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iPhone 12とPixel 5、それぞれの個性を触り比べてみた

2020年11月14日06時00分 / 提供:マイナビニュース

●デザイン:先祖返りのiPhone 12、持ちやすさ重視のPixel 5
アップルとグーグルという、スマホ界の2大プレイヤーが相次いで初の5G対応スマートフォンを投入してきました。このレビューでは、iPhone 12とPixel 5という両者を代表する製品を比較しながら、それぞれの個性を見極めたいと思います。

○アップルとグーグル、初の5Gスマホがやってきた

新しいモバイル通信技術「5G」は、まだ発展途上の技術といえます。全国に広がった4G LTEに対して、エリア展開がきわめて限られているという意味でもですが、スマホ側も現在のモデムチップでは負荷が高くなりがちで、5Gエリアでは電池消費が速まりがちという課題もあります。

初期に出された5Gスマホが大画面と大きなバッテリーを搭載した製品ばかりだったのも、こうした事情が影響しています。

それに対して、iPhone 12とPixel 5は、両者とも5Gスマホながら極端な大型化を避けています。

iPhone 12は、前世代モデルのiPhone 11と同じ6.1インチのディスプレイを搭載。ボディは丸みを帯びた形状から側面が切り立った形状に変更し、縦横の寸法と厚みと減らしつつ、5G対応を果たしています。

板状のフォルムにフラットなディスプレイは、かつてのiPhone 4~5sの世代でも採用されていました。これが狭額縁ディスプレイという現在のトレンドを取り入れて復活した格好です。iPhone 12ではこのほか、前面ガラスの耐落下性能を4倍高めるという新コーティング「セラミックシールド」を取り入れています。

Pixel 5は対照的に、前世代のPixel 4よりも丸みを帯びた形状へと変更されています。尖った機能を減らして性能を抑えており、ボディは使い勝手重視の薄型フォルムとなりました。

Pixel 5の重さは約151gで、現世代の5Gスマホの中ではかなり軽量です。一方、iPhone 12も重さを約162gに抑えています。ちなみに11月13日に発売されたばかりの兄弟モデル「iPhone 12 mini」は5Gスマホながら約133gという群を抜く軽さとなっています。

●ディスプレイ:iPhone 12はDolby Vision、Pixel 5は90Hz
ディスプレイは今回、iPhone 12もPixel 5もフルHD+の有機ELディスプレイを搭載しています。

従来、iPhoneのスタンダードモデルでは液晶ディスプレイが採用されていましたが、iPhone 12シリーズでは4モデルとも有機EL搭載となっています。有機ELディスプレイの性能を生かせるのがHDR再生で、明るい空と暗い影、ハリウッド映画のダークなシーンなど、陰影表現が重要な場面で表現力を発揮します。iPhone 12では、HDR 10とDolby Visionという2つのHDR規格をサポートしています。

Pixel 5もHDR 10規格をサポートしています。ディスプレイではPixel 4シリーズから引き続き、フレームレート90Hzの高速駆動機能も備えています。高速駆動を有効にすると1秒間の画面の表示書き換え回数を増し、画面のスクロールなどを滑らかな見た目になります。たとえばこの記事やTwitter、Instagramのような縦長のアプリのスクロールでは、目への負担感を減らして快適に使えます。

○性能:トップ性能のiPhone 12、バランス重視のPixel 5

iPhone 12シリーズは4モデルのラインナップがありますが、そのどれもが最新のアップル製チップセット「A14 Bionic」を搭載し、ほぼ横並びのハイスペック構成になっています。

これは、アップルが自社でカスタムチップセットを設定できる能力を持ち、一部のモデルは数年後まで売り続けるというアップルの戦略があってこそできる芸当でしょう(11月11日には、自社製SoC「M1」を搭載したMacBookシリーズ、Mac miniも発表されました)。

一方、Pixel 5はクアルコム製の中上位ラインのチップセット「Snapdragon 765G」を搭載しています。従来のPixelシリーズのフラッグシップモデルが最上位のCPUを搭載していたのに対して、あえて一段下のチップセットを採用した格好です。

5G対応の最上位ラインSnapdragon 865シリーズは高性能ですが多くの用途ではオーバースペックになりがちで、バッテリー負荷や価格の高さもデメリットとなり得ます。こうした理由もあってPixel 5では765Gの採用に落ち着いたのでしょう。3Dグラフィックスを多用するようなゲームを動作させるには不利ですが、それ以外の用途では必要十分な性能を備えています。

●カメラ:動画強化のiPhone 12、トレンド追随のPixel 5
メインカメラはiPhone 12とPixel 5のどちらも、広角カメラ+超広角カメラというデュアルカメラの構成。なお、iPhone 12はより上位のモデルで望遠を加えた3眼を採用しています。

iPhone 12シリーズでは今回、動画撮影機能を大きくテコ入れしています。スマホとしては初めて、Dolby Vision規格のHDR動画撮影が可能となりました。

特にイルミネーションや夕焼けなど、明暗がはっきり分かれるようなシーンを美しく撮れるようになりました。iPhone 12の有機ELディスプレイで再生した時の見栄えはなかなかの好印象です。
○iPhone 12の作例

一方のPixel 5は超広角レンズをシリーズとして初めて搭載しました。Pixelシリーズのカメラには、Googleの作り込んだソフトウェアでカメラの性能を高めるというコンセプトがありますが、ソフトウェアでカバーできない部分をハードウェアでは強化してきた形です。

Pixel 4と比べると高倍率ズームは、望遠カメラが無くなったぶん少し弱くなりましたが、暗所や夜景撮影など難しい環境も含めて良好な画質で残せます。
○Pixel 5の作例

●生体認証:iPhone 12は顔、Pixel 5は指紋
iPhone 12は全画面iPhoneの伝統を引き継いで、顔認証システムFace IDを採用しています。Face IDは、顔の立体的な形状を認識できる高度な顔認証システムで、画面上部の横長なノッチ(切り欠き部分)に小型のレーザーカメラを使って認証できます。

ただし、Face IDでは現状、マスクを付けたまま顔認証をすることはできません。感染症対策として外出時にマスクを付けることが多くなった最近の状況では、利便性がやや下がっている面は否めません。

一方、Pixel 5は前世代モデルの顔認証から、コロナ禍も見据えてか背面センサーでの指紋認証へ回帰しています。コンパクトなデザインになった分、指紋認証センサーの配置も指が届きやすい位置となっています。

顔認証と指紋認証は、精度や使い勝手で一長一短があり、どちらが優れているというものではありません。ただ今回は、iPhone 12とPixel 5で判断が分かれる形となったようです。

○充電:両者ともに新機軸の「ワイヤレス充電」

iPhone 12とPixel 5では、どちらもワイヤレス充電を巡って新たな機能を追加してきました。どちらも業界標準のワイヤレス充電規格「Qi(チー)」と互換性を持っています。

iPhone 12シリーズではそれに加えて、アップル独自の拡張規格「MagSafe for iPhone」に新たに対応します。MagSafe対応のワイヤレス充電なら、iPhoneに磁力でくっつきます。ワイヤレス充電の不便さの1つ「ズレると充電できない」に、アップルなりの解を示してきた格好です。

さらにMagSafe機構は、ケースを簡単に付け外しするためにも活用されています。ケースだけでなく、カードポケットをiPhoneに固定することも可能です。MagSafeにはNFCによる非接触通信機能が内蔵されているため、将来的にはアクセサリー類の拡充も見込めるでしょう。

一方のPixel 5では、ワイヤレス充電Qiへの対応に加えて、新たに「ワイヤレス給電」もできるようになりました。Qi充電対応のワイヤレスイヤホンや他のスマホなどへ、Pixel 5の内蔵バッテリーから給電できます。

Pixel 5ではバッテリー容量を4,000mAhに増強して、電池持ちが大幅に改善されています。これを生かすなお、ワイヤレス給電機能は、AndroidではHUAWEIやGalaxyなどの搭載例があります。

●5G:両者ともミリ波は米国版だけ
5Gへの対応については、Pixel 5、iPhone 12シリーズともに日本国内向けはサブ6周波数帯のみとなっています。5Gで特に高速な通信が可能とされているミリ波帯への対応は見送られました。

とはいえ、サブ6帯でもきちんと電波を掴む場所にいけば、実測で500Mbps~1Gbpsという固定回線並みの速度は体感できます。ただし2020年秋時点ではエリアがかなり限られており、4キャリアでは関東でも東京23区内のごく限られた範囲しかエリアを展開していません。また、たとえ5Gエリアに入ったとしても、安定して5Gの電波を掴むためには、コツがいるような状況です。

ミリ波帯はサブ6帯よりも電波を掴める範囲が限定されるため、5G展開当初の時点では非対応となっていても現実的には影響は少ないでしょう。

なお、5Gスマホは4G LTEの高速な通信性能も兼ね備えているため、実用上の支障はありません。少なくとも、購入時点では5Gでどこでも高速通信できるとは期待せず、数カ月、数年使っているうちに5G通信になる機会が増えるだろう、くらいの認識でいるのがよさそうです。

ちなみに、ミリ波帯に対応したPixel 5やiPhone 12シリーズも実は存在します。両機種とも、米国向けモデルではサブ6とミリ波の両対応となっています。米国にはVerizonという大手携帯キャリアがあり、同社は5G展開当初からミリ波を中心にネットワーク整備をしている、世界でも珍しい事業者です。このVerizonのネットワークで5Gをまともに使えるようにするため、米国版モデルのみミリ波に対応する必要があったものと推測されます。

●価格と兄弟モデルは?
最後に、価格とシリーズについて見ていきましょう。まずiPhone 12と同時に発表されたラインナップは以下の通り。

iPhone 12 mini(コンパクトでiPhone 12と同等機能)
iPhone 12(シリーズの看板モデル)
iPhone 12 Pro(iPhone 12と同サイズでカメラ強化)
iPhone 12 Pro Max(大画面+カメラ強化)

iPhone 12はシリーズ4モデルの中でも2番目にお手頃なモデルとなります。iPhone 12の直販価格は64GBモデルが94,380円(税込、以下同)、128GBモデルが99,880円、256GBモデルが111,980円。NTTドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアも取り扱います。

Pixel 5の直販価格は74,800円(税込)。ストレージは128GBのみの展開です。国内キャリアではauとソフトバンクも販売しています。

性能を抑えたことで、Pixel 5の5Gスマホとしては比較的手に取りやすい価格設定となっています。なお、Pixel 5と同時に、大画面モデル「Pixel 4a(5G)」も発売されました。このPixel 4a(5G)はPixel 5と主な機能が共通で、実質的な兄弟モデルといえます。

ちなみに今回、iPhone 12シリーズは充電器の同梱をやめ、Lightning~USB Type-Cケーブルのみを同梱するようになりました。Type-C充電器を持っていない場合は別途購入する必要があります。Pixel 5はType-C充電器も同梱されるため、周辺機器を含めたトータルコストではiPhone 12との差がさらに開く可能性もあります。

●まとめ:競い合って進化するiPhoneとAndroid
この10年強、iOSとAndroidは2大スマホOSとしてしのぎを削ってきました。それぞれが機能を高めていった結果、近年では両OSの機能的なへだたりがなくなりつつある傾向にあります。

iPhone 12が搭載するiOS 14では、ホーム画面に大きな機能追加がなされ、アプリに並べてウィジェットを配置できるなど、Androidのようなカスタマイズの柔軟性を得るようになりました。

Androidではたとえば、Google Payにおサイフケータイの電子マネー機能が統合され、カード風に並べて表示するスタイルが取り入れられました。iPhoneのApple Payに近いスタイルと言えるでしょう。

○多くの人に手に取ってもらうための5Gスマホ

今回iPhone 12とPixel 5をポイントごとに見てきたところ、Pixel 5は性能抑えめでお手頃価格なスマホで、iPhone 12は高機能なスタンダードモデルと、コンセプトに差がありました。

ただ、これまでの5Gスマホの展開と2モデルのサイズ感を踏まえると、両者のスマホには「これまでと同じ感覚で使える5Gスマホ」という共通点を読み取れます。

すなわち、iOSとAndroidというプラットフォームを抱える2社がほぼ同タイミングで5Gスマホを投入し、それらは多くの人に手に取ってもらうための5Gスマホだ、ということです。iPhone 12とPixel 5は、5G時代への本格的な移行に向けた先鞭を付けるモデルとなることでしょう。

著者 : 石井徹 いしいとおる モバイルが専門のフリーライター。スマホを中心に5GやAIなど最新技術を幅広く取材する。スマホ購入履歴は100台以上。3キャリアのスマホを契約し、どこでも通信環境を確保できるよう心がけている。 この著者の記事一覧はこちら

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