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トムソン・ロイターの2021年度の事業戦略 - 複雑化する企業の規制対応を支援

2020年11月27日13時13分 / 提供:マイナビニュース

トムソン・ロイターは11月26日、事業戦略記者説明会をオンラインで開催し、2021年度日本市場における中長期の事業戦略について説明した。

同社は、2008年4月に情報サービス企業の加トムソンと、通信社である英ロイターが合併し設立した会社だ。売上全体の約11%を占めるロイター通信事業のほか、日本法人では、税務・貿易、コンプライアンスリスクなどに関するさまざまなITソリューションを展開している。

記者説明会の冒頭で、トムソン・ロイター 代表取締役 植木謙氏は「プロフェッショナルである方々が、信頼できる答えを導き出すために必要な知能、テクノロジー、専門知識を提供していく」と語った。

税務・貿易事業部門の戦略

日本企業の国際税務に関する課題として、植木氏は、収益上の向上、税務リスクの防止、業務上の対応の3つ挙げた。

収益上の向上を実現するための策としては、資本コストを上回るROE(自己資本利益率)の実現や、輸入時FTA/EPA(自由貿易協定/経済連携協定)などの有効活用が考えられるという。植木氏は、「法人税は税引き前に課せられるが、関税は原価に課される。原価が税引き前利益の10倍とした場合、関税率5%の削減は、法人税でいうと50%の削減となる」と、関税率を削減するメリットを説明した。

一方で、FTAなどを有効活用するには、税務に関するリスクの防止も考慮しなければならない。BEPS(Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転)、腐敗行為防止法などの法令遵守はもちろん、申告漏れなどの報道による評判低下や、追徴課税による経済的な損失などを防ぐ必要がある。

また企業の法務部門は、各国税制の調査、監視、煩雑なデータ収集・整理、書類作成など関しても効率よく対応しなければいけないと、植木氏は語った。同社ではこれらの業務を支援する国際税務ソリューション「ONESOURCE」の展開を加速させる方針だ。植木氏は、「ソリューション導入後の不安を軽減させるため、システムの使い勝手には力を入れている」とした。

さらに植木氏は、2021年度においては、日英およびRCEP(東アジア地域包括的経済連携)の発効予定に伴うEPA活用の需要の高まりにより、輸送用機器および電気機器の業界の顧客が増加すると想定しており、引き続き同業界での市場価値を高めていくと述べた。そのために、同社は、顧客企業同士のつながりを強化する。

例えば、同社は企業間で税務・貿易に関するノウハウの共有を促すためのプラットフォーム「FTA生活研」を設立している。「コロナ禍における業務改革に困惑している企業が多く見られる。FTAに関しても、日欧が2019年に発行される前までは、積極的に取り組む企業が少なかった。他社からノウハウをインプットできる環境構築を加速させたい」(植木氏)

加えて、日本のビジネスプロセスを強化するため、外資系企業のみならず、NECやとコンサルティングファームいった日系企業とのパートナーシップを強化する方針だ。
リスク事業部門の戦略

続いて、トムソン・ロイター リスクビジネス ディベロップメントマネージャーの白井 薫氏が登壇し、同社のリスク事業部門が掲げる2021年度の事業戦略について説明を行った。白井氏は「日本企業の海外進出が活発化している中で、リスク管理といったコンプライアンス面でも解決しなければいけない課題が山積みだ」と、企業や金融機関を取り巻くコンプライアンスリスクについて説明した。

白井氏は、社会全体のコンプライアンス意識が高まることにより、データプライバシーなどの個人情報の取扱い、情報セキュリティ、差別・ハラスメント、競争法・独禁法など、企業が直面するコンプライアンスリスクが複雑化していると指摘した。こうしたリスクに対して適切な対応をしなければ、高額化している制裁金の支払いや、企業のブランドイメージの低下につながってしまう。

「国・地域によって規制が異なり、リソース・知識不足に直面している企業が多く見られる。このような企業に対して、変化するグローバル規制環境への対応やコンプライアンス文化の構築を支援していく」(白井氏)

同事業の顧客は金融業が約4割を占めており、2020年9月時点で導入社数が前年比で41%、売上が21%増加しているという。同社は、2022年までに、さらに導入社数40%アップ、売上20%アップを目指す方針だ。

同事業では、国内向けに2つのサービスを展開している。1つはコンプライアンスに関係するeラーニングコンテンツやLMS(学習管理システム)をなどを提供する「Compliance Learning」。コンプライアンのノウハウを持った同社員によるコース制作により内製の負担を軽減するとし、20カ国語に対応している。

もう1つは、主に銀行や証券などの金融企業のコンプライアンス管理向けに展開する金融規制データベースサービス「Regulatory Intelligence」。世界で600以上の規制機関、1000以上の法規制に関連する情報を備えている。企業が世界の金融規制の動向を把握し、適切な対応ができるような仕組みづくりを支援するとしている。

2021年度の戦略としては、「Compliance Learning」において、年内に国内向けコース(労働法、下請法)を日本語と英語でリリースする予定だ。また、海外の現地法人もその土地の言語で受講ができるように東南アジア言語の拡充などローカリゼーションを図る。

加えて、LMS(学習管理システム)のインタフェースを刷新して重要な情報が一目で確認できるようにするなど、UX(ユーザーエクスペリエンス)を向上させ、従来のオフィスでのマニュアル作業や、集合研修をデジタル化するなど、ニューノーマル時代のリスク管理を支援していく方針だ。

白井氏は「世界で年々複雑化するコンプライアンス教育の支援はもちろん、企業のコロナ禍における生産性や効率の向上、テレワークなどの働き方改革などに対応するため、時間や場所に依存しない柔軟なビジネスモデルや組織体制の構築を加速させていく」と今後の展望を示し、説明会を締めくくった。

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