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山田祥平のニュース羅針盤 第259回 ドコモの新プラン、悩むのは「20GB」か「無制限」か

2020年12月22日06時00分 / 提供:マイナビニュース

ドコモが新たな大容量プラン「ギガホ プレミア」、「5Gギガホ プレミア」を発表した。ついに巨人が動いたという文脈で語られることが多いようだが、この値下げは実質的に現行キャンペーンの「ずーっと」化にすぎない。

○新大容量プラン、4Gと5Gの価格差は100円

値下げの骨子は、4Gプランである「ギガホ プレミア」で30GBまでのプランが60GBになり現行プランの7,150円が6,550円になる。また「5Gギガホ プレミア」は100GBまでののプランが無制限になり、7,650円が6,650円になる(価格は税別、以下同)。

4Gと5Gの差額は100円で、データ容量は60GBと無制限。たぶん普通は100円差なら無制限を選ぶだろう。これは誘導として実にうまい。5G契約促進の点でも有利だ。3G通信ができなくなるというデメリットがあるが、大多数のユーザーはそんなことは考えもしないだろう。3Gインフラの終息に向けての効果もありそうだ。

興味深いのは一か月当たり、3GB未満のデータ使用量だった場合には、両プランともさらに1,500円が値引きされる点にある。つまり「5Gギガホ プレミア」は無制限を6,650円と担保しつつ、実質的には5,150円のプランだ。見かけの上ではすごいように思えるかもしれない。

○「無制限キャンペーン」をそのまま踏襲

ここにあるのは「普通の月」と「たくさん使う月」の2値化だ。たくさん使った月にはプラス1,500円で天井なしのギガがあてがわれるというわけだ。5,150円というのは現行プランの「5Gギガライト」「ギガライト」での5GB未満相当分だ。2GB減るのが微妙といえば微妙だが、1GB1,000円で、追加のギガを買っても焼け石に水、といったこともなくなる。

これだだけを見れば確かに1,000円、約15%の値下げだ。3GB未満の月には約20%の値下げとなる。

ただ、ドコモは現行プランで、終了日を未定とした「5Gギガホ割」とその4G版「ギガホ割」を提供していた。これは加入後最大6カ月が1,000円割引になるというもので、今回の値下げ金額に匹敵する。

また、100GBは無制限、30GBは60GBになるが、こちらについては、それぞれ現状で「データ量無制限キャンペーン」と「ギガホ増量キャンペーン」が実施中だ。キャンペーンの終了は未定だったが今回の発表で、現行プラン自体は2021年3月31日の新規受付終了となった(既存ユーザー向けにキャンペーン自体は継続)。

この日付は今回発表されたプレミアプランの提供開始日である4月1日の前日だ。つまり、この日を境に無印「5Gギガホ」と無印「ギガホ」は新規に契約する意味がなくなるといってもいい。最大半年間、これらの恩恵を受けるという意味では今年の9月にキャンペーン適用を開始したユーザーはフルに恩恵を受けたあとに新プランで価格を維持できる。つまり何も変わらない。

実は2021年8月31日に、ドコモは「5Gギガホ音声割」というプランの新規受付を終了している。音声オプションを最大12カ月700円割り引くというもので、かけ放題なら1,000円、5分間通話無料なら無料で契約ができた。この割引を考慮すると、8月31日までに契約したユーザーがもっともトクだったということになる。これは特異例だ。

料金が1,500円安くなるしきい値である、1日あたり100MB相当の月間3GBという設定は絶妙だ。それなりの努力をしないと普通は「たくさん使う月」になってしまうだろう。ここが10GBだったら話は変わってくるかもしれないが、けっこうな確率でユーザーは無制限価格域に突入することになるだろう。3GBというのは、使わなかったらラッキーというくらいの絶妙な容量だ。
○骨組みはこれまで同等、本当にうまい着地点

5Gを使う、そして4Gでスマホを駆使するほとんどすべてのユーザーにとって、今回発表されたプランの骨子は「何も変わらない」だ。そして、ドコモのプランは「ギガホ プレミア」、「5Gギガホ プレミア」だけになるといっていい。ライトプランは多くのユーザーにとって意味をなさないものとなるからだ。

そして、先日発表された「プラン」のひとつである「ahamo」は2,980円でデータ量が20GBだ。ドコモにおける各種割引などは検討中だそうだが、このプランを視野に入れれば選択肢は次の2つだけだ。

無制限 - 6,650円
20GB - 2,980円

新しい当たり前としてのドコモのプランは実質この2つしかなく、リアルショップでのサポートが必要だったり、「みんなドコモ割」「ドコモ光セット割」などの各種割引の恩恵を受けられる場合には、「無制限 - 6,650円」の一択だ。これにかけ放題の1,700円を加えた金額、8,200円(消費税込みで9,020円)がドコモ契約の上限だ。

月々の支払いが1万円を超えるといったことはありえない。超過分は端末代金やコンテンツ代金、コンビニでのd払い等によるものだ。5分間通話無料の場合は音声通話の超過分が30秒20円と高額なのを忘れてはならない。長電話をして30分超過すれば、それだけで1,200円に相当する。

実に巧妙だ。こうしたプラン設計を考える人たちは本当に頭がいいのだなと痛感する。当局からの要請を聞き入れたかのように大々的に発表して好感を得たものの、実質的には現行と何も変わらない。

ただ、今後の研究開発のための費用のしわ寄せになって将来の日本のデジタル立国に影響を与える5G、6Gのインフラ整備に影響を与えてほしくはないといったことを考えれば、このあたりが本当にうまい着地点といえるのかもしれない。

著者 : 山田祥平 やまだしょうへい パソコン黎明期からフリーランスライターとしてスマートライフ関連の記事を各紙誌に寄稿。ハードウェア、ソフトウェア、インターネット、クラウドサービスからモバイル、オーディオ、ガジェットにいたるまで、スマートな暮らしを提案しつつ、新しい当たり前を追求し続けている。インプレス刊の「できるインターネット」、「できるOutlook」などの著者。■個人ブログ:山田祥平の No Smart, No Life この著者の記事一覧はこちら

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