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コロナ禍で「炭酸水」が売れているのはなぜ?

2020年11月24日07時30分 / 提供:マイナビニュース

●「直飲み」「お酒の割材」の二つの需要
今年前半、外出もままならず仕事はテレワークにと、コロナ禍によってガラリと変わった我々の暮らし。そうした新しい生活様式の中で、「炭酸水」の売れ行きが好評だという。確かに、コンビニ・スーパーに行くと、以前に比べて様々な炭酸水が棚に陳列されていることがわかる。他の飲料とは異なる炭酸水の特徴や効果はどこにあるのか?「サントリー天然水スパークリングレモン」等を開発・販売している、サントリー食品インターナショナル ジャパン事業本部 ブランド開発事業部の村上公規さんにその魅力についてお話を伺った。

○「直飲み」「お酒の割材」の二つの需要

――炭酸水というと、昔はお酒を割るもののイメージでした。今はコンビニ、スーパーにも多くの商品が並んでいて、単独で飲む飲料として定着している印象です。まず、炭酸水を取り巻く現在の状況を教えていただけますか。

炭酸水はおかげさまで市場全体が伸びています。ただ、コロナ禍で急速に伸びたというわけではなくて、ちょっと前ぐらいから少しずつ伸びているカテゴリーではありました。具体的に申し上げますと、2015年ぐらいの市場と比較したときに、2019年の市場がだいたい1.6倍ぐらいにマーケットが大きくなっています。その中でもレモンは2倍ぐらいに市場が伸びています。僕らは所謂「非糖化」と呼んでいるんですけど、砂糖の入っていない無糖の炭酸水になるので、「あんまり甘い飲み物は控えよう」とか、「身体の健康に気遣おう」というヘルシー志向のお客さまが飲み始めて、マーケットとしては堅実に成長していったというのが1つあります。その上で、コロナ禍に入ってグッとそこの成長にドライブがかかったという状況です。コロナ禍に於いてはやはりお客さまがなかなか外出しずらいということもあって、全飲料の前年比が10%ほど落ちているんです。その状況に対して、炭酸水は1.1倍ぐらいに伸びているんですよ。つまり、全体の飲料からすると20%ほど伸びています(2020年1月~8月分)ので、市場として炭酸水は好調です。

――2020年に入り「サントリー天然水スパークリングレモン」のリニューアルや「サントリー天然水 贅沢スパークリング 白ぶどう&赤ぶどう」の新発売などがありました。このあたりはそういった需要を踏まえて開発してきたということでしょうか。

もともと炭酸水が伸びているというところに着目して開発もずっとしていたんですけど、「コロナ禍でなぜ炭酸水が伸びたのか?」という話をもう1度社内でもひも解いてはいて。簡単に言うと、冒頭におっしゃっていただいたように、炭酸水を直に飲むお客さまが増えていますし、同時にお酒の割材として飲む人も増えていますし、両方の需要が伸びているというのは間違いなくあるんですよ。結構、お酒を飲まれる方が居酒屋に行けなくなったから割材需要は伸びるだろうという肌感がある方が多いと思うんですけど、割と直飲みの需要も増えているんです。いつもは水やお茶を飲んでいた人が、通勤もなくなりテレワークが始まり、自分の中で生活リズムが作れないというときに、リフレッシュのために水やお茶の代替えとして炭酸水を飲み始めたという人が多いです。割材の方はイメージ通りで、居酒屋に行けなくなって自宅でお酒を飲むときに炭酸水を飲まれる方が増えました。ただその中でも、直飲みにしても割材にしても、じつはレモン味が伸びているんです。なぜかと言うと、無糖の中でもお茶って味があるじゃないですか?でも炭酸水は味がないですよね。ですからお茶の代替えとして炭酸水を飲む方が好まれるのが味があるレモンの方で、しかも気分が上がりそうな果実なので、そういう意味でもリフレッシュに向いているのがレモンの需要が伸びている理由になっています。

――なるほど、確かに炭酸プラスレモンってすごくリフレッシュされそうなイメージです。割材の方でレモンが好まれているのはどんな理由なんでしょう。

割材の方は、例えば居酒屋だとボタン1つで注文できるものを、やはり自分で作るとなると面倒くさいという声があります(笑)。氷を入れてウィスキーを入れてレモンの炭酸水を入れるだけで、その味が簡単に作れるという楽さで、よりレモンの炭酸水が伸びているところなのかなと思います。直飲みで色んな人が無糖炭酸水を飲まれていたり、有糖の飲料を飲んでいる方もずっといますので、そういうお客さんのニーズをレモン以外でも満たしていった方がいいかなというところもあって、今年9月に「サントリー天然水 贅沢スパークリング 白ぶどう&赤ぶどう」という商品を発売させてもらいました。直飲みで盛り上がっている需要をちゃんと押さえに行こうということですね。

――直飲みと割材の両輪で市場が伸びているということですね。

そうですね。炭酸水が家にある生活をしているお客さまが増えているなと感じています。特にイメージが付きやすいのが、通販系の会社でうちの商品(サントリー天然水スパークリングレモン)のボリュームが1.4倍ぐらい伸びていて(4月~9月の前年比)。ケースで買って家に置いて、直飲みもするし、割材としても使うしという。新しい生活様式に合わせて「家に炭酸水がある生活」をしているお客さまが広がっているな、という実感がすごくあります。だからこちらとしても、直飲みと割材の両輪を含めて、マーケティング活動をしていかないといけないなと考えています。

●どんなシーンにもマッチする"万能さ"
○どんなシーンでも飲める"万能さ"

――実際、お客さんからはどんな声が聞かれるんですか。

炭酸水って、「いつでも飲める、便利使いができる」という声がすごく多いんです。僕らの中でマルチユースと言ってるんですけど、朝に気合を入れたいとき、昼の気分転換に、脂ぎった食事をするときにレモンの炭酸水がちょうど良いから飲むとか、あとはお酒の割材だけじゃなくて、お酒の代わりにノンアルみたいなイメージで飲む方もいらっしゃいます。

――たしかに、お酒の代わりに飲むというのはよくわかります(笑)。

そうおっしゃる方は多いです(笑)。家に置いてあると、色んな場面につぶしが効くんですよね。お客さまの声を聞いて思ったのが、コロナ禍の巣ごもり需要で色んな商品を買い漁る人が多かったと思うんですけど、あのときに買っていたアイテムを聞いても、やっぱりあっても困らないものを買っているんです。例えば、ハムの3連パックとか、いつでも使えそうなものが結構売れたらしいんですよ。炭酸水も、「あれば何かに使える」というようなことも含めて伸びたんじゃないかと思います。

――ターゲットとしては、お酒を飲まれる世代の方が中心なのかなと思うのですが、若い世代への需要ってどうなんですか?

おっしゃる通り、メインボリュームとしてはやはり40代の方々を中心とした30代~50代の働いている方々というのが多いです。今までは炭酸水の入り口が、健康診断で「ちょっと太ったな」とか「不健康だな」と感じた方が、甘い飲み物を飲むのは止めておこうという理由で伸びた市場ではあるので、そこの年代の方がメインボリュームになっている事実はあるんです。ただ、このコロナ禍ということも含めて、働き方、生活様式が変化してきたのはどの世代も共通ですので、そういう意味では今後はメインボリュームの方々だけじゃなく、市場を最終的にもっと成熟させていくのに大事な、20代の方々にも目を向けていかなくてはいけないなとは思っています。
○リフレッシュ欲から"強炭酸水"が人気に

――近年、「強炭酸水」が増えている気がします。それは何故なのでしょうか。

基本的に、炭酸水というカテゴリーにお客さまが求めることをひと言で言うと、「ヘルシーでリフレッシュできる」ということなんです。糖が入らずに、リフレッシュできるということで。例えばコーラ、サイダーのような有糖炭酸って、リフレッシュはできるけど糖が入っていて健康が気になる、水やお茶は糖は入っていないけどリフレッシュが足りないということがあります。そういうこともあって、「ヘルシーでリフレッシュ」を求めているというのが、炭酸水の一番のベースなんです。そのときに1つの価値になっているのが、炭酸のガス圧なんです。他社さんの商品を含めて強炭酸水の商品が増えてきたのは、ガスでのリフレッシュがマストな条件になっていることが感じられます。そういう意味では当社はもともと2013年に「サントリー南アルプスの天然水スパークリング」を販売していたのですが、水が売りという感じもあって、じつはガス圧としてはそこまで高くなかったんです。それを2018年に「サントリー南アルプス スパークリング」として刷新して、ガス圧をグッと上げるという工夫はさせていただいています。

――以前は「強炭酸」よりも「微炭酸」をよく目にした覚えがあるのですが、そのあたりは変化しているのですか。

ヨーロッパを見ていると、微炭酸から強炭酸まで色々な炭酸があるんですけど、割と日本のメーカーのものはじつは強炭酸のものが多いんですよ。

――もともと、ヨーロッパでは食事のときに炭酸水が飲まれていたわけですよね。日本ではどちらかというと長年、お酒の割材としての存在だったということでしょうか。

そうですね。バーとかで使われるソーダというところから始まっていて、なかなか直飲みの需要は伸びてきてなかったんですけど、健康意識の高まりもあって、徐々に伸びてるマーケットではあります。コロナ禍でも、外に出られないし運動もできないという状況の中で、市場以上に当社の商品がやや伸びていると思うのは、サントリー天然水が持つような自然の空気感のところに、実際出られない時期に、開放的な自然の空気も取り込めそうなイメージがするということなんです。他社さんにはないような、刺激やリフレッシュするだけじゃなくて、「自然に接してあの空気を吸っているような気がして気持ちが明るくなる」ということを実際に言っていらっしゃるお客さまもいたので。そのあたりは当社の天然水ブランドが持つ価値が1つ乗っかってるんじゃないかなと思います。

○各社メーカーの炭酸水で味の違いは?

――他メーカーとの比較ということで言うと、本当に様々な炭酸水がコンビニ、スーパーに並んでいますけど、天然水ブランドが持つイメージだけじゃないサントリーさんの炭酸水の特徴ってどんなところにあるのでしょうか。

実際に飲んでいただくとわかると思います。「サントリー天然水スパークリングレモン」を他社さんのレモンを使った炭酸水と飲み比べてみてください。

――(実際に飲んで)他社さんの炭酸水と比べるとレモンの風味が全然違いますね。本物のレモンの味が感じられるというか。

ありがとうございます。じつは当社の商品は、レモン果汁を使っているんです。表示法上、「無果汁」と書かないといけないんですけど、裏を見てもらえば書いてあるんですが、実際は0.3%しっかり果汁を使っているというのが当社のこだわりの1つで、そこで他社さんとの味の差が出ていると思います。あとはレモンを感じるのは香りだと思うのですが、香りに関しては当社は徹底的に研究しています。当社の「C.C.レモン」は発売から20年以上経っているのですが、その頃からレモンの味づくりをめちゃくちゃこだわってやってるんです。ですので、お酒の方で言うと、「こだわり酒場のレモンサワー」とかにも当社のレモンへの考え方が感じられると思います。「-196℃ストロングゼロ」にしてもそうですし。果物の旨味をいかにして飲料で出すかというのは、すごく知見がありますね。「サントリー天然水スパークリングレモン」に関しては、絞ったときのレモンから出るような香りを、レモン果汁や天然香料を使いながら、工場で作り上げているというのがこだわりです。ラベルに「搾りたてレモンのようなおいしさ!」って書いてあるんですけど、それぐらいのレモン感を目指して作っています。うちの炭酸水の価値をひと言で言うと、僕は「フレッシュなおいしさ」だと思ってまして、そこに自信を持って作っています。

――レモンの味もそうなんですけど、炭酸もナチュラルな感じがしますね。

ありがとうございます。水はミネラルウォーターブランドとしても販売されている「サントリー天然水」を使っているので、そこのナチュラルな味わいが出ているのかなと思います。

――ちなみに、「サントリー天然水スパークリングレモン」のボトルって独特な形状をしていますよね。これはどんな意図で設計されているのでしょうか。

直飲みのことを想定した容器の設計をしています。先を細くすることによって、飲んだときに角度によって流量が増えるんです。そうすることで喉にダイレクトに入ってくる炭酸水の量が増えるので、より刺激を感じやすくなるんです。
○炭酸水は脳を活性化させる?

――ちょっと個人的に前から思っていたんですけど、炭酸水を飲むとシャキッと脳が活性化されるような気がするんですけど、炭酸水を飲むことで体にそういう作用もあるんですかね?

サイエンスの部分までは正直お伝え出来ないですけど(笑)、少なくとも確実にCO2が入っているので、喉に水を流し込むのと炭酸水を流し込むのとでは感覚が全然違いますよね。。ガスが何かしら作用しているというのはあると思います。

――それに加えて、銭湯に行くと炭酸風呂ってあるじゃないですか?それを考えると炭酸ってやっぱり身体に良いのかなというイメージがあります。

ははははは(笑)。それは、お客さまからの声にも出ていて、例えば美容を気にされている女性の方も、炭酸で顔を洗うという話もありますし、それはたぶん各々別の会社さんが何かしらのファクトで言ってるとは思いますが(笑)、そういう声はよく聞きますね。糖が入っていないことに対してのヘルシーなイメージや、ガスを水に溶かしたもので流し込むので、腹持ちが良くてダイエット効果もあると言ってる方もいますし、炭酸水自体に色んな切り口で漠然としたポジティブな健康イメージがあるのが事実なのかなと思います。

●炭酸水のこれから
○炭酸水の楽しみ方と今後の展開

――とくにこんなシーンで飲んでほしい、ということはありますか?

炭酸水って、「どこのシーンでも飲める」のが価値だと思っているんです。気分展開、朝のスイッチ、お酒の代替え、色んなシーンで飲めるということをまずは守らないといけないと思っています。例えば、「おやつ代わりのリフレッシュ」だけになってしまう商品ではダメだと思いますし、炭酸水の良さを損なっていると思うんですよ。どこでも飲めるということをベースにして、商品としてそこを失っていないかを確認しながらやってはいます。僕もじつは朝からこれ(「サントリー天然水スパークリングレモン」)をめちゃくちゃ飲んでるんですけど(笑)、朝にも飲めるし昼にも飲めるし、夜にもお酒の代わりに飲んでいるという生活を作っていけたら嬉しいですね。

――今後の炭酸水の商品展開はどのようにお考えですか。

今後、コロナがどこまでどうなるかは誰にも予測できないですが、少なくともこのコロナ禍で炭酸水が家にある生活を始めた方って、「便利だな、いいな」と思って続けてくださると思っています。マーケットとしても今年ほどのドーンと成長はないにしても、堅実な成長はもともとしていましたし、そこがまだまだ続くと思います。当社としても、新しい生活様式に合わせた新展開や新商品は考えていこうと思っていまして、その1つとして、先ほどお話したような通販でまとめ買いをするお客さま向けに、ラベルを剥がす手間がいらない「ラベルレス」のスパークリングレモンを11月から発売しています。そういう家ナカに着目した商品もそうですし、色んな人の目が炭酸水に向いているところによりドライブをかけていくような新商品展開を含めて、2021年はガッツリやっていこうかなと思っています。「サントリー天然水スパークリングレモン」の価値って、今日お話させていただいたように、他にはない自然の開放的な空気を感じられそうという、天然水ならではのイメージだと思いますし、もう1つはフレッシュなレモンの美味しさという、この2つが当社のユニークなところだと思っています。そこを少しでもお客さまに楽しんでいただけるようなことを今後もやっていこうと思いますので、是非手に取ってみてください。

岡本貴之 おかもと たかゆき 1971年新潟県生まれのフリーライター。音楽取材の他、グルメ 取材、様々なカルチャーの体験レポート等、多岐にわたり取材・ 執筆している。趣味はプロレス・格闘技観戦。著書は『I LIKE YOU 忌野清志郎』(岡本貴之編・河出書房新社)」 この著者の記事一覧はこちら

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