稼働させると、窓や扉の閉め切り時の鉄筋建造物での換気回数は1.0~1.6回に、窓や扉の開放時の鉄骨・鉄筋建造物での換気回数は2.5~5.2回に増加したとした。またテントは、4面が閉じられていても1時間当たり20回以上の換気回数が確認されている。

篠原主任研究員らは、今回得られた結果は、初詣をはじめとした年中行事や祈祷時の参拝者や、神符守札を授与する神職・巫女などが滞在する屋内環境での感染対策への貢献が期待されるとコメント。また今後は、室内で暖房やヒーターを稼働させて、室内外に温度差を付けると換気回数が増大したことから、その効果について追加で検証することを検討しているとしている。

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