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2020年のGordon Bell賞はマシンラーニングを使う高性能第一原理計算が受賞

2020年11月25日10時58分 / 提供:マイナビニュース

Gordon Bell(ゴードンベル)賞は大規模、高性能のコンピュータシミュレーションなどの進歩に貢献した研究に贈られる賞である。

SC20にて発表された2020年のゴードンベル賞は米国と中国の研究者からなる9人のチームの「Deep Potential Molecular Dynamics (DPMD), a new machine learning-based protocol that can simulate a more than 1 nanosecond-long trajectory of over 100 million atoms per day」という研究に贈られた。

ウイルスの挙動などを調べるには、その構造を原子レベルでモデル化し、原子の間に働く力を厳密に計算する第一原理計算がもっとも精度が高いが、多数の原子間に働くすべての力を計算するのは膨大な計算が必要であり、第一原理計算では、数千原子くらいの物質について計算するのがやっとという状態であった。

これに対して、研究チームはマシンラーニングを使う「Deep Potential Molecular Dynamics(DPMD)」という方法を開発し、1億原子の振る舞いを1ns以上にわたってシミュレートすることに成功した。この方法により、第一原理計算の精度で1億原子以上のウイルスなど(今回の論文ではウイルスの解析は行っていない)のシミュレーションが可能になった。開発したGPU Deep MD-KitというコードはSummitスパコンで倍精度浮動小数点計算では91PFlops、単精度と半精度の混合計算では162/275PFlopsを達成している。なお、Summitスパコンは、Top500で第2位のスパコンである。

また、今年のゴードンベル賞では、高性能コンピュータを使うCOVID-19ウイルス研究に特別賞が贈られることになり、こちらは米国の12人の研究者のチームが受賞した。論文の題名は、「AI-Driven Multiscale Simulations Illuminate Mechanisms of SARS-CoV-2 Spike Dynamics.」で、研究チームはこの手法をCOVID-19ウイルスのスパイクたんぱく質の感染性の評価に使用している。

このたんぱく質は3.05億原子であり、従来の方法では計算できない大規模なものである。チームが使ったスパコンは、こちらもオークリッジ国立研究所のSummitである。

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