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コロナ禍で日本人の意識と行動はどう変化しているか?Googleの調査から読み解く

2020年12月10日09時08分 / 提供:マイナビニュース


新型コロナウイルスの感染者数が再び増加に転じている。東京などの都市では1日の感染者数が連日過去最多を更新、世界では再びロックダウンに入ったところもある。まさに第3波襲来だ。3月に始まった休校、そして4月の緊急事態宣言から8カ月。日本に住む人々の日常と仕事はどう変化し、感情はどう変わったのか?Googleの調査をもとに、今の日本人の姿を見直してみたい。
オンライン活動は緊急事態発令直後がピーク

新型コロナウイルスの感染拡大という予想もできない変化に見舞われた2020年。GoogleのマーケットインサイトチームはIntageと組み、全世界レベルの変化に対して日本に住む人がどのように対応しているのかを、感情の変化とともに調べ、ダッシュボードで公開している。本稿は、2020年11月27日に最終更新されたデータを基にしている。

ダッシュボードで公開しているのは、Googleとインテージが4月11日の緊急事態宣言発令以来続けている週次調査「生活動向に関する週次調査」の一部だ。調査は全国を対象に、Webサーベイ形式で行い、新型コロナに対する行動、そして新型コロナの生活と仕事への影響、気持ちへの影響を探っている。

ダッシュボードでは、「感染不安・予防行動」「前向きな気持ち・不安な気持ち」「オンライン活動・オフライン活動」「働き方のオンライン活動・オフライン活動」「デジタルコンテンツ利用」「生活満足度」と6つに大きく分類し、グラフを用いて視覚的に表示している。
「感染不安・予防行動」の推移

例えば「感染不安・予防行動」は、1週目(4月11日~17日)を基準値100とすると、11週目(6月20日~26日)にかけて減少したのち、再び17週目(7月25日~31日)にかけて上昇し、また29週目(10月24日~30日)にかけて減少したのち、上昇している。予防行動の実施率は感染不安に少し遅れて追随する傾向を見せている。

8週目(5月30日~6月5日)から計測を開始した予防行動(感染および感染拡大を予防するための生活習慣の実施率)は8週目の100に対し、87(16週目、7月25日~31日)が最も低く、107(28週目、10月17日~23日)が最も高い。感染不安と予防行動を組み合わせてみると、不安が低くなる時は予防に関する行動が高くなるというグラフが描かれている。
「オンライン・オフライン活動」の推移

余暇、買い物、情報検索など日常生活における「オンライン・オフライン活動」については、1週目(4月11日~17日)の基準値100に対し、オンライン活動が急増した。ゴールデンウィーク直後にあたる5週目(5月9日~15日)に最高値の122、夏休みが終わった後の23週目(9月12日~18日)に最低値の83.8を記録している。オンライン活動の内訳で多いのは「情報検索」と「買い物」。

オフライン活動(余暇、買い物、情報探索など日常生活活動における非オンライン利用の程度)は、32週目(11月14日~20日)がピーク。なお、6週目(5月16日~22日)以降は1週目の基準値を上回っている。
「デジタルコンテンツ利用」の推移

関連して、余暇時間におけるオンライン動画視聴、SNS利用、ゲーム、電車書籍などのデジタルコンテンツの利用率を数値化した「デジタルコンテンツ利用」を見てみよう。6月後半から7月前半をのぞくと軒並み1週目の基準値100を上回っている。

内訳としては、「無料動画配信サービス」「有料動画配信サービス」「音楽配信サービス」「SNS」「ゲーム」(ゲーム機、スマートフォン、PCの3区分)、「電子書籍・コミック」「新聞・雑誌の電子版」「オンライン学習」について利用を調べている。

1週目が休校中だったこともありオンライン学習は5週目(5月9~15日)をピークにあまり増加していない。ゲーム機のゲームも増減があまりなく、サブスク型で提供されることが多い動画(無料、有料)、音楽の両配信サービスについては有料の動画配信が基準値を下回る週が多いのに対し、無料は基準値を上回る傾向にある。音楽配信はピークの29週目(10月24日~30日)の154など全体として基準値を大きく上回っている。
○「働き方のオンライン活動、オフライン活動」の推移

一方、働き方に変化は見られるのだろうか。ビデオ会議、オンラインイベント・セミナーなどのオンライン活動、営業などの外出、出張、オフラインのイベントやセミナー参加などオフライン活動については、1週目から14週目、調査方法を変えた15週目から現在まで、夏休みと思われる18週目(8月8日~14日)に、ともに基準値から大きく減った以外は、なだらかな増減の曲線を描いている。

25週目(9月26日~10月2日)以降、ほぼオフラインがオンラインを上回る傾向が続いていたが、直近の33週目(11月21日~27日)は再びオンラインが逆転している。
「生活に対する満足度」の推移

新型コロナの感染リスクとともに生きる生活に対する満足度は、決して悪くない。食事、余暇の過ごし方、買い物、食事、情報収集の4つについて満足度をたずねた「生活満足度」は2週目(4月18日~24日)と3週目(4月25日~5月1日)に下がったほかは、概して1週目の基準値を上回っている。

同調査では、気持ちが前向きか・不安かを知るため、前向きな要素として「楽しもうと思う」「充実させたい」「立て直したい」「前より良くしたい」「他人のために役立てたい」「周りの人たちと助け合いたい」、不安な気持ちの要素として「以前に戻したい」「認めたくない」「恐ろしいと思う」「嫌だと思う」「誰かに助けてほしいと思う」「絶望している」「諦めている」「疲れている」を用意している。

1週目の基準値100に対し、10週目(6月13日~19日)までは前向きな気持ちが基準値を上回り、不安な気持ちは基準値を下回っていたが、その後現在まで前向きな気持ちが基準値を下回っている。一方、不安な気持ちは感染者数の増加とほぼ連動した形となり、10週目(6月13日~19日)が最も低く、16週目(7月25日~31日)から18週目までが高く、32週目(11月14日~20日)、33週目(11月21日~27日)と再び増加した。


ECは増えるが店舗回帰も - 変化の原動力を理解せよ

Googleはこの「生活動向に関する週次調査」、そして8月7日~11日に全国の男女18~69歳を対象に実施した「新たな行動様式と生活ニーズに関する調査」から、新型コロナで変化する生活者の意識について分析したレポートも公開している。

Googleでコンシューマーマーケットインサイトチーム マーケティング リサーチ マネージャーを務める朴ヨンテ氏は、2つの調査から浮き彫りになった新しい生活様式の5つの特徴を次のように挙げている。

(1)頼らないことで安心感を得たい
(2)隔てることで、つながりを保ちたい
(3)ささいなことから、確実な幸せを得たい
(4)余計を減らして、余裕を持ちたい
(5)「正しい情報」を追い続けることで、安全になりたい
頼らないことで安心感を得たい

(1)については、「これまであって当たり前と思っていた基盤が揺らぎ、不確実性が高まったことで、自ら積極的に変化を起こすことで安心を得たいという考え方の増加が見られる」と、朴氏は分析している。自粛期間中に自ら計画を立て、行動を起こすなど不安を解消しようとする動きが活発になったという。35.6%が「スキルアップや自己投資のための時間を増やしたい」と回答、料理、プログラミングなど「何か新しい知識や技術の学習に取り組んだ」という人は26.5%いたという。

あわせて、50.5%が「健康意識が高まった」と回答したのをはじめ、「運動習慣を見直した」(36.2%)「食生活を見直した」(33.3%)など、自分の心身のケアに注意が向かっていることも紹介している。

その一方で、「誰かに助けて欲しいと思う」は低下し、「前より良くしたい」が高まりつつあることもわかった。

「不確実性が高まった社会、経済に対して依存することに不安を感じている人が、他に頼らず自らの変化、行動、成長といった方法で安心を得ようとしていることが、調査結果から読み取れる」と朴氏はまとめている。
隔てることで、つながりを保ちたい

(2)の「隔てることで、つながりを保ちたい」については、「ウチ」と「ソト」の関係が、「ソト」を「ウチ」にと逆転したこと、また境界がなくなりつつあることが指摘されている。

好例がオンライン飲み会だ。本来、飲み会はソトで行われるものだったが、新型コロナウイルスの影響で、ウチで行われるようになった。ウチにソトが張り込んできたことで、ウチの快適さや家族を大切にしたいという意識が高まっているという。39.5%が「家族やパートナーと過ごす時間の大切さを感じた」としている。

「ソト」と「ウチ」というボーダーラインがなくなったことにより、人々は家族やパートナー、友人や同僚など、社会集団との交わり方を工夫し、従来のつながりを保とうとしているようだ。
ささいなことから、確実な幸せを得たい

(3)については、全体として「手軽に取り組める活動や負担の少ない消費といった、自分の力で得られる「小さな幸せ」を求める行動が増えている」と朴氏は指摘、45.1%が「好きなことをより充実させたい」、33.7%が「新たな楽しみや没頭できることを見つけた」と回答している。

コロナ禍はECの活用を促進させたが、ホームセンターなどオフラインでの購入も増加しているという。「店舗の空間自体を楽しみたい」「商品を実際に手に取って自分が好きなものを選択したい」など「買い物体験自体を楽しみたいという気持ち」が生まれているのでは、と予想している。なお、35.1%が「ECサイトより店舗がいい」と回答するなど、店舗の良さを再認識している人もいるようだ。
余計を減らして、余裕を持ちたい

(4)では、オンライン授業、オンライン会議を例にとり、「移動の手間がない」「無駄な会話が減った」という声が紹介されている。外出自粛中にオンライン会議を経験した人は32.5%、そのうち57%はオンライン会議を継続したいと回答している。

このように当たり前と思われていた通勤や通学の時間がなくなったことで、生活全般における行動を見直す動きも見られたという。その例として、自粛中に不要なものを売ったり捨てたりして手放した人、自然に近い場所に住むことに魅力を感じた人が増えたことが挙げられている。
「正しい情報」を追い続けることで、安全になりたい

(5)の「正しい情報」は、新型コロナに関する正しい情報を知りたいというニーズだ。2月~3月に深刻化したトイレットペーパー不足問題など、誰もが情報発信できる中で正確かどうかわからないのに情報が広まることに対する懸念とも言える。

調査では、新型コロナ関連の情報について「情報を見つけるのが難しいものがあった」という人は55.9%に及んだ。最も多かったのは、「マスク・消毒液などの流通状況」で19.3%、続いて、「検査キット・ワクチンなどの開発状況」(15.4%)、「生活圏・市町村別での感染状況」(14.8%)、「コロナウイルスに感染した場合の対応」(13.8%)など。

朴氏は、「情報収集のための情報を増やした人、情報の正しさを自分で精査するようになった人も増えている」とコメントしている。情報源としては、「テレビ(ニュース、報道番組)」が最も多く70.2%、「検索を通じた情報収集」(66.5%)「ニュースサイト・アプリ」(45.5%)などが多い。「政府から発信される公式情報」「自治体から発信される公式情報」はそれぞれ22.6%、24.8%と低めだ。

コロナ禍で消費者の意識が変化する中、企業は新たなニーズに気づくだけでなく、その軸となる原動力にも注目すべき、と朴氏は助言している。原動力はホープ(望み)と言い換えることもでき、原動力を理解することで「人々に寄り添う事業やサービスの構想や開発が可能になる」と示唆している。

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